ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

箱根湿性花園でササユリに出会いました

2010年06月14日 | 旅行
 神奈川県箱根町の仙石原にある箱根湿性花園に行ってきました。6月13日は関西まで梅雨入りし、関東にも梅雨前線が迫り、雨雲が次第に垂れ込めてくる天気になりました。

 箱根湿性花園は、湿原や湖水などの水湿地に生えている野草などを集めた植物園です。湿地帯に生えている野草が約200種類に、草原や林間などの野草に高山植物などを加えて、約1700種類の野草などが集められています。箱根町立の植物園は広さが約3万平方メートルあるそうです。その背後には、仙石原湿原植生復元区が広がっています。

 4月に咲くミズバショウなどから始まり、5月と6月には多くの野草が咲くとパンフレットに書いてあります。6月は「ニッコウキスゲ、ヒマラヤの青いケシ、ササユリ、トキソウ、コウホネ、アサザ、サンショウバラ、マツモトセンノウ、ハナマスなど」が咲くと説明されています。7月に咲く花と書かれていたニッコウキスゲ(本当は「ゼンテイカ」)も咲き始めていました。

 この植物園の良いところは、高原の湿原や草原、水湿地などに咲いている野草に簡単に出会えることです。各野草が育ちやすい場所に移植するため、実際にはかなり苦労しないとお目にかかれない野草に次々と出会えるため、少し拍子抜けします。高山を模した場所に、コマクサが既に一部咲き始めていました。きつい山登りをしないでコマクサに出会えるのはやはり拍子抜けです。心なし、高山のコマクサの方が、厳しい環境に耐えて健気に花を咲かせている気がしました。

 ノハナショウブ(野花菖蒲)やヒオウギアヤメ、カキツバタ(燕子花)が湿地帯や草原を模した所に咲いていました。この三つを同時に見ることができるので、三者の花の違いを学びやすい利点がありました。実際にはまずあり得ないことです。

 今回、初めて咲いているのを見たのはササユリ(笹百合)です。まるで園芸種のように華やかな野草でした。


 植物園の中では、ササユリの花の数はそれほど多くはありませんでした。夏になると関東ではヤマユリを多く見かけますが、関西ではササユリも多く咲くそうです。日本固有のユリの一つだそうです。

 ラン科のトキソウ(朱鷺草)の花にも初めて出会いました。薄いピンク色の花が、湿原の部分にあちこちに咲いていました。


 最初に見つけた時は、可憐な美しい花を熱心に撮影しました。木道を進むと、トキソウの花があちこちに咲いているため、次第にあまり撮影しなくなりました。贅沢なものです。ちょうど、開花したばかりのトキソウを撮影しました。トキソウは箱根湿性花園を代表する野草の花とのことでした。

 ミヤマアケボノソウという新顔にもお目にかかりました。これまで知らなかった野草です。


 知らない野草との出会いも、こうした植物園を訪れる楽しみの一つです。

 大型のサクラソウであるクリンソウ(九輪草)も予想以上にあちこちに咲いていました。花の色が濃いピンク、薄いピンク、やや朱色がかったものまでといくらか違いがありました。クリンソウは花が段々に咲いて行きます。最初の花は既に実になり始め、咲いている花の下部に層状に実を付けているものが多かったです。

 池の周辺部では、葉が大きく成長したミズバショウの近くに、コウホネやアサザなどの水辺の花が咲いていました。どちらも花部が水面上に伸びて花を咲かせています。コウホネは水面に濃い黄色の印象的な花を咲かせていました。

 スイレン科のコウホネ(河骨)には「ヒメコウホネ」「サイジョウコウホネ」などいくつかの種類があることを知りました。3種類のコウホネがそろって咲いていました。その違いはあまり分かりませんでした。コウホネの近くで大型のトンボが水中に尻尾を入れて卵を産み付けていました。ギンヤンマぐらいの大きさのトンボですが、名前は分かりません。

 箱根町では結局、雨は降り出さず、曇り時々晴れで済みました。その後、芦ノ湖の周りを回ってから箱根の山の尾根沿いに、箱根峠経由で静岡県熱海市まで移動しました。ロールケーキ専門店「えとわーる」に立ち寄るためです。熱海駅から急な坂を下った海岸の道沿いにあります。駐車場がないため、少し離れたところに駐車するしかない、不便な店です。おいしいので混んでいます(木曜日が定休日です)。閉店間近の時間帯だったので、ロールケーキはほとんど残っていませんでした。以前に、九州大学の教員の方に教えていただいた店です。具体的な口コミの情報は貴重です。