おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

橋下市長は自分の職責についての反省はないのか?

2013年01月10日 07時06分46秒 | 日記
大阪市立の桜宮高校のバスケ部2年生が自殺した。

有名監督に体罰を受けたことで悩んでの自殺だったという。

この高校は大阪府では高校バスケ界の名の知れた強豪校という。

そのチームを率いる監督で、バスケに関しての指導力は大きいものがあったのだろう。

学校というところは生徒の活動「実績」=文武において大事にする。

それが学校の名声になり、生徒の誇りと自信にもつながる。

文の場合、例えばある年に東大へ一人でも合格者が出たとなると翌年からの入学希望者が激増するという実態がある。

私立における「学特(学力特待)」制度にしても、「特進(特別進学)コース」もしかりーこれが学校の人気を高め生徒数を増やす。

私立の学校経営者や公立校でも生徒数を増やさないと統廃合の対象にされるので私立から生徒を奪う戦略をとる。公私とも変わらない。

スポーツの場合でも同じ性質を持っている。優秀な成績を上げることが学校の名誉になり、監督顧問の評価に繋がるのだ。学校に全国大会(インターハイや選抜大会)に出場する部活ってそうあるものではない。だからもしその中で実績を出したら、その先生は学校では鼻高々の「大威張り」、校長も一目を置かざるを得ない。

高校教育界にも純粋教育の理念よりもこういう実績と効率が幅を利かす。

有力なスポーツクラブの監督は対外試合に出かけると丸で王様の出陣さながら保護者はその部下家来みたいに王様の世話を焼く。「王様」はそれが当たり前の如く胸を反らす。

桜宮ではスポーツ科があり、生徒募集でも希望者を年毎に増やしている人気学科。その中でもバスケ監督の存在感は大きかったのではー
校長も体罰知らぬはずはない口を出せない伝統と現状があったのだ。クラブに子どもを所属させている親はクラブが強ければ強いほど批判ができにくくなる。「出場機会」が減ったり無くなったり・・・親は心配なのだ。

私も昔々、バスケの顧問をしていたのでよくわかる。たまにはビンタもした。怒鳴り声を上げることはしばしばだった。激しい運動では気持ちの緩みがケガにつなったり、士気を衰弱させることに繋がるのでどうしても厳しい指導叱責も必要だ。特に武道だったら命に関わる。

体罰がどういう風に行われ、生徒を追い込んでいったのか詳しく検証していくべきだし、明らかにしなければかけがえのない失われた命の意味がなくなる。

実績を上げる。監督の指導に人気が集まりいい生徒がさらに増えてくる。地方大会から全国大会へ。監督の名声が上がって行く。それにつれて監督はカリスマ化していく。

この構造は決して大阪だけに留まらない。日本のどこにでもあることだ。

ニュースを見ていると、相変わらず教育委員会が出てきて同じような(滋賀県の大津のいじめ事件の対応)口調でマニュアル化された言葉を選んで喋っている。そして、橋下市長が出てきて憤慨する

ファッショ政権、厳しい処分が待っているのではないか?あなたが目を違うところに向けていた間に起きたことで、トップとしての責任はないのか?先ずは死者への追悼の言葉と深ーい反省の弁が必要ではなかったのかー

教員経験者としてこういうことが起こると教員は何もしない方が御身の為、指導に力を入れなくなっていく。こうなると学校に活力がなくなり、誇りも自信も低下し逆に何をしても怒られないと非行が増えて行く。「荒れ」が始まるのだ。

冷静に科学的にしっかり事態を究明し学校の体制を作り直して行く必要がある。その学校には現に多くの生徒が通っているのだからー