5月12日(金)に仙台市電力ホールで行われた「立川談春独演会」に行きました。談春師匠の語り芸を堪能するとともに、珍しい試みを楽しませていただきました。
今回の落語会の演目は「子別れ」だけ。中入りを挟んでほぼ2時間ずっとひとつの噺だったのです。「子別れ」は前に聞いたことがある噺だったのですが、そんなに長い話ではなかったはず。
調べてみると近年演じられるのは後半部分で、今回は前半部分も演じてくれたのでした。前半は酒好きで仕事に疎かになって、妻にも尊大になってしまう夫婦の別れまでの話で「強飯の女郎買い」と呼ばれることもあるそうで、後半は夫が酒を断ってまじめに働きだし、夫婦が元の鞘に収まるまでの話で、「子は鎹」とも呼ばれています。
前半と後半がまるで違う話のようにも聞こえます。しかし人情噺というのはもともと長いものが多かったようです。今回の談春師匠の挑戦は歌舞伎の通し狂言のようなものと言ってもいいのでしょう。
なるほど、全体の構成がよくわかるし、前半の滑稽噺のようなおもしろさと、後半の人情噺のおもしろさがしっかりと味わうことができました。
今年、談春師匠は三三師匠と圓朝の「牡丹燈籠」のリレー落語を行っているそうです。とても興味があります。可能ならば聞きにいきたいと考えています。チャレンジを続ける談春師匠を応援したいと思います。
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