市川猿之助さんが逮捕され、切ない気持ちになります。猿之助さんも犯罪を犯したのだから非難されるのはと当然だとは思いますが、とは言え事情が複雑で、簡単にコメントを出している方々の気持ちが理解しがたいところがあります。「猿之助」の名跡について今いうべきことではない。
ネットを見ていたら東国原英夫氏が市川猿之助さんの逮捕について「この物語は壮大な歌舞伎なのかも知れない」とツイートしたというニュースが出ていました。何を言っているのでしょう。「歌舞伎」を何だと思って言っているのでしょう。
以前、私は「風の谷のナウシカ」を歌舞伎が行った公演を厳しく批判しました。しかし一方ではこの公演を評価しているコメントがはるかに多数目にしました。「歌舞伎だからこそできた」というような言い方をしている人も多くいました。歌舞伎が特殊な芸能だと勘違いしているのではないかと思えてきました。
確かに歌舞伎は大げさですし、普通ではありえない筋のものもあります。古典作品の多くはセリフの聞き取りも難しく、しかも意味も理解しがたいものも多くあります。内容がわかりにくくとっつきにくいと感じている人も多くいると思います。
しかし歌舞伎は普通の演劇です。人間を描いています。現代にも通じるから上演しているのです。歌舞伎の中の人間は、現代人と同じです。これからの歌舞伎はどうあるべきかは別次元の問題としてあるかもしれませんが、決して特殊な古典芸能ではありません。
猿之助さんの逮捕が「壮大な歌舞伎」だという発言は何を言っているのかわかりません。歌舞伎をバカにしているようにしか思えません。もっとわかりやすく言い直していただきたい。
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