暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「薔薇の茶会」・・・終章「すべて世は事もなし」

2021年07月07日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

  (櫻井ファームでは薔薇の鉢植え、草花、サボテン、観葉植物を販売中です)

  (櫻井ファームの薔薇が咲いています・・・

     薔薇ノ木ニ  薔薇ノ花サク  ナニゴトノ不思議ナケレド・・・)

 

「薔薇の茶会」が成功だったのか、やってよかったのかどうか、よくわかりませんが、私は意を決してやると決めたことを途中で投げ出すのが大嫌いな性格でした。

それに広報活動や準備を進めていく中で、「薔薇の茶会」は暁庵が夢見ていた私的な小さな茶会から、いろいろな人の思いが詰まった別のものになっていました。

結果がどうであれ、コロナ対策をしっかりやって「薔薇の茶会」を開催したいと思いました。

コロナ禍で茶会をやることに疑問を感じたスタッフや席主もいらっしゃいましたが、最後は何かあったら私が責任をとるということで、開催の有無を私に委ねてくださいました。そして、開催遂行が決まると、気持を切り換え、全力を挙げて準備や稽古を頑張ってくださって、感謝しています。

初めからコロナウイルスとの戦いと共存が課題の茶会と思っていたので、中止の条件を2つ決めていました。

1つは開催地の神奈川県(横浜市)に緊急事態宣言が発令された場合はすぐに中止する。

もう一つはキャンセルが多くて茶会の成立が難しい場合は中止する。

2週間前に参加の意志をお尋ねしたところ、60人のお客さまから参加のご返事を頂き、開催に向けて背中を押して頂きました。

そして、最大の心配事は天気でした。野外のガゼボ(西洋風あずまや)は風通しも良く、コロナ禍の茶席として申し分のないものでしたが、雨にはかないません。

その頃は雨天続きで、予報も雨マークが出たり引っ込んだり、前日まで不安定でした。ひたすらお茶の神さまにお祈りしました。きっとお客さまもスタッフも天気予報ばかり見ていたのではないでしようか。

皆の祈りが通じ、当日風が強かったものの晴れ上り、お茶の神さまにもう感謝でした。

こうして当日まで中止の条件には至らず、5月29日(土)に「薔薇の茶会」が無事開催されたのです。

(・・・何やら書いていて東京オリンピックのことを考え、身につまされました。コロナ禍であってもオリンピックは予定通リ開催されるに違いないけれど、責任者たちは大変な思いをしていることだろう・・・と。)

「薔薇の茶会」のあと、お客さまからだけでなく、スタッフの皆様からもメールが届きました。最後になりましたが、ご一読いただければ幸いです。

 

 

  Aさんより

 濃茶席のお点前はとても緊張しました。手が震えて仕服の紐が結べなかったくらいです。

お点前は楽しかったです。あと、「やっとやっとお点前が人前でできた!」っていう気持ちでした。

暁庵先生のところに来るまで濃茶を練ったことがなく、うまく練れるか心配でしたが毎日一服練るように心がけ、なんとか濃茶をお出しすることができました。

茶友EKさんがおっしゃっていた通り、茶道を始めて10年も経つのに茶道のサの字も分かっておらず、お点前もあやふやで、ホントにダメダメでした。前の先生からはなんとなくしかお点前を教えてもらえず、わからないことがとても多くて、このままでは何も進歩しないという気持ちが強くなり、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていました。そんな時に暁庵先生をご紹介していただき、お教室に通うことになりました。

先生のところでお稽古させていただいて1年半が経ちました。自分で言うのもなんですが、すごく成長できたのではないかと思っています。今まで茶道をしていた10年はなんだったのか?と思うくらいお茶への思いや知識が増した、とても濃い1年半だったと思います。

先生には茶道の知識はもちろん、茶道への志をたくさん学ばせて頂いており、大変嬉しく思っています。

EKさんには以前のダメダメなお点前から変わった私を見てもらいたい、練習の成果を見せたい、ご紹介していただいた縁を茶道で返したいと思っていましたので、今回お点前をさせていただきとても嬉しかったです。

茶友T氏にも似たようなことを言われました。EKさん同様、10年も茶道を習っているのにうまくお点前ができないことやお茶会、お茶事の経験がないことなどを色々相談していました。

