暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

五葉会(七事式の勉強会)のお仲間を募集しています

2017年03月27日 | 暁庵の裏千家茶道教室

  (2017年3月10日の五葉会・・・三友之式にて)

五葉会(七事式の勉強会)」のお仲間を募集しています
                
2015年5月から発足した「五葉会」は七事式の勉強会(定員6名)です。
来年度(5月~)に欠員が出ましたので、御一緒に研鑽してくださる方を1名さま(経験者)募集させて頂きます。

自分で言うのも変ですが、素敵なメンバーに恵まれ、毎回楽しく有意義に七事式のお稽古をしています
ご興味がありましたら先ずはメールにて暁庵までお申込みまたはお問い合わせくださいませ。

メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp
                
会の名称:五葉会(ごようかい)
    (「一華開五葉」から命名しました)
募集人数: 1名様 (経験者)

日時:1年間(5月~翌4月)に全8回、第2または第3金曜日 
   (次回は5月12日(金)、その次は7月14日(金)、6月、8月、11月、2月は休会)
   10時 ~15時(お昼持参)
場所:暁庵宅 (横浜市旭区今宿  相鉄線二俣川駅下車)

内容:七事式の研鑽(1回3科目、年間カリキュラムを決めています)
    ○ 5月の予定は且座・平花月・貴人清次濃茶付花月
    ○ 7月の予定は炭付花月、茶カブキ之式、平花月または四畳半花月
会費:1回4千円(内訳:会費3000円+炭、消耗品代1000円)
   
期間:5月より翌年4月まで
  (1年ごとの更新:1年後に継続するかを確認いたしますが、できましたら2年は継続できる方)

募集期間:3月27日~4月7日まで(決まり次第、募集を終了させて頂きます)
     募集終了についてはこの欄の追伸にてお知らせいたします。



      
    素敵なご縁がありますように五葉会一同お待ちしています・・・ 


追伸)
  先ほど五葉会参加のお申し込みを頂き、その方に決定いたしました。
  ご検討中の皆様には大変申し訳ございません・・・。  (3月31日22時記)



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辛夷と白木蓮の散歩道

2017年03月25日 | 暮らし

          帷子川の川辺

3月19日(日)、10時過ぎからツレと散歩へ出かけました。
毎年、このころになると辛夷(コブシ)や白木蓮(ハクモクレン)の花が咲きそろい、帷子川を挟んだ丘陵に白い花の群れが目立つようになります。
辛夷や白木蓮の大木を一つ一つ訪ね歩くのも楽しいですが、中でも一際美しく咲きそろう場所があり、
そこでお弁当を食べながら花見を・・・という計画です。
途中のコンビニで助六寿司と牛乳を購入、これでお昼の心配はなくいつでもどこでもOKです。

我が家から遍路道と呼んでいる切り通しを下って帷子(かたびら)川へ出ると、
柳の新芽が青々と風にゆられ、折しも放水訓練をしていました。
16号を突っ切って八王子街道の旧道を進み、畑のある田園風景を楽しみながら「ふるさと尾根道」へ出ました。





尾根道には横浜水道の水道管が通っていて、鶴ヶ峰浄水場までグリーンロードが続いています。
尾根道にはソメイヨシノの並木があり、枝ぶりの見事な古木も多く、桜の名所になっています。
満開まであと2週間でしょうか。
静かな尾根道は絶好の散歩コースですが、今日の目的地は鶴ヶ峰浄水場近くの鶴ヶ峰神社です。


     鶴ヶ峰神社

鶴ヶ峰浄水場近くに鎌倉時代の武将・畠山重忠にまつわる「駕籠塚」という遺跡があります。

畠山重忠ら一行が鶴ヶ峰で鎌倉勢と戦うという報が菅谷館(埼玉県比企郡嵐山町菅谷)に届くと、
重忠の側室菊の前(次男重秀の母と言われている)はすぐさま鶴ヶ峰に向かいました。
やっと鶴ヶ峰近くまでたどり着きましたが、夫やわが子が討死したことを聞き、自害したと言われています。
その自害した場所に駕籠ごと埋葬されたと伝えられていますが、以前は浄水場内にあって1955年に今の場所に移されました。
  (参照・・・「水辺からのレポート 横浜帷子川をゆく」)

