とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

現代文の参考書シリーズ 時間論4 【直線的時間観と進歩思想】

2017-08-07 07:54:24 | 現代文の参考書
 この直線的時間観は人間の進歩思想と直結しています。

 日本人は「夢」という言葉が好きです。多くの人たちは子どものころ夢を持ち、その夢に向かって努力するように言われます。時には無理な努力もしながら、自分を鍛え、成長していきます。私もその考え方は好きです。「夢」という言葉は「進歩思想」が形になって表れてきたものです。

 しかし昔の人は大きな夢なんて持たない人の方が多かったはずです。そもそも「夢」は寝ながら見るものであり、今のような未来の希望という意味での意味はなかったのではないでしょうか。毎日毎日を生きていくことそれが人々にとっての一番大きな課題です。必要以上のことはしない。してもしょうがない。長生きしたくとも、それは自分がなんとかできるものではない。神や仏にすがるしかないのだ。それが近代以前の考え方だったのです。

 近代になって、人々は幸福になったように見えます。近代化は間違っているわけではありません。しかし、一方では近代化によって、人間は思い上がってしまったのは事実です。「夢」を追い続けすぎて追い込まれてしまっています。心が常に時間に追い立てられるようになってしまったのです。

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