暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

お盆の墓参りと追善和讃

2024年08月16日 | 暮らし

 

毎年お盆になると、亡き人たちを思いながら詠ったという蓮月尼の歌を思い出します・・・大好きな歌なので何度も登場です

    死手の山 盆の月夜に越えつらむ
        尾花秋萩 かつしをりつつ   蓮月

     (冥土にある山を盆の月夜に越えて行くのだろうか
      尾花や秋萩を折って帰りの道しるべとしながら )

 

8月14日に今年もお盆の墓参りへ行きました。

猛暑だし炎天下の墓掃除はきついし、「今年はサボっちゃおう・・・」と決め込んでいたら、夢の中に彼の地の人たちが現れたので、重い腰を上げました。

春のお彼岸以来なので、雑草はほとんどありませんでしたが、秋桜が墓いっぱいに生い茂っていました。

「やっぱりきてヨカッタ!」

咲きそろうと墓は秋桜に覆われてさぞかしきれいだろうな・・・と思いながらも、数本を残して撤去です。門柱代わりの2本のカイズカイブキはツレがカットして整えています。

お供えの花は、白と紫の竜胆、茶色の実がいっぱいの蓮の台(うてな)、吾亦紅を片方の花入に、もう片方に緑のシダ、赤いバラ、白いトルコ桔梗を生けました。

掃除が終わり、線香を手向けてからしばし亡き人たちとお話します。きっと墓の中の人たちも喜んでいることでしょう。

炎天下の墓掃除は汗びっしょりで大変だっただけれど、とても満足感や達成感があって今年も二人で来れて良かったなぁ~と思いました・・・

 

 

今日は8月16日、大文字の送り火の日であり、原三渓翁の命日です。

折しも台風7号が関東地方へ接近または上陸するとのことで、1時間前から雨が降り始めました。雨戸を閉め切っているので昼なのに夜みたいに暗く静かです・・・。

ふと、ツレの故郷・愛媛県西予市のお盆の情景や故郷の墓で眠っている御恩ある人たちを思い出しました。

故郷の菩提寺で唱えたことのある「追善和讃、ここに記して亡き人たちを想いながら再び唱えます。

 

 

「追善和讃」

  帰命頂来仏法僧      火宅無常の世にあれば
  受くる悩みは多けれど   死別にまさるものぞなし

  生縁すでにつきぬれば   富も位もなにかせん
  もろき生命はうたかたの  はかなく消えてあともなし

  親子のゆかり深くとも   魂よびかえすすべもなし
  比翼のちぎりかたくとも  伴い行かん道ならず

  つきぬ名残の野辺送り   忌日数えて嘆けども
  やがて去る者日にうとく  その面影はうすれゆく

  されどこの世は短くて   流転輪廻の果もなし
  因果の道理わきまえて   後世の大事を思うべし

  今霊前にささぐるは    知恵の灯慈悲の花
  香のかおりも清らかに   金口の経をとなうれば

  煩悩はらう鐘の音に    いつか長夜の夢やぶれ
  元より空に有明の     真如の月は圓かにて

  有縁無縁のへだてなく   みな信心の花ひらき
  無上菩提の実をむすぶ   回向の功徳ありがたき

  不生不滅を悟りなば    生死即ち涅槃なり
  逝くも残るも仏国土    常に諸仏の目のあたり

  大悲の御手に抱かれて   永遠の生命に生きる身の
  幸を悦びいざともに    報恩行にはげみなん

  南無や大慈の観世音    南無や大悲の観世音             

   合掌     

 

 


秋の風が・・・

2024年08月08日 | 暮らし

 

 

残暑 御見舞い申し上げます

 

毎日「熱中症警戒」アラートが出され、相変わらずの猛暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

暁庵の茶道教室が夏休みに入りました。買物と病院以外は自宅の冷房の部屋でのんびりと過ごし、時折、オリンピックの競技を手に汗して応援しています。

昨日(7日)は立秋でした・・・早速に古今集をひも解くと、次の句が目に飛び込んできました。

  秋立つ日、詠める

    秋きぬと 目にはさやかに見えねども

       風の音にぞ おどろかれぬる    藤原敏行 (古今集)

 

涼やかな秋風が恋しい~と思っていると、窓からさやさやと・・・。

 

          (「虫の音」  山本和夫画)

もう1つ、

  額田王、近江天皇を思ひて作る歌

   君待つと 我が恋ひ居れば 我が宿の 

      簾動かし 秋の風吹く      額田王 (万葉集)

【通釈】あの方が早くおいでにならないかと、恋しくお待ちしていると、我が家の簾がそよそよと動き――あの方かと思ったけれど、お姿はなく、秋風が吹くばかり。(千人万首より)

 

     (風を感じる写真を撮るのは難しいですね・・・)

 

秋の風が少しでもお心に届いたら嬉しいです。   

 

昨年5月の初風炉の茶事から始めた立礼の茶事(全10回)が6月30日の「雨月の茶事」で終了し、安堵と共に達成感を感じています。

燃え尽き症候群にならないように、次のゆるやかな課題を夏休み中に考えてみよう・・・と思っていますが、はてさてどうなりますか??

