暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

暁庵の茶道教室の初釜 in 2019 ・・・(3)

2019年01月31日 | 暁庵の裏千家茶道教室


    玉庭・仁庵の小間席

(つづき)
後炭になり、暁庵が後炭手前をしました。
釜を上げると、炭がすっかり流れていて、火がかなり回っている胴炭だけが残っている状態でした。
懐石で相伴時間を長めにとったものの、料理もスムーズだったので、この時季、炭が乾燥しすぎていたのかも知れません。
稽古の炭手前でも、あっという間に火が熾ることが多く、茶事ではいかに後座まで炭を持たし、濃茶の時にしっかり煮えがついているか・・・その塩梅が時期によっても違うので難しく、今後の課題です。



後炭の見どころの一つ、胴炭もすぐに割れ(ちょっとつまらないくらい・・・)、炉中の炭をすばやくまとめます(枝炭などの流れの景色はなるべくそのままにして・・・)。
匙香(香「唐衣」(松栄堂))に続き、湿し灰が撒かれ、輪胴から逆に炭を置いていきました。
薄茶だけなので継ぐ炭を少な目にし、丸管、割管、枝炭を一緒に掴むシーンになり・・・社中の皆様も苦労しているところなので、息を呑むように見つめています。
内心心配しながら・・・気合を入れて一気に持ち、無事炉中に置けてヨカッタ!です。
美しい青藍の羽箒(N氏お持ち出し)で炉縁を三度も掃けたので、今年はきっと良いことが待っている気がします。

再び、後座の亭主Uさんと交代し、員茶之式風に薄茶を頂きました。
花月札に代わり、百人一首を使い、札元のFさんが札を取り優雅に読み上げると、その札を持っている方が「下の句」を唱和し、菓子と薄茶を頂きます。
茶碗を定座に返すと、その足で点前座へ進み、次の方のために薄茶を点てます。
薄茶は「金輪」(小山園詰)です。
お正月らしく華やかな雰囲気の員茶之式、なごやかに(にぎやか?)薄茶を点て合いました。
お点前に見惚れ、それぞれの方に似合った着物と帯を鑑賞させて頂き、幸せな時間が過ぎていきました。




お菓子は、有馬・雅中庵での初釜の帰りに京都へ寄ったので、京都のお土産です。
松風(たしか?亀屋陸奥)とお目出度い打ち物(千本玉寿軒)、菓子器は鎌倉彫の春日盆です。
仕舞い付けはKTさんにお願いしました。
豪華な塩釜蒔絵の大棗は大宗匠在判、寛斎造、
茶杓は銘「なごみ」、興臨院・萬拙和尚作です。




すっかりくつろいでしまいましたが、最後の挨拶が終わると、「それっ!」とばかり全員で片づけです。
N氏の車へ荷物を積み込み、ステキなおかみさんに見送られて箱根・玉庭を後にしました。
「お世話になり、ありがとうございました。またのご縁がありますように・・・」
天気にも恵まれ、穏やかで楽しい初釜でした。
今年も相和して前をしっかり向いて茶の道を歩いて行きましょうね。


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暁庵の茶道教室の初釜 in 2019 ・・・(2)

2019年01月28日 | 暁庵の裏千家茶道教室


       紅白の椿と芽のもの(桜)

(つづき)
初炭の後は懐石です。
広間へ移動し、そちらでゆっくり懐石を頂きました。
玉庭さんとの打ち合わせで、懐石は喫架で立礼式に頂くことにしました。
我が家でも最近、私を含め膝、足などを痛めている方が多いので椅子席が喜ばれていますが、社中だけの初釜なので楽をさせて頂き、懐石を楽しみました。
初座の亭主N氏にお運びをお願いしましたが、二度目の飯器まで早目に懐石料理を出して、N氏にもゆっくりお相伴の時間をとって味わって頂きました。
初釜らしいお目出度い懐石料理が並び、ワイワイと楽しく完食です。


