とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

現代文の参考書シリーズ 時間論2【円環的時間観】

2017-08-02 07:44:35 | 現代文の参考書
 一方で私たちは時間が円環的だと言われて、ある程度は納得できるのではないでしょうか。
一日は、東から太陽が昇って始まり、空をぐるっと回って西に沈んで終わります。その繰り返しです。円運動が何遍も何遍も永遠に繰り返されるのです。

 一年は、春夏秋冬の繰り返しです。時には異常気象があり、台風が来たり日照りがきたり、人間にとって苦しい時期があるかもしれません。しかし、季節が逆転することはありあません。春は次第に暖かくなり、花が先はじめ、新緑の季節となります。夏は暑くなり、さまざまな野菜の収穫が始まります。秋は次第に寒くなり、木々の葉が紅葉し散っていきます。冬は寒く、日が短く時には雪が降ります。冬になる前に、人々は食料や、暖房に必要な薪などの準備をしなければなりません。季節は規則正しく繰り返され、だからこそ人間はそれに対応して生きていけるのです。

 この永遠の繰り返し、円環こそが、昔の人間にとっての普通の時間のイメージでした。

 かつての人間にとって自然とは神が創り出すものでした。特に日本においては神は自然と同じものであったのです。そして自然の永遠の営みこそが時間であったのです。自然の創り出す永遠の繰り返しの中で、人間はその中で生かしてもらっているという感覚であったのだと思います。
コメント (2)
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