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朝、牛の鳴き声で目を覚まし起き上がって出て行くと
ばあちゃがにっこり笑っておはようと言う
ばあちゃはいつも土間にぺったりと尻をつけ
切り株のような丸い台の上でアタをこねていた
アタはインドの小麦粉だ
ムンバイから車で2時間ほど離れた田舎の村
野良牛と野良犬がいつもふらふらと歩き回っているようなところだった
と、記憶している
ばあちゃはこねたアタを薄く伸ばし、焼けた鉄板の上にぺたっと乗せる
1分もしないうちにプツプツとふくらみだす
あばたのように焦げたそれを裏返して焼いてから
今度は網の上にぽいと乗せると、ぷわ~っと全体がふくれる
毎朝見ていても飽きなかった
これが僕の朝食になる
お父さんが役所に勤めている金持ちのトモダチは
ナンのほうがうまいぞ、と教えてくれたけど
僕は日本に来るまで食べたことがなかった
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今日はあの頃を思い出しながらチャパティを焼いてみた
アタは無いから全粒粉をこねる
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インドの食事は3食カレーだ
と言っても日本のカレーライスとは全然別物で
要するに煮物でも野菜炒めでもみんなカレースパイス味ってことだ
それをつけたり乗せたりするのがチャパティ
カレーを解凍するのを忘れていたので
ただマーガリンを塗って食べる
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懐かしい小麦の味だね。。
(お話はフィクションです)