人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作の単行本「沈黙のパレード」を楽しみながら読みました。最初に読み終えてからも、何回も読み返しました。
この最新作の「沈黙のパレード」は、2018年10月10日に文藝春秋から発行されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/0d/1ea8073dac9b239e17006fbd5af2171a.jpg)
この単行本「沈黙のパレード」は、価格は1700円+消費税です。
この「沈黙のパレード」の探偵役はお馴染みの湯川学(まなぶ)教授です。あの数々の難事件を解決してきた“ガリレオ探偵”です。そして、その相方を務めるのは、警視庁捜査一課の草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)と内海薫(うつみかおる)などの刑事たちです。
あの“ガリレオ探偵”の湯川学は、以前の作品では帝都大学の助教授(現在の准教授)でしたが、今回は教授に昇格し、研究一途ではなく管理職を務めている様子です。管理職の業務は研究と違ってあまり面白くない様子です。こうしたことで若い時とは異なる気持ちを持っています(注 助教授時代は工学部物理学科の所属の設定でした)。
また当然、刑事の草薙俊平たちも、年齢が進んでいます。いくらか出世しています。内海薫も以前と同様に美人ですが、やや歳をとっています。
この刑事の草薙俊平たちは、以前に、少女殺害の殺人犯として検挙しながら、犯行を完全否認して証拠不十分で処分保留となり、不起訴になって保釈された蓮沼寛一(はすぬまかんいち)という男性が、突然、不思議な死に方をして発見されます。
この不思議な死に方の死体が見つかった舞台は、東京都郊外の菊野市という町です。
以下は、部分的なネタばらしです。この小説「沈黙のパレード」は複雑な布石が仕掛けられています。複数の犯人がかかわっているような雰囲気です。
この小説の重要な登場人物は、菊野市で「なみきや」という大衆向けの飲食店を営んでいる並木祐太郎(なみきゆうたろう)・真智子(まちこ)夫妻です。
菊野市の菊野商店街では、街興しとして仮装パレードを毎年開催していました。この仮装パレードは有名になり、他の市町村からも仮装パレードを出すチームが多数いました。その仮装パレードが開催された日曜日に、川沿いの倉庫が並ぶ場所に、パトカーが集まっていました。殺人事件が起こっていました。
一時的に住むところを失った蓮沼は、知り合いの元同僚である友人の増村栄治(ますむらえいじ)が住む、川沿いの倉庫が並ぶ一郭にある工場の事務所の“物置”を仮の住まいとして、暮らし始めていました。その工場の事務所の“物置”の中で、蓮沼は原因不明で死んでいました。
知り合いの男性が外出から工場の事務所に戻ると、蓮沼が“物置”の中で、目立った外傷もなく、呼吸をしていない状態で見つかります。死因は不明です。事務所の“物置”はかなり気密性が高い部屋でした。
菊野市という郊外の町で開催された仮装パレードが終わり、その仮装パレードに参加した菊野市民のチーム菊野の面々が、「なみきや」に集まって軽く打ち上げをしてると、若者が入って来て「パトカーが集まっていて、蓮沼が死んだらしい」と伝えます。
実は、この「なみきや」を営む並木夫妻の長女の佐織(さおり)が高校を卒業した直後に、突然、行方不明になります。その3年後に静岡県内の小さな町で起こった火事の焼け後から見つかった白骨化した遺体2体が発見されます。この遺体の一つが並木佐織のものでした。
その焼けた家の息子が蓮沼寛一でした。当然、犯人として追及されますが、証拠不十分で処分保留となり、不起訴になりました。
当然、並木夫妻は蓮沼寛一が娘を殺した犯人と信じています。このため、警察は不審な死に方をした蓮沼寛一をあやめた犯人として、並木夫妻を疑いますが、仮装パレードと最中に、「なみきや」の客が具合が悪くなり、病院にこの人を連れていった経緯があり、アリバイがありました。
実は、菊野市民のチーム菊野の面々も、蓮沼寛一が死んだ時間には、それぞれがアリバイらしきものがあり、どうも犯人ではないようです。
“ガリレオ探偵”の湯川学は「気密性の高い“物置”には『ユダの窓』がある」と、草薙たち刑事に解説します。
この「ユダの窓」とは、有名な米国の推理小説作家のカーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カーの別名義で)による推理小説に使われたドアのカキ穴を意味する言葉です(ヘンリ・メリヴェール卿ものの長編第7作目に出て来ます)。
以下は、この小説の種明かしです(種明かしを事前に知りたくない方は、これ以上は読まないでください)。湯川学は、ドアの鍵穴からヘリウムガスあるいは窒素ガスを流し込むと、呼吸に必要な酸素ガスが十分吸えなくなり、ある種の窒息しすると解説します。実際には、液体窒素を使って、ドアの鍵穴から窒素ガスが流し込まれ、蓮沼寛一は酸欠死で亡くなります。
長くなったので、今回はここまでです。
この最新作の「沈黙のパレード」は、2018年10月10日に文藝春秋から発行されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/0d/1ea8073dac9b239e17006fbd5af2171a.jpg)
この単行本「沈黙のパレード」は、価格は1700円+消費税です。
この「沈黙のパレード」の探偵役はお馴染みの湯川学(まなぶ)教授です。あの数々の難事件を解決してきた“ガリレオ探偵”です。そして、その相方を務めるのは、警視庁捜査一課の草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)と内海薫(うつみかおる)などの刑事たちです。
あの“ガリレオ探偵”の湯川学は、以前の作品では帝都大学の助教授(現在の准教授)でしたが、今回は教授に昇格し、研究一途ではなく管理職を務めている様子です。管理職の業務は研究と違ってあまり面白くない様子です。こうしたことで若い時とは異なる気持ちを持っています(注 助教授時代は工学部物理学科の所属の設定でした)。