 

 


雨降りの日に・・・貯金箱旅行

2024年03月26日 | 暮らし

   (彼岸桜と木蓮・・・近所の直売所で購入、壷は神奈川焼三代井上良斎作)

 

今日で3日も雨が続いています。

桜の開花宣言が待たれますが、これで少し遅くなったかもしれませんね。

2月28日が結婚記念日ですが、1カ月遅れで1泊2日の旅行に行くことにしました。 

それで、旅行に使おうと思って500円玉を貯めていた貯金箱を開けることになりました。

結構この瞬間が好き!でして、貯金箱3つにいろいろ貯めています。

1つはピンクの豚の貯金箱、四国遍路の時に10円玉がたくさん必要なので貯めています。

でも、今のところ四国遍路へ行く予定が無いので、3月24日に四国遍路へ出発された茶友Yさまに餞別として貯金箱ごと差し上げました。「今頃は高知県へ入ったかしら?」と思いながら、Yさまの遍路姿を思い浮かべ、旅のご無事を祈っています。

 

    (四国八十八カ所の36番札所・青龍寺近くの大好きな遍路みち)

 

もう一つは、大きな招き猫の貯金箱で母の形見です。こちらは1円から1万円まで自由勝手に入れたい時に入れています(目的が今一つないのでなかなか貯まりませんが・・・)

商売をしていた母は毎年暮れになると、色々と支払いの金が必要になるらしく、招き猫の貯金箱を開けました。たまにその場に出会わすと、小銭だけでなく千円札や1万円札も入っていて、暮れの支払いの足しになるような高額になり、驚いたことを懐かしく思い出します。

どうやら、私の貯金箱好き(?)は母の影響かもしれませんね・・・。

    (記念撮影・・・御年80歳以上の化け猫かも・・)

500円玉貯金は旅行に使う目的なので、旅行前に開けなければ意味がありません。缶切りで開けて数えてみると130枚ほどありました。これなら1泊2日の旅行(車使用)に足りるかな?

ところが問題発生。雨の中を郵便局へ行くと、50個までの換金は無料ですが、それ以上だと枚数に応じて手数料がかかるとのこと。ただ、4月1日から100個までは無料に変わることを知り、取り敢えず50個を換金しました。

 (500円玉貯金箱の記念撮影・・・何代目かな?不明です)

ここのところ天気が悪いのが心配ですが、久しぶりの旅行がとても楽しみです。

「どちらへ行くのですか?」という声が・・・・。

北の方面や山はまだ雪や凍結がありそうなので、静岡県と愛知県の海を旅行先に選びました。

4月中旬に「ひねもすのたり正午の茶事」(立礼)を予定しているので、一足先に春の海をのんびり眺めたり、海の幸を味わったり、心身のリフレッシュができたらいいなぁ~と思います。

         (こんなイメージです・・・

天気予報は今一つですが、どちらか一日でも晴れたらいいなぁ! 

 

 


散歩ランチのシーズン到来

2024年03月16日 | 暮らし

       (運が良ければ帷子川でカワセミに出合えます)

 

昼間の温度が15℃を越える日が続き、いよいよ散歩ランチのシーズン到来です。

散歩だけでもよいのですが、ランチが加わると楽しみも倍増します。

3月14日、令和6年になって初めての散歩ランチへ出かけました。

紫外線除けの帽子をかぶり、いつものようにコンビニに寄ってランチを物色します。ツレは牛乳、ハムと卵のサンドイッチ、シーチキンのおにぎりを、私は野菜ジュース、フルーツのサンドイッチ、納豆巻きを購入しました。

自然がいっぱいある中でのランチは美味しく、ついたくさん買い込んでしまいます・・・

今日は今川公園へ行くことにし、道筋にある花水木、木五倍子(キブシ)、アケビの新芽や花芽の様子を確認しながら、ぶらぶらと散歩します。途中で家を壊して造成している区画があり、そこは見事な牡丹が毎年楽しめるお宅だったので、とても残念でした

 (このボタンも見れなくなりました・・・)

あちこちに椿の名木があって散歩中の楽しみの1つでしたが、造成されて根元から伐られしまったり、見事な椿の生垣がなくなったり、私の頭の中の椿マップもだいぶ様変わりしています。

