「源氏物語を読む」シリーズの18回目。「松風」です。自分の備忘録として書き残しておきます。
光源氏は31歳。
・明石の姫君の苦悩
二条東院が完成し、源氏は東の対には明石の君を迎えたいと考える。しかし明石入道は直接、源氏の所に行くことを躊躇する。大堰川近くの山荘を修理して娘をそこへ住まわせることに決めたという。明石の御方は父入道を一人明石に残して姫君や母尼君と共に上京する。しかし源氏はなかなか大堰を訪れない。ようやく大堰を来訪。明石の御方と3年ぶりの再会をする。そして初めて娘と出会い、感動する。一日も早く姫君を都へ迎えたいと考える。源氏は姫君を養女として育ててほしいと紫の上にお願いする。明石の君は娘を手放すことになり、苦しむ。
・紫の上の苦悩
紫の上にとって子供ができないというのは大きな負い目である。いつか源氏は自分から離れるのではないかという恐怖を常に抱えている。それを我慢しながら明石の姫君を育てることになる。自分に子供ができないがために他の女が生んだ子供を育てなければならない。しかし子供は愛らしい。自分を殺しながら、その中でなんとか自分を生かす生き方を模索する。
・光源氏の苦悩
自分の蒔いた種によって、愛する女性を苦しめることに苦悩する。自分勝手な男であるが、人間の欲というのはそういうものなのだろう。ディフォルメされた人間の苦悩が描かれている。
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