また当然、刑事の草薙俊平たちも、年齢が進んでいます。いくらか出世しています。内海薫も以前と同様に美人ですが、やや歳をとっています。
この刑事の草薙俊平たちは、以前に、少女殺害の殺人犯として検挙しながら、犯行を完全否認して証拠不十分で処分保留となり、不起訴になって保釈された蓮沼寛一(はすぬまかんいち)という男性が、突然、不思議な死に方をして発見されます。
この不思議な死に方の死体が見つかった舞台は、東京都郊外の菊野市という町です。
以下は、部分的なネタばらしです。この小説「沈黙のパレード」は複雑な布石が仕掛けられています。複数の犯人がかかわっているような雰囲気です。
この小説の重要な登場人物は、菊野市で「なみきや」という大衆向けの飲食店を営んでいる並木祐太郎(なみきゆうたろう)・真智子(まちこ)夫妻です。
菊野市の菊野商店街では、街興しとして仮装パレードを毎年開催していました。この仮装パレードは有名になり、他の市町村からも仮装パレードを出すチームが多数いました。その仮装パレードが開催された日曜日に、川沿いの倉庫が並ぶ場所に、パトカーが集まっていました。殺人事件が起こっていました。
一時的に住むところを失った蓮沼は、知り合いの元同僚である友人の増村栄治(ますむらえいじ)が住む、川沿いの倉庫が並ぶ一郭にある工場の事務所の“物置”を仮の住まいとして、暮らし始めていました。その工場の事務所の“物置”の中で、蓮沼は原因不明で死んでいました。
知り合いの男性が外出から工場の事務所に戻ると、蓮沼が“物置”の中で、目立った外傷もなく、呼吸をしていない状態で見つかります。死因は不明です。事務所の“物置”はかなり気密性が高い部屋でした。
菊野市という郊外の町で開催された仮装パレードが終わり、その仮装パレードに参加した菊野市民のチーム菊野の面々が、「なみきや」に集まって軽く打ち上げをしてると、若者が入って来て「パトカーが集まっていて、蓮沼が死んだらしい」と伝えます。
実は、この「なみきや」を営む並木夫妻の長女の佐織(さおり)が高校を卒業した直後に、突然、行方不明になります。その3年後に静岡県内の小さな町で起こった火事の焼け後から見つかった白骨化した遺体2体が発見されます。この遺体の一つが並木佐織のものでした。
その焼けた家の息子が蓮沼寛一でした。当然、犯人として追及されますが、証拠不十分で処分保留となり、不起訴になりました。
当然、並木夫妻は蓮沼寛一が娘を殺した犯人と信じています。このため、警察は不審な死に方をした蓮沼寛一をあやめた犯人として、並木夫妻を疑いますが、仮装パレードと最中に、「なみきや」の客が具合が悪くなり、病院にこの人を連れていった経緯があり、アリバイがありました。
実は、菊野市民のチーム菊野の面々も、蓮沼寛一が死んだ時間には、それぞれがアリバイらしきものがあり、どうも犯人ではないようです。
“ガリレオ探偵”の湯川学は「気密性の高い“物置”には『ユダの窓』がある」と、草薙たち刑事に解説します。
この「ユダの窓」とは、有名な米国の推理小説作家のカーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カーの別名義で)による推理小説に使われたドアのカキ穴を意味する言葉です(ヘンリ・メリヴェール卿ものの長編第7作目に出て来ます)。
以下は、この小説の種明かしです(種明かしを事前に知りたくない方は、これ以上は読まないでください)。湯川学は、ドアの鍵穴からヘリウムガスあるいは窒素ガスを流し込むと、呼吸に必要な酸素ガスが十分吸えなくなり、ある種の窒息しすると解説します。実際には、液体窒素を使って、ドアの鍵穴から窒素ガスが流し込まれ、蓮沼寛一は酸欠死で亡くなります。
長くなったので、今回はここまでです。
このガリレオ探偵の湯川学の名推理を何回も味わいました。
その後は、探偵ガリレオである湯川学助教授が活躍する長編がいくつか出て、映画にもました。
ここまで発展するとは思いませんでした。
アバター様
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
東野圭吾さんが名探偵として、世に送りだした「探偵ガリレオ」こと湯川学助教授もだいぶ歳をとり、教授職をぼやく感じになりました。
この「沈黙のパレード」は、湯川学教授が以前の事件を語る部分があり、時間の経過を感じます。
昔、「探偵ガリレオ」がテレビ番組としてシリーズ化された時は、内海薫は美人女優の方が演じていました。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
東野圭吾さんの最新作の単行本「沈黙のパレード」では、謎解きの説明に「ユダの窓」が出て来て、やや驚きました。
東野圭吾さんがジョン・ディクスン・カーのファンであることが分かりました。
毎年、新作を書き続けているからできる話です。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
東野圭吾さんは毎年、新作のミステリーを次々と書いて、多くがヒット作になっています。
その中にはガリレオ探偵の湯川学シリーズがあります。コンスタントにヒット作を書き上げる筆力をお持ちなことに感心しています。
この時は若い助教授時代の湯川学がガリレオ探偵として、超難問を解決していました。
予想を超える謎解きでした。
不思議な出来事を、帝都大学の助教授の湯川学が物理学的な解釈から解明する点が新鮮でした。
超新星さま
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
東野圭吾さんが1998年に刊行した短編小説集の「ガリレオ探偵」が、湯川学助教授の「ガリレオ探偵」の始まりでした。これを基に、長編もいくつも執筆され、ヒットした作品になりました。
そして、この短編小説集を基に、テレビドラマがシリーズ化され、長編を基に映画も制作されました。人気が高い作品になりました。