今川公園のグランドを見渡せるベンチでランチしました。土日だと、野球の練習や試合を見れるのでしょうが、その日は木曜日で誰もいないグランドは閑かです。

 

           (今川公園のジョギングコース)

ランチ後、公園のジョギングコースを一周すると、辛夷、雪柳、馬酔木くらいしか花には会いませんでしたが、竹林が春の陽に美しく輝き、姿は見えなかったけれど鳥の声も聞こえてきました。

 

畑と住宅が仲良く並んでいる古道を通って帷子川(カタビラカワ)へ向かいます。お天気も良いのでカワセミに出合うことを期待しながら・・・。

 (古道の向かいの丘陵には階段状に住宅が建てられていて、こちらも散歩道の一つです)

        (帷子川と支流・矢指川の合流点付近)

帷子川は全長17キロの2級河川、横浜市旭区若葉台近辺を源流とし、旭区、保土ヶ谷区、西区を流れ下り、横浜駅近くの横浜港へ注いでいます。

早春のまさに今頃、帷子川添いの丘陵では大木に咲く白い花があちこちに目立つようになります。最初は辛夷やシデコブシ、それから白い木蓮が大木を覆うように咲く姿は春の訪れを実感し、心躍ります。

この日も今川公園の辛夷が高い梢の先端に白い花をたくさんつけ、道端では満開のシデコブシや花芽が大きく膨らんだ白い木蓮に出合いました。

 

        (高い梢の先に辛夷の花が咲き始めました)

白い花が咲き終わる頃にピンク色の桜(ソメイヨシノ)それから八重桜が順番を待って咲きだします。

どの瞬間も咲く花にとっては自然の摂理なのでしょうが、私には花の律義さがとても健気に思えて・・・「今年も咲いてくれて本当にありがとう!」 

 

 


三寒四温の散歩道

2024年03月13日 | 暮らし

      (稲荷社があるので、勝手に稲荷山と名付けています 

 

暖かくなって喜んでいると、雨が降って寒くなり、春先独特の三寒四温の日日ですが、いかがお過ごしでしょうか?

今日は雨になり、寒いっ~です。でも、一雨ごとに春が近づいている気配を濃厚に感じます。

そんな或る日、暖かさに誘われて散歩へ出掛けました。庭の小さな花壇に春の花を植えたくなり、目指すは花屋さん。

久しぶりに稲荷山を通るコースを選び、竹藪の道を進むと椎茸を栽培している場所に出ました。椎茸が大きくなっているのに収穫していないみたい・・・。

       (椎茸が巨大になって・・・)

稲荷山から眺める景色が好きです。

稲荷山には紅い藪椿がたくさん植えられていて、明後日のお稽古用に蕾を1枝頂きました。

あと2週間もすれば、すぐ下の農家に植えられている枝垂れ桜が桜色に染まることでしょう。

 

     (稲荷社からの参道)

       (枝垂れ桜が咲くころの参道)

枝垂れ桜のある農家には椿もたくさん植えられていて、次々と花を咲かせてくれます。

名前がわかる椿は少ないのですが、白椿、大紅(オオクレナイ)、卜伴(ボクハン)、古金襴などでしょうか?

 

       (山茱萸:サンシュユ)

        (馬酔木:アセビ)

畑の土手や路傍には野の花が満開です。カラスのエンドウ、オオイヌノフグリ、踊子草、ペンペン草、どれも花が小さいので私のカメラではぼけてしまいます。

今日は花屋さんへ続く、帷子川をショートカットした跡地の散歩道を行くと、花たち(山茱萸、馬酔木、アネモネ、ムスカリ、貝母)が次々と現われ、目を楽しませてくれました。

        (アネモネ)

         (ムスカリ)

花屋さんへ到着すると、鉢類も切り花もまさに春爛漫で目移りしてしまいます。鉢類はアネモネ系など3種類6鉢を購入しました。

切り花も欲しくなり、「茶花に使いたいのだけどお勧めは?」

茶花を意識するといつも紋切型になってつまらないので、お店の方に選んでもらいました。

すると、「こちらはいかがでしょうか?」と選んでくれたのがチューリップの蕾でした。

「白系と紫系のチューリップがお勧めです。どちらも素敵ですよ」

洋花ですが、楚々とした雰囲気があり、すぐに「あの青磁の花入に1輪だけ生けてみたい!」と思いました。紫のチューリップの蕾を1本購入し、帰るとすぐに青磁の花入へ生けてみました。

 

       (貝母:バイモ)

雨が止んだら、花屋さんで買ってきたアネモネなどを植えよう!と腕まくりして待っています。