ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

読売新聞紙の「変わる大学入試 1 米共通テスト大転換」を拝読した話の続きです

2014年08月31日 | 日記
 2014年8月29日に発行された読売新聞紙の朝刊一面に掲載されたコラム「変わる大学入試 1 米共通テスト大転換」を拝読した話の続きです。

 この“変わる大学入試”とは、このコラムの導入部に書かれているように、日本の大学の入試の仕方です。

 同コラムが伝えたい真意は、中面に掲載された、見出し「変わる大学入試 米、潜在能力まで評価」という特集記事を読むとわかります。

 読売新聞紙のWeb版であるYOMIURI ONLINEでも、この特集記事は同様の見出しで掲載されています。



 米国の大学の実態は多種多様です。基礎学力を学ぶような大学もあります。高校の成績や共通テストのSATの成績が一定水準以上ならば、これだけで合格する大学も多くあります(無事、卒業できるかどうかは別ですが)。その一方で、米国のトップレベルの有名大学は、次期世代のリーダーを産み出すのが役目になっています。このため、人物本位の大学入試になっています。

 同特集では、米国のトップレベルの有名大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)など5校の大学入試のやり方を伝えています。

 こうしたトップレベルの有名大学の大学入試では、高校の成績とSATの成績は高校で十分に学んでいるかを確認する評価資料として使い、高校時代の課外活動の実績や入試で書かせた論文、面接結果を基に判定し、例えばマサチューセッツ工科大学では、この総合結果が一定レベル以上の志願者を入試担当教員18人が評価します。分担して各入学志願者の願書を読み、2人がともに高く評価した志願者に対して、12人以上の入試担当教員が議論して審議します。この過程では、志願者の潜在的な伸びる能力を評価します。まるで、企業の入社試験のようです。

 この結果、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学は合格率がそれぞれ8パーセント、6パーセントと低いです。また、マサチューセッツ州の名門大学のウィリアム大学では、入学志願者を選別する会議を毎年3月に3週間にわたって、入試担当教員が朝から晩まで審議して決めるとのことです。

 ハーバード大学の担当者は「世界的な競争に勝ち抜くために、大学に貢献できる多様な人材を選んでいる」と、入学志願者の今後の潜在能力まで加味した選択をしています。

 日本でも、この志願者の潜在的な伸びる能力を見極める方向を2016年度から目指しそうですが、入学志願者の人物を見極める審議を公正に行う仕組みづくりに工夫が必要になります。

 多少、補足説明を加えると、米国ではトップレベルの有名大学の卒業者が大学院に進む時に、また志願者の潜在的な伸びる能力がそれぞれ評価されます。同じ大学から大学院に進む確率はかなり少なく、ここで再度、その大学で何を学び、社会人になってからの潜在能力まで、一人ひとりが審議されます。有名なトップレベルの大学院への入学志願者選びでは、ここまで時間をかけ、手間ひまかけています。人選びに慎重です。