「濃茶、ちゃんと練れて美味しかった」と、言ってもらえました。

お二人とも友人なのですが、父のような母のような(笑)気持ちで応援してくださっているのは本当にありがたいです。そんなお二人にお点前でお返しできたどうかはわかりませんが、喜んでもらえて本当に良かったと思います。これからも茶道でお返しできるよう、お稽古を頑張りたいと思います。

コロナ禍にも関わらず、このようなお茶会を開いていただき、ありがとうございました。

緊急事態宣言で思うようにお稽古ができなかったり、コロナ対策担当として感染対策も考えないといけないなど、色々大変なことも多かったのですが、お点前をさせて頂けるというのはとても幸せなことなのだと思いました。

これからのお稽古も楽しみにしております。宜しくお願い致します。

 

 

   

・・・こうして、暁庵だけでなく、たくさんの人々の様々な思いを込めた「薔薇の茶会」が終了しました。

「薔薇の茶会」に関わったすべての方たちに厚く感謝いたします。 

ありがとうございました。

 

「それにしても疲れたわ! 当分は静かに平和に暮らしたい・・・」(大好きな自宅のベランダで独り言)

「神は 天にあり  すべて世は 事もなし」

 

 

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「薔薇の茶会」・・・3席の会記

2021年07月04日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

 

「薔薇の茶会」の「濃茶席」、「赤毛のアン」薄茶席、「再会の薔薇」薄茶席の会記を記します。会記は慣れていないので間違いがあったらごめんください。

 

「薔薇の茶会」

令和3年5月29日(土)に櫻井ファーム(横浜市旭区下川井町)で開催しました。

 

「濃茶席」の会記    席主 裏千家流 中野宗等

軸   「真楽」       松尾流十代不染斎

     (真の楽しみであり、皆が楽しむという意味がある)

花入   古伊賀 角花活け

香合   七宝繋ぎ花紋丸香合

釜    筒姥口糸目釜     橋本辰敏

風炉   唐銅 獅子耳 平丸風炉    藤井宗喜

釜    筒姥口糸目釜 橋本辰敏

棚    淡々斎好み 丸卓  淡々斎在判 十一代宗哲

水指   逆瓢型古高取 (江戸中期小石原鼓窯で焼かれたものと思われる)

茶入   古瀬戸黄筋肩衡  四代藤三郎  

 仕服・・・安楽庵金襴

薄器   黒乾漆帯山水 雪吹   奥野美峰          

茶杓   銘「不老門」    円能斎

茶碗1  黒楽  表千家十一代碌々斎箱 銘「清友」 十二代弘入

茶碗2  赤楽  光悦乙御前写し   香野壮明

茶碗3  飴釉  認得斎箱 銘「松山」 六代大樋長左衛門

茶碗①  黒楽数印 銘「多福」 碌々斎箱  十一代慶入

茶碗②  光悦写赤楽   杉本貞光

茶碗③  飴釉  大樋年郎(十代大樋長左衛門)

建水   古瀬戸 沓型

蓋置   八ッ橋  楽入

主菓子  青梅  銘「緑笑」(りょくしょう) 石井菓子舗

濃茶   金輪  丸久小山園 

 

(会記にはありませんが、風対策で各席で使った茶筅立(N氏作)が左隅に写っています)

     

       「濃茶席」の茶碗(右から茶碗1,茶碗3,茶碗2)

 

「赤毛のアン」薄茶席の会記    席主 裏千家流 植田雅恵 宇都宮宗曉

軸   短冊 「風従花裏過来薫」      

       (風は花裏(かり)より過ぎ来りて薫る)

花   薔薇  シダ

花入  三日月形水盤

釜       朝鮮風炉    釜  菊池正光 

水指      古伊万里写  即中斎箱 銘「絹の路」 デルフト

薄茶器     京棗  牡丹銀杏蒔絵

茶杓      銘「清流」          藤井誠堂

茶碗      赤楽 長次郎「木守」写し   佐々木昭楽

替       「ばらの絵」茶碗       田中正一 

        乾山写「すみれの絵」茶碗   鈴木一点

数茶碗     絵高麗梅鉢手写   

数茶碗     仁清写金襴青海波    陶楽(高台寺窯)

