実話をもとにした映画『シカゴ7裁判』を見ました。かなりの脚色はあるのでしょうが、権力によって事実を捻じ曲げる現実を描く醜さと、それに抵抗する人々の姿が感動的に描かれています。興奮する映画でした。
監督 アーロン・ソーキン
(あらすじ)
1968年、シカゴで民主党の全国大会が開かれていた。それに合わせて全国から反ベトナム戦争派の若者たちが集結し、集会やデモを繰り広げていた。そして、会場近くのグランド・パークでは、デモ隊と警察が衝突し騒乱となり、数百名の負傷者を出す事件へと発展した。デモに参加した各グループのリーダー的存在だった7人が、暴動を扇動したとして共謀罪などの罪に問われ、法廷に立つことになる。しかし裁判長は偏向的な人物であり、また権力側の陰謀により、「有罪ありき」の裁判が進行していく。
国家権力の暴走は発展途上の国や、共産主義国家だけの問題ではない。アメリカのような民主的な国でさえ権力によって事実がいびつに捻じ曲げられている。とくにアメリカはベトナム戦争や中東戦争への参戦など暴走しやすいので、正当化するために無理が生じやすい。
日本でも露骨な権力の横暴はないのかもしれないが、しかし「日本らしい」いびつな権力が進行する。昨今の状況も政権の世論誘導がはなはだしく、冷静な判断がなされていない。見えない形での横暴が進行しているとしか思えない。
2週連続でベトナム戦争と関連した映画を見ることとなった。自由を奪う権力にもっと敏感になり、戦わなければならないと強く思った。