    煮物椀・・・海老しんじょうが絶品でした

  懐石献立
   向付  鯛重ね作り 芽甘草 山葵 加減正油
   汁   手毬麩 三つ葉 辛子 白味噌仕立て 
   煮物椀 海老しんじょう 大占地茸 細根大根 柚子
   焼物  鰆 幽庵焼
   預鉢  天蕪風呂吹き味噌 阿波尾鳥丸 小松菜熱浸し
   強肴  数の子 松前漬け 糸がつを
   箸洗  松の実
   八寸  伊勢海老  梅花長芋
   湯桶  おこげ
   香の物 沢庵  蕪  奈良漬
   酒   (う~ん ?? )


懐石後に縁高で主菓子が運ばれました。
雅中庵初釜に続いて2度目のはなびら餅を嬉しく頂戴し、露の打たれた露地を通って腰掛待合へ中立しました(暁庵は準備を手伝いに水屋へ)。


   露地にある道しるべ




亭主N氏が打つ銅鑼の音色に感動し、すっかり心を奪われました。
大・・・・小・・・中・・中・・・・大

いつまでも銅鑼の素晴らしい響きが続くので、次の一打を打つのがためらわれる様子でした。
つくばって聴いているお客さまには如何だったでしょうか?
(独り言・・・こんな銅鑼が欲しい!)

後座の床に紅白の椿と芽のもの(桜)を生けました。
花入は竹一重切、銘「玉兎」淡々斎の在判があります。
点前座のどっしりと存在感のある水指は志野(源也造)です。
火相も湯相もよく、後座の亭主Uさんの濃茶点前が始まり、暁庵も末席へ入りました。


茶入につづいて茶杓が清められ、茶が3杓掬いだされた後にサラサラと緑の濃茶が美しく茶碗の中へ回し出されました。
Uさんにとって嶋台(大樋焼、壮明造)で6人分の濃茶を練るのは初めてのことでした。
しっかり丁寧に濃さも丁度良く練ってくださいました。
お服加減を尋ね、中仕舞をしてから末座へ入り、相伴してもらいました。
「いかがですか?」と私。
「とっても!美味しいです・・・」とUさん、全員に満足の笑みがこぼれました。
濃茶は松花の昔、小山園詰です。

茶入、茶杓、仕覆が拝見に出されました。
茶入は膳所焼の耳付、茶杓は銘「知新」、大亀師作です。
ステキな仕覆(写真がなくて残念・・・)は弥左衛門間道でした。(つづく)


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三溪園・春のクロスロード茶会のご案内・・・満席になりました

2019年01月27日 | 茶事・茶会(2015年~自会記録)

  秋の下見の時の春草蘆・・・三溪園・春のクロスロード茶会の濃茶席はこちらです


寒中お見舞い申し上げます

ベランダの睡蓮鉢に薄氷が張る今日この頃ですが 、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私事で恐縮ですが、
拙ブログ「暁庵の茶事クロスロード」が2019年6月に10周年を迎えます。
折々の心に残ったことを記憶に留めておきたいと続けてまいりましたが、
たくさんのお茶を愛する方々と知り合い、ご交誼頂きましたことは何よりの喜びであり、
いろいろなことを経験し成長させて頂いた10年でした。 
ありがとうございます・・・

つきましては、ブログ10周年の区切として平成31年4月13日(土)に
横浜三溪園の春草蘆と蓮華院にて「三溪園・春のクロスロード茶会」を催すことになりました。
「三溪園・春のクロスロード茶会」へお出ましくださいますよう、謹んでご案内申し上げます。

春草蘆(重要文化財)蓮華院は三溪園創立者の原三溪翁が愛した茶室です。
光と影のうつろい、竹林や連子窓を吹き抜ける風、サウンドスケープなど、茶室の持つ魅力を楽しんで頂きながら、茶会スタッフ一同、心を込めておもてなししたく存じます。
ブログ愛読者のみなさまと「三溪園・春のクロスロード茶会」でお会いすることを楽しみにしております。 
どうぞお早目にお申し込みくださいませ。