蓋置      教会  長崎三彩     

建水      赤膚焼  大石正人

干菓子     銘「プリンスエドワード島」(浮島) 石井菓子舗

薄茶      清浄の白    丸久小山園

 

       「赤毛のアン」薄茶席の茶碗

 

「再会の薔薇」薄茶席の会記     席主 小堀遠州流 小林宗穂

軸    短冊 「月雪花  つきゆきはな」   小堀宗通

釜 風炉   遠州好瓢切合せ

水指     小鳥蓋ガラス水指      今村知佐

薄茶器    銘「光の呼吸」 九谷白磁  森岡希世子

茶杓     銘「佳日」         佐々木宗弌

薄茶碗    京焼宇治橋図        初代澤村陶哉 伊東紅雲絵

 替     青磁人形手         初代諏訪蘇山

数茶碗    薔薇絵茶碗         えむびいく轆轤 宗穂絵

数茶碗    刷毛目阿漕焼        福森円二

蓋置     古銅蝸牛

建水     遠州好み塗曲げ

干菓子器   吉野塗・輪島塗銘々皿

干菓子    蝶・薔薇の蕾        東宮

薄茶     蓬莱山           松尾園

 

    遠州好瓢切合風炉と小鳥蓋ガラス水指(点前座横からの写真です)

      「再会の薔薇」薄茶席の茶碗、薄器、茶杓

(写真を撮る余裕がなく、お客さまから寄せられた写真を有難く掲載しています・・・

 

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「薔薇の茶会」のおたより・・・(3)

2021年07月02日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

 

     (「秘密の花園」と名付けている薔薇園への入り口です)

5月29日(土)に開催された「薔薇の茶会」へ寄せられたおたより(1)(2)の続きです。 

EKさまより

 暁庵先生  少しお疲れが癒えた頃でありますように。

 あれほど楽しみにしていた薔薇のお茶会も終わってしまい、時は早くも6月になりました。5月29日も風薫るどころではない台風のような風でしたが、おかげで換気もよく(笑)、涼しく過ごすことができ、前日は雨だったのに足元もぬかるむこともなく、花々は美しく、緑は滴るようで、本当になにもかもがお茶会のために用意されたみたいでした。

 お客さまは皆さん、お茶会は久しぶりと興奮されていて、野外で風が強かったのでお喋りも気にせずできましたし、一番の心配のコロナや熱中症対策もばっちり。保健所が来ても感心してくださったことでしょう。先生はじめ社中の皆さまのご努力の賜物です。この時期に思い切って敢行してくださったことに心から感謝いたします。

 それにしてもあの風と暑さへの対策は見事でしたね。濃茶席も格調高いしつらえなのに、涼風が吹き抜け、まさに薫風が楼閣を通り抜ける風情でした。お点前さんや半東さんもよく頑張ってらして・・・・。特に茶友Aさんがお点前もお上手になって楽しんでおられたのを見てとても嬉しかったです。

 アンのお茶会のほうは趣向と借景がまた素晴らしくて、自分もプリンスエドワード島の自然のなかに置かれたような気分になりました。そして先生に点てていただけるなんてラッキー!と思ってしまって、風で喉が渇くのでたっぷりが嬉しかったです。

小堀遠州流のお席も若干車の音がうるさかったのは残念ですが、ご亭主の頑張りと楽しいお話で終わるのが惜しい時間を過ごせました。裏千家流とはまた気分が変わって面白かったです。

 先生が散歩の途中であの薔薇園を見つけられて、お茶会のアイデアが出たのはまさに天啓だったのでしょう。

コロナ禍のなかで茶会どころかお稽古もお休み状態の方も多い中、しばし悪疫の鬱を忘れて、気持ちの良い野外のお茶会でこんなに楽しく、茶道に触れることができ、お客様たちも大喜びでした。

ゲストとしてお連れしたKYさんも茶道や茶会の可能性の素晴らしさに感動しておられました。

 きっと主催者側としてはコロナの状況を見ながら頭を抱えたり、野外ゆえ、当日のお天気もあいまって、準備には大変なご苦労があったことと思います。それでも開催してくださったことに心から感謝し、次はどんな趣向やアイデアを見せていただけるのかと楽しみにしております。

