僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

森の約束

2013年08月02日 | いろいろな顔たち






あまり話したくないがな


こうして目が見えんのも元はと言えばそれなんじゃから


あの兄妹のことは分からんが、


その親のことなら今でもようく覚えとる




あの夫婦はわしの家の隣に住んでおった


最初の子どもが生まれ


3年して次の子が生まれた


最初が男で次が女だったなぁ


年を取ってからの子どもだったで


そりゃあもう喜んでおったもんだ




幸せつーたらああゆうんを言うんじゃろう


隣で暮らすわしらも何かこう


一緒に楽しくなってしまうような暮らしぶりじゃった




近所づきあいってものは


他人なんだが、気持ちに家族以上の部分があってな


気ばっかり遣うてなぁんも楽しくないのが普通じゃが


気持ちのええ人だと


そりゃあ毎日が楽しいような嬉しいような


生きてて良かったって思うようなものだな





だからその後のことは


話したくないさ


約束とか掟とかそんなもんじゃぁねえ


思い出したくないのさ


話をすりゃあどうしたって思い出しちまうだろう


どうしても聞きてぇんなら


女神様に聞くこった























コメント
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