  秋の下見の時の蓮華院・・・三溪園・春のクロスロード茶会の薄茶席はこちらです

三溪園・春のクロスロード茶会
日時  平成31年4月13日(土)
場所  横浜三溪園(横浜市中区本牧三之谷58-1)
会費  5千円 (三溪園入園料を含む)
席   濃茶席  春草蘆 (席主:暁庵こと宇都宮宗曉) 
    薄茶席  蓮華院 (席主:中野宗等&藤田宗厚(暁庵社中))
 全6席、各席7名様、約2時間の予定で、濃茶席、薄茶席の順でご案内いたします。

お申し込みはメールにて、御名前、御住所、連絡先電話番号、簡単な自己紹介(流派など)を添えて、
akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp(訂正済)へお願い致します。

締切は2月10日(金)です。(1月19日より募集しております)
お申し込み頂いてから、受け付けメールにて茶会の詳細をお知らせいたします。 

追伸
恐れ入りますが満席になりましたら、こちらの追伸蘭にてお知らせいたします。
行き違いなどで表示が遅くなりましたら、どうぞお許しください。


追伸ーその2
すみません。メールアドレスの記載の誤りがあるとの指摘を頂き、訂正させて頂きます。
正しくは、akatuki-ane@grace.ocn.ne.jpです。

追伸ーその3
ご参加のお申し込みまたはご検討いただきまして、誠にありがとうございます!
ブログ読者さまの残席が3名様になりました。引き続き、お申し込みをお待ちしております。(1月26日)


追伸ーその4
本日、ブログ読者さまのお席が満席になりました。ありがとうございます。 (感激!)
ご検討中の方には誠に申し訳ございません。またの機会に是非御目文字できますよう願っております。(1月27日)
 


暁庵の茶道教室の初釜 in 2019 ・・・(1)

2019年01月18日 | 暁庵の裏千家茶道教室




  箱根湯本の旅館・玉庭(ぎょくてい)の茶席・仁庵にて


平成31年(2019年)1月9日(水)は暁庵の茶道教室の初釜でした。
諸事情で欠席された方、遠くスウェーデンにいるOさん、このブログで初釜を楽しんでくださると嬉しいです・・・。

今年は箱根湯本の旅館・玉庭(ぎょくてい)の茶席・仁庵をお借りしました。
仁庵は良く手入れされた御庭に囲まれ、本格的な露地、外腰掛そして蹲踞も整っていて、素晴らしい茶の湯空間になっています。
N氏のワゴン車に乗り合わせ、総勢6名で賑やかに(?)出かけました。     
その日は快晴で温かく、雪を抱いた霊峰富士が顔を出したり、隠れたり、絶好のドライブ日和でした。
10時頃に到着し、早速11時の席入りに合わせて、手分けして準備をしました。

 
                            (クリックしてね)

2019年初釜は茶事形式とし、初座の亭主はN氏、半東はUさん、正客はFさん、次客Kさん、三客暁庵、詰KTさんです。
待合(広間)の床には御軸とお目出度い福鈴が飾られていました。
御軸は、
「箱根越す 人もあるらし 今朝の雪」  
雪の箱根路を髣髴させる書は稲垣黄鶴筆とありました。
稲垣黄鶴は(いながき こうかく、1903〜2006)は長野県軽井沢出身、書道家で俳句や画も書いています。こちらは玉庭に逗留した時に書いたものかもしれませんね。


 こちらも箱根らしい莨盆・・・箱根神社の節分の升

半東Uさんが汲み出しを運び、外腰掛へご案内をしました。
汲み出しは京焼の青海波、金箔入りの梅こぶ茶(金沢箔一製)が目を惹き、今年は金運に恵まれるかしら?
大体の準備が済んだので、暁庵も外腰掛へ三客として合流し、亭主N氏の迎え付けを待ちました。
外腰掛に腰かけていると、何とも言えない箱根の山の冷気が清々しく、ほっこりと温かな日差しが4人を包み、鳥のさえずりが聴こえてきました・・・。