桜の頃に駕籠塚を訪れたことがありますが、入口から塚まで散った桜の花びらが敷き詰められ、
菊の前という女人の墓にふさわしい静かなたたずまいでした。

駕籠塚を横へ入るとすぐ鶴ヶ峰神社です。
この辺りの家には「葛籠貫(つづらぬき)」という苗字が多く、鶴ヶ峰神社も元は葛籠貫神社と言われていました。
駕籠塚と関係があるのでしょうか??
参道のすぐ下の家の庭に辛夷や白木蓮の大木がたくさんあり、青空を背にそれはそれは見事です。




「今年も見に来てヨカッタ!」・・・と花見をしながら稲荷寿司をほおばりました。


  散歩の帰りに寄る珈琲コーナーにて 
 (1個の今川焼を2つに分けて・・・一応ダイエット中)


壷中の茶事へ招かれてー2

2017年03月23日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)

  (3月21日、桜の開花宣言がありました)

(つづき)
初炭手前が始まりました。
炉辺へ近寄り、湿し灰の撒き方や炭の置き方などを拝見するのですが
「釣り釜は風炉釜を使うので炭は風炉用がよろしいとお教えいただきましたので
 炉炭の中から細いものを選んでみました」
ちょうど我が家でも五徳をあげ、釣り釜にかかるところでしたので、ご亭主の所作や一言一言がお勉強になります。

香合が拝見に出されました。
古帛紗に香合を載せて引き、そのまま拝見に回しました。
香合は貝合わせ、蓋裏に和歌が書かれ、中に十二単の女人が描かれています。

    すみの江の 岸による波よるさへや
        夢のかよひぢ 人目よくらむ


平安時代の歌人・藤原敏行の和歌(古今集)でした。
「すみの江」とは摂津国の歌枕、今の大阪府にある住吉神社付近の海で、当時は入江になっていたそうです。
ご亭主は長く大阪府に住んでいたそうで、懐かしそうにお話してくださいました。
和歌の神を祀るという住吉神社・・・暁庵はまだ訪ねたことがないのが残念です。
すぐに香の薫りが漂ってきます。
香はマイブレンド、なんてステキなのでしょう!(でも、歌に因んだ香銘が思い出せません・・・う~ん)

手づくりの懐石が次々と運び出されました。
中でもふっくらと焼かれた鰤の幽庵焼、春野菜のクリーミィな白和え・・・料理のコツもいろいろお教えいただきました。
向付、炊き合せの古久谷の盛皿が垂涎もので、お味とともに器もたっぷり堪能しました。
半東なしで一人で懐石を作り、盛付、運び出しをされたご亭主の心意気に一同深く感謝!です。

 
   貝母(ばいも)  (季節の花300)                      

後座へ席入すると、丈長にすっきりと貝母と筒咲の白椿が備前筒花入に生けられています。
清楚にして気高さを感じる花の佇まいはご亭主がそこにいらっしゃるかのようでした。

濃茶点前が始まりましたが、懐石の時には賑やかだった「薬缶」が静かなのが気になります。
ご亭主の所作に見惚れていると、釣り釜のゆらゆらに誘われるように急に睡魔に襲われました。
「眠くなるような能は好ましい能・・・」と、何処かで誰かから伺ったことがありますが、
濃茶の時に眠くなるのもまたゆったりと心がくつろいで、子供のように無心の境地にいるようです。

光悦の茶碗を思わせる黒茶碗で濃茶を頂きました。
香り高くまろやかな濃茶が徐々に心身を満たしていき、「こんなに美味しい濃茶は久しぶり・・・」
濃茶は延年の昔、詰は星野園でした。
Oさま、Iさまとご一緒に御茶を頂くのが嬉しく、夢のような平和で幸せな濃茶タイムでした。


  佐渡箪笥 (箪笥博物館 佐渡夫婦岩)
 
