暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

病院のミニ・コンサート

2018年02月25日 | 暮らし

       近くの公園の紅梅と白梅がまっ盛りです


2月に2週間ほどツレが神奈川県立がんセンターに入院しました。
11月に2回目の精密検査を受けて初期の癌が見つかったのです。
N先生から治療方法について丁寧な説明を受け、年明けに手術の選択をしました。
手術の選択は本人にとって大変なことだったと推察しますが、早期の段階で手術に踏み切った方が転移や癒着などの心配もなく、体力があるうちにした方が良いのでは・・・と思いました。

N先生から手術の具体的な方法とその後の処置、手術に伴うリスクの説明を受け、ツレも私も納得し、手術をお願いしました。
今は開腹ではなく腹腔鏡手術を行い、万が一の場合(血管炸裂、癒着がひどいなど)には開腹して対処すること、24時間はICU(集中治療室)で術後のケアをし、その後は病室へ戻り、管を付けたまま自力でトイレへ行く事など・・・・いろいろ変わっているようです。

一番驚いたのは静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう、エコノミークラス症候群とも)の予防措置でした。
静脈血栓塞栓症は入院患者の主な死因の一つになっているそうです。
手術が長時間に及ぶと、ふくらはぎの血管に血栓が出来やすくなり、術後にその血栓が血流に乗って下大静脈・右心房・右心室を経由し、肺へ流れつき、肺動脈が詰まると肺塞栓症となることがあるそうです。
予防措置としてはタイトな膝下の靴下を履き、手術中にふくらはぎのマッサージ器を導入しています。


    プランターの蕗の薹が顔を出しています

幸いにも手術は順調に終わり、手術後すぐにN先生から経過説明を受けました。
「これが摘出部位です。ほらっ!癒着もなく、とてもきれいに摘出手術ができました」
N先生には見慣れている臓器でしょうが、私には初めての事でちょっとひるみました。
手術がよほどうまくいったのでしょうね。それを見せて説明するN先生の顔が嬉しそうでした。
「ありがとうございました・・・」
私も先生にお願いしてヨカッタ!と心から思いながら、その部位の詳しい説明を伺いました・・・

その後、短時間の面会が許されICUへ行くと、ツレの顔がしっかりしていて元気そうに見え、安堵しました。
それでも吐き気がするとのことで、あとは看護婦さんへお願いして引き上げました。
あとでその時のことを聞くと、私が来て「タコがどうとか・・・」とおしゃべりしたことをぼんやりと覚えているだけでした。


  梅  (季節の花300)
(「好文木」「木の花」「春告草」「風待草」という別名も大好きです)

経過は順調で、身体に3本付けられていた管が徐々に取れていきました。
退院も2日ほど早まって、いよいよ退院も間近い木曜日、2階のラウンジで毎週開催されている「木曜 ミニ・コンサート」へ二人で出かけました。
ボランティアさんに渡されたプログラムを見ると、第799回とあり、びっくり!

第799回 木曜 ミニ・コンサート    2018.2.15

     シャンソン独唱 美山容子(みやま ようこ)
     ピアノ伴奏   大本公広(おおもと きみひろ)

 1.再会
 2.バラ色の人生
 3.小雨降る径
 4.私の心はヴァイオリン
 5.ラストダンスは私と
 6.愛愁(美山容子オリジナル曲)
 7.なつかしの歌メドレー(皆さまとご一緒に)
 8.浜千鳥(皆さまとご一緒に)


美山容子さんは80代とのことですが、シャンソンを情感たっぷりに謳いあげてくださいました。
ピアノの大本公広さんとのデュエット「ラストダンスは私と」は息がぴったりで、もっと聴いていたい・・・と思いました。
美山さんのお話によると、美山さんも癌を患っていらして、落ち込んでいた時に、こちらのドクターにミニ・コンサート出演を勧められたそうです。
毎年1回のミニ・コンサートが励みになり19回目になるそうですが、20回目は体力のこともあり考慮中だとか。


  我が家の水墨画風「春告草」(はるつげぐさ)
 
そんな美山さんの歌と癌と戦い立ち向かっていく姿が多くの患者さんや家族を慰め、元気づけているのを感じます。
ツレと私も「なつかしの歌メドレー」を大声で熱唱して、なんか元気をいっぱい頂いた気がします。
長年のファンの方でしょうか・・・コンサート後に花束をいくつも受け取って、美山さんも嬉しそうに輝いていました。
ぜひ来年の20周年ミニ・コンサートをめざし、元気に頑張ってくださいね・・・