今日3月22日は、未曾有(みぞう)の天災となった東日本大震災(東北関東大震災)の発生から、12日目です。大震災後に、東京都内中心部に初めて出かけました。環状7号線の板橋区と練馬区付近では、ガソリンスタンドに向かって給油を求めて自動車が並ぶ現象が消えていました。ガソリンや軽油の供給不足が解消され始めているようです(都内全域かどうかは分かりません)。
今後、スーパーマーケットなどの食料や日用品などを大勢の消費者に販売している“量販店”での購買動向で気になっていることがあります。現在、都内やその周辺部では、米や飲料水、トイレットペーパー、乾電池などが品不足です。スーパーマーケットの棚から、こうした商品が相当量無くなっているのを、初めて見ました。日本のスーパーマーケットは、POSシステム(Point of Sale System、販売時点情報管理)によって、現時点での消費者の購入動向を「どの商品が・いつ・どんな価格で・いくつ売れたか」を精密に分析し、売れ筋商品などの品不足を防ぎ、販売機会の損失を最小化しているからです。
現在の大震災による消費者の異常な購入行動は、当該商品の発注数を精密に予測する、これまでに蓄積されたPOSシステムに基づく発注ノウハウを崩し始めているとみています。販売されている食品や日用品は、欠品(品不足)も売れ残りも発生しないように、精密に予測され、細かく発注され、細かく納品されています。物流コストをいくらか多くかけても、欠品による販売機会の損失の発生を防ぎ、かつ売れ残り商品の発生を防いでいます。
ところが、消費者は今回、通常とは異なる購入行動をとり、米や飲料水、トイレットペーパーなどを普段より何倍も買っています。近くの大型商業施設にあるスーパーマーケット2店では、昨日までの春分の3連休を見越し、食パンや牛乳などを“目玉商品”風に大量に並べていました。興味深いのは、2店は仕入れ先が異なるようで、実際に山積みされた商品が異なっていました。例えば、トイレットペーパーは一方の店では山積みされ、もう一方の店では品不足でした。
連休後の今日、一方の店では、昨日は「お一人様1本限り」と表示されていた牛乳1リットルの紙パック品が、今日は大量に残っていました。また、ある菓子パンは賞味期限が迫り、半額で売られていました。もう一方の店では、食パン半斤が大量の売れ残り商品になっていました。
こうした売れ筋商品の販売実績のブレは、売れ残り商品を産み出し、コストミニマムで製造し販売している、生産・販売態勢を壊します。原料の仕入れの最適化も壊します。結果として、コストミニマムの供給態勢を壊し、最適な価格で販売できなくなるか、供給できなくなります。この結果、定常状態を見越した商品価格が維持できなくなり、商品価格の上昇を招く可能性が高まります。しかも、当該商品を供給するメーカー数が減ると、寡占化による弊害が生じる可能性も高まります。
もし、最適な価格で供給できなくなって、その商品の生産から手を引くようになれば、当該事業から撤退し、同事業に従事する従業員の雇用を維持できなくなる可能性も高まります。供給の不安定が、雇用の不安定を産み出す可能性も出てきます。異常な購入行動が最適生産を壊すことを危惧しています。
大型スーパーマーケットに遠回りして行く際に、カンヒザクラ(寒緋桜)が咲き始めていることに気が付きました。
身近な場所でも、まだまだ知らない自然が息づいていました。
今後、スーパーマーケットなどの食料や日用品などを大勢の消費者に販売している“量販店”での購買動向で気になっていることがあります。現在、都内やその周辺部では、米や飲料水、トイレットペーパー、乾電池などが品不足です。スーパーマーケットの棚から、こうした商品が相当量無くなっているのを、初めて見ました。日本のスーパーマーケットは、POSシステム(Point of Sale System、販売時点情報管理)によって、現時点での消費者の購入動向を「どの商品が・いつ・どんな価格で・いくつ売れたか」を精密に分析し、売れ筋商品などの品不足を防ぎ、販売機会の損失を最小化しているからです。
現在の大震災による消費者の異常な購入行動は、当該商品の発注数を精密に予測する、これまでに蓄積されたPOSシステムに基づく発注ノウハウを崩し始めているとみています。販売されている食品や日用品は、欠品(品不足)も売れ残りも発生しないように、精密に予測され、細かく発注され、細かく納品されています。物流コストをいくらか多くかけても、欠品による販売機会の損失の発生を防ぎ、かつ売れ残り商品の発生を防いでいます。
ところが、消費者は今回、通常とは異なる購入行動をとり、米や飲料水、トイレットペーパーなどを普段より何倍も買っています。近くの大型商業施設にあるスーパーマーケット2店では、昨日までの春分の3連休を見越し、食パンや牛乳などを“目玉商品”風に大量に並べていました。興味深いのは、2店は仕入れ先が異なるようで、実際に山積みされた商品が異なっていました。例えば、トイレットペーパーは一方の店では山積みされ、もう一方の店では品不足でした。
連休後の今日、一方の店では、昨日は「お一人様1本限り」と表示されていた牛乳1リットルの紙パック品が、今日は大量に残っていました。また、ある菓子パンは賞味期限が迫り、半額で売られていました。もう一方の店では、食パン半斤が大量の売れ残り商品になっていました。
こうした売れ筋商品の販売実績のブレは、売れ残り商品を産み出し、コストミニマムで製造し販売している、生産・販売態勢を壊します。原料の仕入れの最適化も壊します。結果として、コストミニマムの供給態勢を壊し、最適な価格で販売できなくなるか、供給できなくなります。この結果、定常状態を見越した商品価格が維持できなくなり、商品価格の上昇を招く可能性が高まります。しかも、当該商品を供給するメーカー数が減ると、寡占化による弊害が生じる可能性も高まります。
もし、最適な価格で供給できなくなって、その商品の生産から手を引くようになれば、当該事業から撤退し、同事業に従事する従業員の雇用を維持できなくなる可能性も高まります。供給の不安定が、雇用の不安定を産み出す可能性も出てきます。異常な購入行動が最適生産を壊すことを危惧しています。
大型スーパーマーケットに遠回りして行く際に、カンヒザクラ(寒緋桜)が咲き始めていることに気が付きました。
身近な場所でも、まだまだ知らない自然が息づいていました。