公園の欅がだいぶ色づき、葉を落し始めました
2018年11月7日は暁庵の茶道教室の「炉開きの会」でした。
毎年教室の炉開きの内容は変わりますが、10月28日のN氏主催「八ヶ岳山荘の茶事」の後でもあり、第2部にサプライズ!(?)が控えていることもあって、今年は全員稽古で炉開きをお祝いすることにしました。
急用などで残念ながらお二人が欠席されましたが、折しもスウェーデンから帰国中のオーネルさんと山本由香さんが特別参加してくださり、賑やかな「炉開きの会」となりました。
12時40分集合、皆さま、素敵な着物姿でいらしてくださり、「炉開きの会」らしいお目出度い雰囲気が漂います。
(暁庵は勇気を出して白梅色(薄ピンク)の無地紋付に緑の森の帯を締めました・・・)
床には
「紅葉(画)舞秋風」(こうよう しゅうふうにまう)
かつて口切の所作などを御指導頂いたN先生から贈られた御軸を掛けました。
すがれた紫蘭、南天、ツワブキを天平古瓦(写し)花入に入れ、上座に茶壺を網袋に入れて荘りました。
詰役のUさんが打つ板木の音で、最初の亭主役のKさんが白湯をお出ししました。
今回は蹲踞は使わず、茶道口から八畳の広間へ席入りして頂きました。
「炉開きの会」のご挨拶をし、すぐに「壺荘」担当のKさんに亭主交代です。
正客Fさんから茶壺の拝見が掛かり、Kさんが床前に進みます。
茶壺を持ち、定座で網袋をはずし、拝見に出しました。
茶壺は丹波焼茶壺です。
小ぶりですが引き締まった形、黒釉薬のなだれが微妙な景色を作りだし見ごたえがあります。市野信水造、口覆いは笹蔓金襴、裏地は紫の塩瀬です。
「形だけでなく茶壺の拝見を心から楽しんでくださったかしら? 来年はKさんにぜひ口切までしてもらいたい」と思いながら・・・Kさんの落ち着いた所作を見詰めました。
初炭手前はFさん、正客はN氏です。
炉縁は黒輪島塗、大きな炉釜は霰唐松真形、和田美之助造です。
炭斗は瓢(ふくべ)、茶友Wさまがユウガオから育てたという手づくりの贈り物で、私の宝物です。
風炉から炉に変わって一番感じる炭の大きいこと! 灰器(備前焼、伊部(いんべ)焼とも)にたっぷり盛られた湿し灰が目を惹きます。
他にも羽根、火箸、香合、香(練香)、灰匙などが炉用に変わります。
炉開きの初炭手前はいつも新鮮に感じ、皆で炉を囲む一体感がなんとも言えません。
香合はFさんのお持ち出しの「織部の弾き」、香は坐忘斎家元好みの「松涛」です。
(・・・これでふくべ、いんべ、おりべの三べが揃いましたが、炉開きに三べを揃えることの根拠はないそうです)
茶事のように拝見の道具を取りに出たときに、炉の前に座り、帛紗を捌いて黒真塗の炉縁をカギに清め、もう一度帛紗を捌いて釜の蓋を清めてから切ってもらいました。
初炭が終わり、濃茶の前に小休止。
待合の椅子席へ戻って頂き、餅入りのぜんざいをお出ししました。
次は「炉開き」恒例の台天目です。
四畳半の設えとし、亭主Uさん、客はKTさん(正客)、Fさん、Kさんです。
四畳半の周りに椅子席を設け、見学の方はそちらで見て頂きました。
火相、湯相よく、Uさんが天目茶碗で3人分の美味しい濃茶を練ってくださいました。
皆さま、濃茶を練るのが上手になって・・・とても嬉しいです。
濃茶は「松花の昔」(小山園詰)です。
茶入は瀬戸「河名草」(写)、仕覆は大黒屋金襴、茶杓は象牙(利休形)です。
次いで濃茶、Tさんが長緒点前で5人分の濃茶を点てる予定でしたが急用が入り、急遽KTさんに濃茶平点前をお願いしました。
客はオーネルさん(正客)、山本由香さん、Uさん、暁庵、N氏の5名、茶碗は大ぶりの李朝・井戸茶碗です。
暁庵も4客に入り、香り佳くまろやかな濃茶を堪能しました。
添えられた素敵な古帛紗が・・・う~ん!思い出せず残念です。
茶入は織部肩衝、仕覆は十二段花兎緞子、茶杓は「紅葉狩」(紫野・寛道)です。
最後は員茶之式、全員で薄茶を点てて全員で薄茶を頂きます。
員茶之式では十種香札を使います。
十種香札は初めてというオーネルさんと山本由香さんに香札(客と一)8種を選んで準備してもらいました。
干菓子の「栗ひろい」と「砧」(長久堂)
亭主N氏、札元KTさん、目付Fさん、客はUさん(正客)、Kさん、山本由香さん、オーネルさん(詰)、暁庵でした。
京都土産の干菓子(「砧」(長久堂)と「栗ひろい」)を用意したので、三役(亭主、札元、目付)にも賞味して頂きました。
全員が茶を点てるので緊張感もあり、全員が干菓子を食べ薄茶を賞味し、員茶之式ならではの和やかで楽しい時間が過ぎていきました。
第2部は、サプライズ!の○○○ーです。(つづく)
2018年「炉開きの会」・・・第2部へつづく
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