2017年10月2日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載されたコラムの見だし「悲願の独自技術生かせず 東芝解体 迷走の果て(中)」を拝読しました。
この記事は、名門企業だった東芝が陥った危機と経営のほころびの経緯を解説しています。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版でも、見だし「悲願の独自技術生かせず 東芝解体 迷走の果て(中)」と報じています。
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この記事は、今回の東芝の危機は「11年前、密室で始まった」という文章からはじまります。米原子力会社大手のウエスチングハウス(WH)の買収の経緯を解説します。
2006年1月に、当時の西田厚聡社長は「もっと積め」と指示します。ウエスチングハウスが不振になり、買収案件として浮上した時に、日本の三菱重工業もウエスチングハウス買収に動きました。
三菱重工業の参戦によって買収額は約6400億円(54億米ドル)に膨れあがります。当時の西田厚聡社長は、当時の担当者の佐々木則夫常務(後に社長に)に買収金額の積み増しを指示します。
当時の米国ゼネラル・エレクトロニック(GE)などの重電大手に追いつくには、海外事業に打って出ることが不可欠と判断し、ウエスチングハウスの買収を実行します。
ところが、そのウエスチングハウスは米国サザン電力から採算を度外視して2基の原子力発電所を請け負います。これによって、ウエスチングハウスは破綻して行きます。
同社を買収した東芝は、結果として1兆円の最終赤字を出し、現在でも5000億円を超す債務超過に陥っています。
日本企業による海外企業の買収では、成功例もありますが、大きな失敗例も多く、その買収相手企業の事業内容の見積もりが下手な、ずさんな事例が目立ちます。
さて、東芝は債務超過を解消し、上場を維持するために、今期の連結決算の9割を稼ぐ半導体メモリー事業を売却するしか手がなくなります。
このNAND型フラッシュメモリーは、東芝の内部で、傍流だった研究開発者が開発した独自技術です。NAND型フラッシュメモリー事業は、常に市場の動向を見極めて、タイミングがいい巨額の設備投資が不可欠な事業でした。
当初は先行した東芝のNAND型フラッシュメモリー事業は、ライバル企業の韓国のサムソン電子が巨額投資を続け、東芝は厳しい局面に何回も直面します。
日本企業の半導体事業の中で、何とか市場に対応しているNAND型フラッシュメモリー事業(現在は、子会社の東芝メモリに)が持つ独自技術を海外企業に流出させたくない経済産業省は日本企業が主導権を持つように、東芝メモリへの資本参加を誘導させます。
半導体事業は、「選択と集中」という経営判断が求められます。日本企業がここ20年間にわたって、あまり成果を上げていない経営手法です。日本の大手企業は、東芝の今回の経営不祥事の経緯を“他山の石”として教訓を学ぶことができるかどうかが問われています。
なお、2017年9月28日に発行された大手新聞紙各紙は、東芝は米国投資ファンドのベインキャピタルを軸とする日米韓連合の企業群に、半導体メモリー事業の子会社の東芝メモリの売却契約を結んだと報じました。
この記事は、名門企業だった東芝が陥った危機と経営のほころびの経緯を解説しています。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版でも、見だし「悲願の独自技術生かせず 東芝解体 迷走の果て(中)」と報じています。
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この記事は、今回の東芝の危機は「11年前、密室で始まった」という文章からはじまります。米原子力会社大手のウエスチングハウス(WH)の買収の経緯を解説します。
2006年1月に、当時の西田厚聡社長は「もっと積め」と指示します。ウエスチングハウスが不振になり、買収案件として浮上した時に、日本の三菱重工業もウエスチングハウス買収に動きました。
三菱重工業の参戦によって買収額は約6400億円(54億米ドル)に膨れあがります。当時の西田厚聡社長は、当時の担当者の佐々木則夫常務(後に社長に)に買収金額の積み増しを指示します。
当時の米国ゼネラル・エレクトロニック(GE)などの重電大手に追いつくには、海外事業に打って出ることが不可欠と判断し、ウエスチングハウスの買収を実行します。
ところが、そのウエスチングハウスは米国サザン電力から採算を度外視して2基の原子力発電所を請け負います。これによって、ウエスチングハウスは破綻して行きます。
同社を買収した東芝は、結果として1兆円の最終赤字を出し、現在でも5000億円を超す債務超過に陥っています。
日本企業による海外企業の買収では、成功例もありますが、大きな失敗例も多く、その買収相手企業の事業内容の見積もりが下手な、ずさんな事例が目立ちます。
さて、東芝は債務超過を解消し、上場を維持するために、今期の連結決算の9割を稼ぐ半導体メモリー事業を売却するしか手がなくなります。
このNAND型フラッシュメモリーは、東芝の内部で、傍流だった研究開発者が開発した独自技術です。NAND型フラッシュメモリー事業は、常に市場の動向を見極めて、タイミングがいい巨額の設備投資が不可欠な事業でした。
当初は先行した東芝のNAND型フラッシュメモリー事業は、ライバル企業の韓国のサムソン電子が巨額投資を続け、東芝は厳しい局面に何回も直面します。
日本企業の半導体事業の中で、何とか市場に対応しているNAND型フラッシュメモリー事業(現在は、子会社の東芝メモリに)が持つ独自技術を海外企業に流出させたくない経済産業省は日本企業が主導権を持つように、東芝メモリへの資本参加を誘導させます。
半導体事業は、「選択と集中」という経営判断が求められます。日本企業がここ20年間にわたって、あまり成果を上げていない経営手法です。日本の大手企業は、東芝の今回の経営不祥事の経緯を“他山の石”として教訓を学ぶことができるかどうかが問われています。
なお、2017年9月28日に発行された大手新聞紙各紙は、東芝は米国投資ファンドのベインキャピタルを軸とする日米韓連合の企業群に、半導体メモリー事業の子会社の東芝メモリの売却契約を結んだと報じました。