僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

星降る夜に…②

2013年01月06日 | SF小説ハートマン




地球に到着したと思われる物体からは
相変わらず光とβ電磁波が放出されていた

宇宙検疫隊が自衛隊とNASAの協力を得て監視を続けている

およそ72時間が経過した頃
物体から音が聞こえ始めた
それは正確に5つの周波数で順番に2秒間ずつ発せられ
3回鳴った後10分休むことを繰り返していた

テレビのニュースを見た子供が
昔の鉄道博物館で見たロマンスカーの警笛だ、と叫んだ

コミュニケーションを欲しているのかも知れない…

現場にSAKAMOTOが招集された
SAKAMOTOは日本生まれだが、宇宙通信音楽理論で世界的権威で
U&U(ユニバーサルユニバース:2050年ナスカに設立された宇宙大学)の特別委員の肩書きを持つ
星間音波がブラックマターの基盤だと初めて証明したことにより一躍有名になった


さらに72時間が過ぎると、
音は次第に小さくなり消えてしまうかに見えたが
物体の中心が白く形を現し始めていた

鳥か?








物体の一部が粘液のように広がったかと思った瞬間
人間の子どもと思われる生物が絞り出された
しっかりと直立し歩き始める…








歩いた後に奇妙な物が残されていた

卵なのか?








そして次々と成長を始めた異星人達
どこから?そして目的は?
SAKAMOTO教授の分析結果は?





つづく

































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星降る夜に…①

2013年01月06日 | SF小説ハートマン


さいたま市にある若田記念国際宇宙空港は
今日もC3-PAX惑星への出発便で混み合っていた





定位置に付いた隊員のひとりが
レーダーに光を感じた

この時間に航路を横切るデブリはないはずだが…








星の形をしたデブリは空気との摩擦で発熱し
七色に輝きながら地球に衝突した
いや、衝突と言うより着陸と言った方がいいかもしれない
通常感じるはずの衝撃波が全くなかったからだ

ソフトランディング?
隕石やデブリにしては何か変だ
誰もがそう感じた








着陸地点の回りに非常線が張られ
すぐに調査が始まった
異星からの訪問者だということは
表だっては誰も口にしないが
もう宇宙検疫官だけでなくみんな気付いていた








地球にはない不思議な素材でできている
指で押せばへこむほど柔らかく、ほのかに温かい
わずかだがβ電磁波を放出している




つづく












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