後炭、薄茶と進行し、薄茶の主茶碗にお持ち出しの時から目が釘ぎづけになりました。
小ぶりの茶碗ですが、青磁それとも虫明かしら?
その茶碗で薄茶を頂戴してからお尋ねすると、佐渡の無明異焼だそうで、1997年に人間国宝に認定された三浦小平二作でした。
ご亭主も気に入って、譲って頂くまで某骨董屋へ通い続けたとか・・・ふるさと佐渡がここでも登場しました。

椅子席でどっぷりくつろいでいる暁庵とOさんを見かねて(?)、Iさんがご亭主に薄茶を点ててねぎらってくださいました。
Iさんの心遣いが優しく、同門4人の交歓が相和して楽しく、薄茶タイムがいつまでも続いてほしい・・・とさえ思いました。
全て手づくりされた懐石、主菓子、干菓子のおもてなしは有難く、良き刺激もたくさん頂戴しました。

最後に茶杓ですが、大徳寺・細合喝堂和尚作で銘「おぼろ月」(たしか?)でした。
今思い出すと、「おぼろ月」のように夢の壷中で過ごした素敵な茶事の一日でした・・・。
Yさま、ありがとうございます!!  帰りの電車の中で茶事をおねだりしてヨカッタ!です・・・。

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壷中の茶事へ招かれて-1

2017年03月22日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)


    巨勢山(こせやま)のつらつら椿  つらつらに
        みつつ偲(しの)はな  巨勢(こせ)の春野を

                      坂門人足(さかとのひとたり) (万葉集



3月16日、S先生の東京教室で共に稽古に励んでいるYさまがお茶事へお招きくださいました。
Yさまとは帰りがいつもご一緒で、その日の稽古のことや茶事の話を電車の中でしていたのです。
Yさまが懐石を自分で作り、炉開きや初釜にお弟子さんを茶事でおもてなしすると伺って、
「是非、暁庵を茶事へお招きください・・・」とお願いしていました。
それを忘れずに今回お招きくださって、Oさま、Iさまと連れ立って、いそいそと出掛けました。

Yさま宅へ到着。案内のお手紙に随い、水の打たれた玄関を開け、寄付きの間へ入りました。
そこで身支度をしたのですが、幅一間ほどの時代のある箪笥が何とも気になります。
落ち着いた丹色の漆塗、しっかり打たれた金具も豪華で凝っています。
後でお尋ねするのが楽しみ・・・と思いましたが(正客を仰せつかっていた・・・)、これはほんの序の口でした。

「エレベーターで3階へ上がってください。3階が待合と茶室になっています」
いつも思うのですが、日常の生活空間をどのように茶席へ創意工夫していらっしゃるのかしら?
・・・家庭茶事が大好きな暁庵にはひとつひとつが興味深く、まさに茶事の醍醐味の一つと思います。
(小型エレベーターとバリアーフリーは今後検討したいテーマになりました)

3階の待合は水屋を兼ねていて屏風で上手に水屋を隠していました。
その屏風もたいそう古いもののようで、消息やら色紙やらが張り込まれています。
煙草盆、火入(古染付)、面白い形のキセルも時代があり、皆で感心して見惚れていると、汲み出しが運ばれました。
その日は暖かく、喉が渇いていたので(びっくりして、はしゃぎ過ぎ?)、白湯を美味しく頂戴しました。
栗型の盆には螺鈿で人物が描かれ、枇杷色の汲み出しは味わい深く象形文字のような字が胴に刻まれ、煎茶のものかしら?
我が家の簡素な盆や汲み出しを思い出しながら、なんて凝っているお道具ばかりなんだろう!・・・と。


 (我が家の蕗の薹です・・・こんなに大きくなりました)

待合の前にベランダがあり、待合の窓から直接蹲が使えるように工夫されています。
蹲踞の水で心身を清め、いよいよ席入です。
席入すると、そこは六畳の茶室で一間の床の間に半間の脇床がありました。
床には「壺中日月長」の軸、霊空和尚の伸びやかな御筆です。
「今日はごゆるりと壷中でお過ごしいただければ・・・と存じます」とご亭主Yさま。