社中の皆さま、薔薇園のスタッフの方達にもよろしくお伝えくださいませ。 EKより

 

 

Sさまより

暁庵先生

時は春

日は朝

朝は七時

片岡に露みちて

揚雲雀 名のりいで

かたつむり 枝にはひ

神 空にしろしめす

すべて世は 事もなし

 

ブラウニング 春の朝です。

昨日の薔薇の茶会はまさに理想郷にいるような素敵な時間でした。

赤毛のアンの最後も聖書の「すべて世は 事もなし」ですね。

平穏な日常とかけ離れている中で、この詩のような平和で満ち足りた世界を築くことの大変さを痛感しております。

薔薇の茶会のご招待、心から嬉しく存じます。

先生のお茶に対する愛情と信念を受け止めることができますでしょうか。

地に足をつけ先生を近い将来お招きできるべく精進してまいります。

ありがとうございました。

 

今日は凄い夕立でした。

季節がめぐるましく変化しています。

どうぞご自愛くださいませ。      Sより

 

 

Yさまより

こんにちは。メールでのご挨拶失礼致します。

一昨日は薔薇の茶会に参会させて頂き、誠にありがとうございました。

会場の薔薇園、少し早めに伺い、散策致しました。薔薇は少し盛りを過ぎていたようですが、他にも多種多様な花々が咲いて、鳳蝶や紋白蝶が飛び交う様子に、コロナ禍の巣籠もりから、別世界に来たようで、心の栄養が補給されました。

会場入り口付近で甘い薔薇の香りを感じた途端にお茶会の世界に引き込まれました。

再会の薔薇席では遠州お好み瓢の切合風炉釜が端正でとても美しく、席主様お手作りの薔薇の茶碗、そのお心入れに感激しました。

濃茶席は屋外の設にも関わらず、お心入れのお道具の数々。眼福で各服立のお濃茶を美味しく頂きました。

最後のお席となった赤毛のアン席。

結界にも見立てられる薔薇と羊歯が白いクロスに映えてとても美しく、赤毛のアンに拘ったお道具組みに、感服。赤毛のアンへの読書欲が湧きました。

程よい円形の設で、一座建立。和やかに皆様とお話ししながらのお席となり、とても楽しかったです。

お茶の設備の無い屋外。コロナへの対応。とてもご苦労されたと思います。でも、お茶会を実施してくださり、本当にありがとうございました。

お陰様で、約一年半振りのお茶会を堪能し素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。

皆様に深く感謝しております。        Yより

 

 

「薔薇の茶会」終了後、たくさんのメールやお手紙が届き、私の疲れを癒してくださいました。茶会スタッフの方たちもいろいろなエネルギーを頂戴したことでしょう。

ありがとうございます!!

もっともっと紹介したいのですが、おたより編は一先ず終了し、次回は3席の会記を掲載します。

 

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「薔薇の茶会」のおたより・・・(2)

2021年06月30日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

      奥のガゼボ(西洋風あずまや)が「赤毛のアン」薄茶席です

 

5月29日(土)に開催された「薔薇の茶会」に寄せられたおたよりの続きです。   

Iさまより

暁庵先生 お疲れはございませんか。

「薔薇の茶会」、とても印象に残るお茶会でした。

友人共々、3席のご趣向と園内の雰囲気がとてもよく、秘密の花園に迷い込んだひと時に、何とも言えぬ 幸せな思いでバラ園をあとにいたしました。

暁庵先生とお会いでき、とても嬉しく思いました。想像していた感じとおなじ佇まいの先生にご縁が出来ましたことが本当に嬉しく、もう次回のお茶会も 楽しみにしております💛

赤毛のアンのお席ではお話がとてもよく、赤毛のアンをモチーフにしたことが分かりやすく、お話の掘り下げ方がとても心地よく響きました。

他の2席の席主も巧者で和気あいあいのいいお席でした。

お声がけくださり心よりお礼申し上げます。 これからもよろしくお願い致します。    Iより

 

Mさまより

本日は素敵な薔薇のお茶会を開催していただき、ありがとうございました。猛暑の予報でしたが、程よいお天気のもと、とても楽しく過ごさせていただきました。

想像以上に広くて素敵な庭園でした。

殿堂入りの著名な薔薇から2020年の国産ブランドローズまで、色とりどりの薔薇が迎えてくれて、椰子の木や温室の多肉植物は異国のようで、不思議な形の松や灯篭や多宝塔や…そこかしこに休憩にぴったりの東屋やベンチがあり、ハーブに果樹や野菜も…モンシロチョウやアゲハやシジミチョウやアオシジミなど、蝶々もいっぱい! もうあそこに住みたいくらいです!

