◆それでは、強い企業組織を作るためには?
まず、一般的にあまり浸透していないが、「エントリーマネジメント=組織の入り口管理」という考えが必要となる。
採用、入り口の段階で応募者との相思相愛の関係を作るために、共感の接点を作っていくことが必要となる。
そのためには、以下4つの発想の転換が必要となる。
1.
極論すると、採用できた人材で事業の方向性が決まる。ということ~
これまでの「事業戦略のための人材」ではなく「人材力が事業戦略を決める」という考えが必要。
2.
採用は自社への入社という選択を迫る営業行為という考え~
「入りたい人材」ではなく、「採りたい人材」っをトップ自ら口説いていくというスタンス。そのためには、自社の理念・ビジョン・戦略の明確化が必要。
3.
「会社の中に人材を入れる」ではなく、「人材の中に会社をいれ続ける」という考え~
採用、社内人材のマネジメントは「質の高い共感者の創造」。
そのために、共感してもらいたい価値観を応募者・メンバーの頭の中にいれ、迎え入れた後も継続的に価値観の共有をすることが必要。
4.
次世代人材育成のきっかけとしての採用~
採用に次世代を担う若手人材も加えていくことで、仕事の意味の把握、新メンバーからのプレッシャーでモチベーションを向上させた入りということも期待できる。
◆エントリーマネジメント=関係構築のマネジメント
⇒エグジット・マネージメント=関係解消のマネジメント
入り口の段階だけでなく、組織内のローコストパフォーマーを外に出し、ハイコストパフォーマーを内に残すという仕組み作りが必要になる。
具体的には、
1.即時清算型の報酬制度の導入
年功序列型、退職金制度といった貢献に対して後払い的に払う制度からそのつど、支払う貸し借りのない関係の構築。
2.人事評価の多頻度化
一年半と仕事の人事評価を三ヶ月ごとにすることで、そのつど期待されているパフォーマンスを明確化する。
3.自己選択型や会社選抜型の研修制度
4.社内労働市場の構築
職務、事業部希望などを考慮した制度の導入
◆モチベーションの仕組みを理解した刺激策の検討
モチベーションの高さ=目標【報酬】の魅力×達成【獲得】可能性
という公式であらわせる。
まず、
モチベーションを高めるためには、「目標の魅力」を高めてやることが必要。
それには、以下のような施策が考えられる。
1.ラダー効果・・・上位の目的・概念を示すことで業務を意味づける
ex:求人広告の仕事の場合「個人と企業のお互いの幸せな関係を築ける社会を作る仕事」というように
2.オプション効果・・・自己選択の機会を増やす
ex:仕事の進め方などを裁量に任せる
3.サンクス効果・・・貢献実感を持たせる
ex:顧客の声を届ける、事務職の場合、メンバーからの声をバックする仕組みを作るなど
4.スポットライト効果・・・個人が表彰される機会、名前を刻む機会を設ける
注:一つの評価に偏り過ぎないように
次に、モチベーションの高さを高めてやるもう一つの要素が、「達成可能性」を高めてやるということ。
具体的には、
1.マイルストーン効果・・・途中目標を明確に設定する
何をいつまでに達成すればよいのかという小目標を設けてやる。それと、状況のモニタリング。
2.フィードバック効果・・・取り組みや結果を評価する
3.ロールプレイング効果・・・役割演技で視点を移動させる
4.ナレッジ効果・・・専門化や経験者からの伝授、ノウハウを共有する
といった具合だ。
この本の内容はまだ続くが、取り急ぎピックアップしたいポイントは以上だ。