菊ヶ浜のホテルから・・・思い出の萩にて
(つづき)
萩市の菊ヶ浜にあるホテルで2泊し、萩を回りました。
最初に訪れたのが吉賀大眉(よしかたいび)記念館です。
吉賀大眉の萩焼の井戸茶碗をネットで見て以来、いつか名前と作品が頭の隅にこびりついていました。
それでも記念館を訪れるまで吉賀大眉についてほとんど知りませんでした。
吉賀大眉記念館(萩市椿東永久山)
-吉賀大眉の足跡より抜粋-
吉賀大眉(本名:寿男)は大正4年、山口県萩市の窯元の家に生まれました。
当時萩焼は「伝統的な工芸という枠組みの中での陶芸」という認識でしかなく、
その現状に疑問を感じた大眉は東京美術学校(現:東京藝術大学)に入学、
大学では彫刻を学び、そののち陶芸家・加藤土師萌に師事しました。
その後萩に帰郷した大眉は作陶に専念し、
「伝統だけの観念にとらわれない」「伝統を超えた陶芸の美しさ」を追及し、
中央の美術展覧会等で精力的に作品を発表しました。
芸術院賞をはじめ数々の賞を受賞し、平成2年文化功労者に列せられました。
平成3年10月死去(76歳)。
萩焼を芸術にまで高めた作家としてその業績を讃えられています。
大眉作の布袋像の後ろ窓から登り釜が見える
展示内容が素晴らしかったです。
○1Fから2Fにかけて古陶磁器作品(大眉コレクション)が展示されています。
古萩、萩古窯陶片、弥生式土器、古染付などの東洋古陶器が並べられ、見ごたえがありました。
しかもツレと二人の貸切状態でゆっくり静かに鑑賞できたのも嬉しいです。
古萩の獅子置物
○2F第1展示場には大眉の代表作品がずらりと並び、力強い大作の「曉雲」シリーズに目を見張り、
水指や井戸茶碗はできることなら茶事で使ってみたい!と。
○親交のあった香月泰男、松林桂月の萩焼絵付け作品も味わい深く、魅力的でした。
絵だと暗く重厚なイメージの香月泰男ですが、絵付けした作品はどれも温かく自由な境地が窺えます。
香月泰男のコラボレーション(絵付け)作品です
○昭和の巨匠作品(2F)では、数は少ないですが魯山人、金重陶陽、加藤土師萌の作品にも会えました。
○一番印象に残っているのは、毛利家から藩御用商人・菊屋家へ下賜され、菊屋家から吉賀大眉へ寄贈されたという織部水指です。
桃山時代作と記憶していますが、斬新な形と言い、柔らかな色調と言い、白眉の水指だと思いました。
写真を遠慮したのが悔やまれまする・・・。
菊屋家住宅・・・店も屋敷も庭も広大で立派でした
菊屋家に展示されていた素晴らしい小袖(綸子)
(雲に雨龍文地 葵唐草・几帳の図刺繍・・・江戸初期)
萩市での主な観光コース
○ 吉賀大眉記念館~東光寺~松陰神社・松下村塾~旧厚狭毛利家長屋~指月公園・萩城跡
○ 武家屋敷界隈~萩博物館~城下町散策・菊屋家住宅~明倫館~新山口駅
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