 

赤毛のアン席で登場した、アンがアラン夫人のために用意した薔薇とシダのテーブルコーディネート、ダイアナと出会ったときのバリーさんちの庭の牡丹、松本侑子訳の該当箇所を帰宅後もう一度読み返しました。浮島でプリンスエドワード島というのも、そう言われてみるとアンにぴったりのお菓子ですね。

 

 

小堀遠州流の「再会のバラ」薄茶席、誰が誰と再会するのかな?と思っていたところ、TIHOさんが愛したバラをご自分で絵付けされたお茶碗の数々、どれも薔薇を愛して育てた方ならではの観察力で、品種の特徴がとらえられていました。

わかば席に出た薔薇の絵柄はプリンセスドモナコ、ピース、ブルームーンでしたが、きっとまだまだたくさんあるのでしょうね、ほかのお茶碗も拝見したくなりました。

お菓子のモデルの朱雀は見たことのない品種でしたが、剣弁高芯咲の蕾が見事に表現されていました。

 

    薄茶席「再会の薔薇」(小堀遠州流なので席主の袱紗が右側です)

 

各席の茶筅立ては、N氏の作品だったのですね。前日に竹を切ってきたとおっしゃっていた灰吹きから小枝が伸びてて、カッコいい〜、と感動。どうしてきゅうりが置いてあるのかな?と思っていたら、茶杓置きとは。

水指の塗り蓋は黒と思っていましたので、溜塗に時代が付いた朱の蓋には驚きました。溜塗の棚に乗った乾漆の棗の金蒔絵とマットな質感、なんとも素敵でした。

青梅のお菓子に梅肉も入っていて歯触りもおもしろく、とても美味しかったです。「近くの石井」とおっしゃっていましたが、石井菓子舗さんというお店でしょうか?

 

      「濃茶席」(裏千家流)・・・お軸は「真楽」です

 

どのお席も、心に残る素敵なおもてなしでした。

ほんとうに楽しかったです。はしゃぎすぎてご迷惑をおかけしていなければよいのですが・・・。

みなさまご準備から後片付けまで、たいへんな中、ぜひまた企画してください、なんて言うのは勝手なお願いかもしれませんね・・・どうぞ、お疲れの出ませんように。    M 拝

 

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「薔薇の茶会」のおたより・・・(1)

2021年06月29日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

         「薔薇の茶会」の会場・櫻井ファームの薔薇園

 

5月29日(土)の「薔薇の茶会」から早や1ヶ月が経ちました。

ブログ読者の皆様はいろいろ心配してくださったことでしょう。

「コロナ禍なのに薔薇の茶会をなさったのかしら?」

「「薔薇の茶会」へ行きたかったけれど、どんな茶会だったのかしら?」

「どんなコロナ対策をしたのかしら?」

「無事に終わったのかしら?」・・・・などなど

 

 

「薔薇の茶会」は無事に終了しましたが、もうもう疲れ果てて、ブログへ書く気力がありませんでした。

それでも時間が疲れを癒し、お客さまからのお便りが良薬となり、回復しましたのでどうぞご安心ください。

「百薬に まさる会後の たよりかな」・・・その素敵なお便りを「薔薇の茶会」の証しとして書き記します。

ご一読くださり、「薔薇の茶会」の余韻に浸ってくださると嬉しいです。

 