N氏が水桶で蹲踞の水を改めている音が聞こえ、まもなく迎え付けです。
正客Fさんに続いて全員がご亭主と無言の挨拶を交わしました。
露が打たれた露地を進み、躙り口から茶室へ席入りしました。
茶室は四畳半台目、床の御軸は扇面に寿とあり、井口海仙宗匠の御筆です。

台目席の点前座へにじって入り、炉中を拝見して「あっ!」・・・釜が掛かっていません。
濡れ釜を席入り直前に掛けるのを言い忘れていました。
・・・あわてて水屋へ入り、濡れ釜を掛け、もう一度見てもらいました。
でも、玉庭さんの灰の手入れや炉中の景色がそれは素晴らしかったので、皆で拝見出来たのは幸いなことでした。
ここで一人ずつご挨拶となりました。
「明けましておめでとうございます。
今年も初釜を社中の皆様と箱根・玉庭で祝うことができまして、大変嬉しく思っています。
昨年は膝や腰に故障があったり、社中にいろいろあったりしましたが、今年は体調に気を付けて、皆様、元気で!お茶を楽しみましょう」・・・とご挨拶したような・・・。


   4代仙叟好みの矢筈釜、大国藤兵衛造

「お炭を置かせて頂きます」 N氏の台目の初炭が始まりました。
釜は矢筈釜(4代仙叟好、仙叟が初代宮崎寒薙に造らせた)、作者は大国藤兵衛です。
茶事で矢筈釜に出合ったのは2回目ですが、切り立った崖のような口廻りの矢筈の形状、ゴツゴツと荒々しい地肌、水を出すために作られた穴(客付に向けるそうです)など、見所満載で作り手の気迫を感じる釜でした。
N氏お持ち出しの青藍の羽箒が目を惹き、振振(ぶりぶり)の優雅な香合(塗り物)もステキでした。
香は「唐衣」(松栄堂)です。 (つづく)


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   (つづきは、「三溪園・春のクロスロード茶会」のご案内のあとになります 

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有馬・雅中庵での初稽古 in 2019

2019年01月12日 | 稽古備忘録・・・東京教室の稽古




平成31年1月5日、S先生の初稽古(初釜)へ東京教室のOさまとYさまと参席しました。
毎年、初稽古は兵庫県有馬グランドホテル・雅中庵で行われています。

京都を離れて以来4年ぶり(?)でしたが、先生の初稽古の気合いがひしひしと感じられるお席でした。
それに、久しぶりの同窓会の様に懐かしい方々にお会いでき、嬉しいひと時でした。
なんか、病みつきになりそうですが、忘れないうちにブログに濃茶席の様子を書いておきます。


  「少女羽子揚げ図」 (森寛斎筆  一文字秋石筆)

待合の床には「少女羽子揚げ図」と枝垂レ柳が掛けられ、干支の模様が描かれた羽子板が飾られています。
下には垂涎の炭道具一式とたくさんの箱書、会記もあり、S先生の初稽古への気構えが伝わって参ります。
会記はのちほどゆっくりと拝見することにして、菓子席へ向かいました。


   菓子席の床  「大原女」(森寛斎筆)と蓬莱飾り

菓子席にも床があり、「大原女(柴の上に犬?)」の画が掛けられ、蓬莱飾りが見事です。
2つ(吉野絵と唐松文爪紅)の縁高(六代宗哲と万象造)が運ばれてきました。
袱紗ゴボウの味と歯触りが何とも美味で、垂れないけれど柔らかい味噌餡が入ったはなびら餅(末富製)をぱくつき、京風の味わいを堪能しました。

菓子席隣の書院付広間(16畳台目)が濃茶席になっていました。
広い床には、圧倒するような横物の御軸が掛けられています。
「何処へ座ったら良いかしら?」ウロウロしていると、奥様の鶴の一声がして、なんと!正客席へ座らせて頂きました。
久しぶりに東京から・・・ということで、ご指名してくださったようです(もう汗!!)。


新年を祝う飾り物「ヒカゲノカズラ」(古代の神事に使われていた)

