とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

佐川さんに質問 「『指示』って何?『関与』って何?」

2018-04-01 09:02:54 | 社会
 先日国会で森友学園問題に関わる文書改ざん問題で、佐川前理財局長への証人喚問が行われた。私が感じたのは、佐川氏が言っている「指示」「関与」という言葉がどのような意味で言われていたのかわからないということである。

 自民党の丸川珠代議員の質問は「指示」があったかどうかであった。例えば、
「佐川さん、あるいは理財局に対して安倍総理からの指示はありませんでしたね」
「念のために伺いますが、安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね」
などと始まり、政府関係者からの指示がなかったことを畳みかけ、すべて指示がなかったことを聞き出すと、
「少なくとも今回の書き換え、そして森友学園に国有地の貸し付け並びに売り払いの取引について、総理、総理夫人、官邸の関与はなかったということは、証言を得られました。」と締めくくっているのである。つまり丸川氏は「指示」=「関与」という図式にしようとしていて、佐川氏もそれを知っていたかのようにそれを受け入れているのだ。

 これはおかしい。「指示」はなくとも「関与」することは可能なはずだ。よく言われる「腹芸」や最近はやりの「忖度」という言葉は、明確な指示はないが、権力者の意図した方向に向かうような働きかけのことだ。「関与」なのだ。例えば政府関係者が官僚に、
「安倍総理夫人が名誉校長をしている森友学園が、土地購入で苦労しているようだ。」
と言えば、これは土地購入を何とか助けてあげなさいという意図にしか聞こえないはずである。このように相手に「忖度」させるような意図的な発言によって、官僚に働きかけることは十分可能である。

 今回の佐川氏への証人喚問では結局、「関与」という言葉がどういう意味で佐川氏が使っていたのかがわからなかった。

 そもそもこの問題の根本は安倍総理の「私や妻が関係していたということになれば、 まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」という発言が元になっている。これを正当化しようと様々な画策が生まれているのではないかとみんなが感じているのだ。今回の証人喚問では「関係」という言葉が「関与」にすり替わり、「関与」は「指示」と同じ意味にしようと佐川氏と自民党が意図しているように見えるのだ。これは言葉遊びのレベルであり、だから議論はかみ合わない。

 「腹芸」や「忖度」が法律違反なのかというと、そうではないかもしれない。しかしこれは国の正義が問われている問題である。このような曖昧な決着ではいけない。

 もう一度「忖度」の意味を明確にして、「指示」と「関与」の意味を明確にして、そこに何があったのかを明確にしてもらいたい。
コメント
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