Tさまより

五月は目まぐるしく過ぎ 明日から六月 雨の季節の到来です

暁庵様 先日は素敵なお茶会にお招きいただき ありがとうございました

薔薇と光と風と そして笑顔が溢れた 素晴らしい時間を過ごさせて頂きました

コロナ禍に野外での茶会となれば 様々な場合のことを考え シュミレーションし 知恵を出し合い 更に検証し・・・と準備のご苦労さぞかしと存じますが さすがに社中の皆様の結束の強さ 何より暁庵様の情熱とパワーが見事に薔薇園とお茶席を融合させて 素晴らしい世界が出来上がっていました

おかげさまで 私達 客一同 久しぶりに お茶を通じて心を通わす悦びを 存分に感じることができました  心より感謝申し上げます

一大イベントの成功でほっとなさったと思います

お疲れでませんよう しばしゆっくりなさって下さい   かしこ    Tより

 

 

Hさまより

昨日は薔薇の茶会の楽しい一日をありがとうございました。

確かにお茶の神さまの助けがあったと思ってしまう一日でした。当日を迎えるまでの様々なご苦労が想像されました。

赤毛のアン席ではUさん、Kさんの語りかけるような席主ぶりには感心いたしました。参加者をもてなし楽しませるようなトークは学ぶところが多く、アンに因んだお道具の説明も興味深く拝聴しました。

Nさんのお席は、Nさんのテイストがあふれるお道具の組み合わせで、なにかほっとするものを感じました。Iさんのプロフェッショナルな説明もすばらしく、いつまでも聴いていたい気持ちでした。

再会の薔薇席は小堀遠州流の綺麗さびの世界につつまれ裏千家との違いに新鮮さを感じました。

午前中はお手伝いの機会をいただき、こちらもとても勉強になりました。私はどうも裏方の方が性に合っている気がします。

ご主人様もお茶碗の消毒に奔走されていらして、皆さんが力を合わせる姿を美しく思いました。

同行の茶友も久しぶりにお茶の世界を楽しんだと喜んでおりました。

まだしばらくは後の始末にお忙しいとは存じますが、どうぞお疲れのでませんようにご自愛くださいませ。

本当にありがとうございました。     かしこ   Hより

 

 

Rさまより

百花繚乱の美しい季節ですが 先日の櫻井ファームの花々は見事でした

私はまだ土曜日の余韻に浸っております

自宅でお茶会をするだけでも大変なことですが ローズガーデンで しかもコロナ禍の時

お茶道具だけでなく目隠しのカーテン、かごの荷物置き、電源の心配に扇風機、畳、消毒薬、飲み物に咳止め用キャンディー・・・暁庵様がどんなにかお考えになられ お心配りをされたのが良く分かります

今は夏も冬も快適な生活に慣れていて 身体の全てが甘やかされていますが こうして外に出てみると 自分の五感が活性化されて来るのが分かりました

強い風を感じ 初夏の日射しを浴び 緑や薔薇の香りの中でお茶を楽しむ・・・

この1年半もの間 背中を丸めて家の中に閉じ籠っていた身体が全身で喜んでおりました

 

「赤毛のアン」の植田様のお席は温かい。前回の茶事の時もですが ダイアナになった気分で スグリ酒を片手にずっとおしゃべりをしていたい気分になります

「再会の薔薇」の小堀遠州流・小林様のお席は 他流派の私達のために所作や点前の細やかな意味を説明してくださいました  

「再会」が色々な所に散りばめられていて 謎解きゲームのようでわくわくいたしました  薔薇の絵付け茶碗も素敵でした

「濃茶席」の中野様のお席はやはり流石でした

お道具組でもお話も今日庵の中にいるかのような錯覚を覚えました

お道具の一つ一つが全て調和していて 無駄もなく でも重過ぎることがなく・・・粋でした

席中お話をしてくださった箱根のお茶室にも思いを馳せておりました

 

この三席を同時に開催されるなんて 暁庵様はどうしてこんなに次々と素晴らしいことをかんがえられるのでしょうか 本当に楽しいです

どうぞお疲れを癒してくださいませ・・・と皆様はお手紙に認められるかと思いますが・・・いえいえ!

是非是非またすぐに開催してくださいませ  楽しみにしております

幸せな一日を ありがとうございました   

・・・・やはり、ゆっくりお身体を休めてくださいませ    かしこ   Rより

 

   「薔薇の茶会」のおたより・・・(2)へ続く   ・・・(3)へ続く

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