まもなく、襖が静かに開けられ、S先生の濃茶点前がはじまりました。
その瞬間から総勢24名の客が一心同体になりました。
先生の一挙一動を息を凝らして見つめる中、袱紗が捌かれ、茶入、茶杓と清められていきます。
ゆったりとした自然体なのですが、指の先まで神経が行き届いているような所作は美しく、全員が魅入っていました。
そして、茶入から3杓掬いだされた後、サラサラさらさらと滝のように緑の抹茶が回し出され、一幅の絵を見るようでした。

茶筅が最初は静かに小さな輪を描くように、やがてリズミカルに音楽を奏でるように練られ、かなり離れた暁庵の席へも芳香が満ちてきました。
席を立って取りに出て、その時初めて先生と目が合いました。
先生は優しく茶碗を持ちあげて渡してくださって、「座らなくっても良いですよ」と言い、「5人さまで」とおっしゃいました。まだ、膝が完全に回復していないので、気遣って下さったのです・・・。


   天明さび釜 認得斎銘「古狸」、黒柿の炉縁

茶碗は嶋台の亀(12代慶入作)、5人分の濃茶がたっぷり入っています。
総礼して、口に含むと、
「少し伸ばし過ぎたようですが、いかがでしょうか」
「いいえ・・・とても美味しゅうございます」
丁度飲み易い濃さの濃茶をたっぷり頂戴しました。
服加減を聞くと、先生はすぐに2碗目の濃茶に取り掛かり、次々と4椀(24人分)の濃茶を練ってくださいました。
茶碗は、如心斎好嶋台(慶入造)と飴釉嶋台(九代長左衛門造)です。
濃茶は「延年の昔」(星野園詰)、香り佳く、まろやかな甘みを感じる濃茶でした。

4椀を練り上げてから客付に向かわれて
「皆さま、あけましておめでとうございます」とご挨拶があり、私たちも笑顔でご挨拶を交わしました。
正客でしたがこの時まで、この清々しくも緊張感のある雰囲気を壊したくないと、沈黙を守ってヨカッタ!です(ほっ・・・)。



 
その後、先生から寄付、菓子席、本席の掛物や初釜にふさわしい正月飾りについていろいろお話しいただきました。
中でも2間近くある広い床に堂々と掛けられた横物の御軸が圧巻でした。

「別是一家風」

読み下しは、別(べつ)に是(これ)一家風(いっかふう)
雄渾な御筆は、大徳寺116世・万仭宗松禅師です。

「家風」とは「生き方」、この場合は「茶の道」かもしれません・・・。
今までとは違う「茶の道」を自分で見出し、それを発展させていこう・・・という意味でしょうか。
「茶の道」はそれぞれが自由に考え、自分で見出していくもの、それぞれの家風があって好し・・・という意味にも解釈できます。
新年の席にふさわしく、先生の決意表明のようであり、私たちを新しい境地へ導いてくださっているようでもありました。

床の花が素晴らしかったです。
松、衝羽根、水仙が唐銅立鼓(浄味造)の花入にいけられていました(写真がうまく撮れなかったのが残念!)。
香合は、玄々斎好の富士絵蛤です。


  華やかな認得斎好手桶  又みょう斎在判  八代宗哲造

最後に、茶入と茶杓について書いておきます。
茶入は瀬戸破風窯の翁手で銘「玉津島」、落ち着きのある形、味わい深い茶入と嬉しい再会を果たしました。
小堀権十郎箱書があり、書かれている和歌を詠んでくださいました。
茶杓は竹、10代認得斎作で銘「杖(つえ)」でした。

   人問はば知れる翁の夜語りを
        昔にかえす和歌の浦波


先生のお話は面白く、興味深く、お道具も詳しく書き留めたいことばかり・・・ですが、既に夢の中です。
夢の中のような素敵な時間を皆様と過ごさせて頂き、初稽古へ参席できたことを喜んでいます。来年も元気で参加したい・・・と願っています。
その日はOさま、Yさまと有馬グランドホテルで一泊し、有馬の名湯に浸かってきました。