とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

難波博孝著『母語教育という思想』を読みました。

2021-04-17 08:04:16 | 読書
 難波博孝氏の『母語教育という思想』を読みました。国語教育へのたくさんの示唆を与えてくれる本です。

 筆者は批判的な視点から、現状の国語教育の科学的な分析をしています。その分析結果をもとに新たな国語教育への提言を行っています。賛同するところが多くありますし、気付かされることも多くあります。有益な書です。

 国語教育は伝統の上にあぐらをかいています。「国語嫌い」の生徒は多くいます。それは「国語」によって何を学んでいるのかがわからないからです。国語のテストも何を問われているのかがわからないのです。

 先日、生徒と雑談している時、生徒が次のように言いました。

「入試で出てくる問題文は初めて見る文章だ。それなのに授業で教科書の文章を詳しく解説されても何の意味があるのかわからない。」

 わたしも高校生のころ同じように思っていました。私が高校生の時から40年もたっているのに、国語教育は何の改善もなされていないのです。本来ならば時代に合った国語教育に変化しなければならないはずなのに、何の変化もない。これが日本の母語教育の現実なのです。

 国語教師の劣化もはげしい。これでは母語としての日本語は滅びる。今のうちに国語教育の改革が必要なです。そのためにすぐにでも動きははじめなければいけません。

 『母語教育という思想』では有益な提言がなされています。それをもとに新たな「国語教育」を今すぐにでも始める必要があります。
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