点前座には誰袖棚、そして素敵な四方水指と長棗が荘られていました。
「ご亭主様がそこにいらっしゃるような佇まいの長棗ですね・・・」とIさま。
そして炉には手取り釜ならぬ「薬缶」が掛けらえていました。
「今日は暁庵様のために釣釜で・・・と思いましたが、急に思い立って家にあった「薬缶」を釣ってみました」
その「薬缶」がもう!垂涎ものでした。  
御主人の実家が佐渡の旧家だそうで、「薬缶」は佐渡の金工師が手掛けたという蝋型鋳物です。
胴には見事な浮き華文があり、蓋のつまみは獅子、そしてなんとも味わい深い風格が・・・きっと代々大事に使われてきたのでしょうね。(つづく


         壷中の茶事へ招かれて-2へつづく


Oさん夫妻を囲むミニ茶会

2017年03月20日 | 暁庵の裏千家茶道教室

 

   
2月14日にスウェーデンから来日したOさん夫妻が早や3月13日に帰国しました。
その間、娘さん一家の帰国の手伝いをしながらお稽古に熱心に通って来てくださいました。
帰国の日が近づいた3月11日に我が家でOさん夫妻をお招きし、お稽古を兼ねたミニ茶会をしました。
Oさんの御主人ホーカンさんとは初対面でしたが、とても素敵な仲の良い御夫婦でした。



13時に我が家へ集合です。
前日の五葉会で頂いた花がたくさんあったので、花寄せの趣向で皆で花を生けました。
先ずはOさん夫妻からそれぞれ花入を選び、思い思いの花を生けて頂きます。
ホーカンさんは青銅器「爵」に真紅の月光椿と八つ手のような葉を、Oさんは萩の耳付花入に乙女椿と蘭の葉を生けました。
社中最年少の5歳のしほちゃんもお母さんのTさんと一緒に初めて挑戦してくれました。
総勢8名があれこれ迷ったり、楽しんだりしながら次々と花を生けていきました。
八畳の広間に花と笑顔があふれ春爛漫になりました。




いよいよOさんの最終稽古、初炭手前です。
スウェーデンでは炭が入手しにくく、なかなか炭手前が出来ないとのことでしたので、
今回の来日では炭手前を一番の稽古科目とし3回目でした。
だいぶスムースに順番も所作もできるようになり、湿し灰をさらさらと撒いています。
ホーカンさんも奥さんのお点前を真剣に見守っていらっしゃいます。
香合は蕗の薹香合、拝見にお出ししました。


薄茶点前となり、しほちゃんがホーカンさんへ盆略点前で薄茶をお点てしました。
主菓子を運びだし、「お菓子をどうぞ」から始まりました。
1月から盆略点前を習いだして今日が3回目のお稽古です。
ホーカンさんへ薄茶を点てて差し上げるのをとても楽しみにしていたのですが、さすがに緊張したのでしょうね。
直前になると「どうしょう・・・」と、胸をどきどきさせていました。
お点前が始まると、落ち着いていつものように帛紗を捌き、棗と茶杓を拭き、茶筅通し、薄茶をシャカシャカと茶筅を振るって点てました。
その様子に暁庵も感動しましたが、全員が何か熱いものを感じたようです。
「・・・見ていて涙が出て来ました」とN氏。もちろん暁庵も・・・そして、お母さんのTさんもきっと・・・


Uさん、Kさん、N氏とお点前を交代し、皆で薄茶タイムを楽しみました。
主菓子は、おぼろ月夜(きんとん)、羽衣(椿の練きり)春の里(練きり)などで寿々木製です。
薄茶は松柏(丸久小山園)です。



17時から「ロード」というレストランへ移動し、ワインとイタリアンの夕食会です。
茶席では伺えなかったお話もホーカンさんとOさんからいろいろ伺えて、一層親しみが増しました。
社中の皆様もわいわいと楽しそう! こんなミニ茶会と食事会もたまには好いですね~。

「またどうぞ、いつでも日本へ暁庵へいらしてくださいね!」
温厚で素敵なOさん夫妻との御縁が嬉しいです・・・。
「Oさん!よくぞ暁庵の茶道教室の戸をノックしてくださいました!」


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