中央教育審議会が『「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について』を答申した。やっぱりわかってないなこいつら。
各教育委員会が教員の働き方改革の進捗状況を「見える化」し、PDCAサイクルを通じて継続的に改善していく仕組みが必要と指摘するのだという。文科省の得意文句の「見える化」「PDCAサイクル」という言葉が使われているが、どういう意味で使っているのかおそらく教育関係者の誰もわかっていない。一番わかっていないのが教育委員会であり、管理職なのだ。わかっていないから「見える化」のために調査、アンケートばかり行われ、PDC[Aサイクルのために研修会が増える。そもそもPDCAサイクルは普通にやれば学校になじまない。なぜなら学校は1年単位で行われているので、反省して改善してもそれを検証できるのが1年後だからである。みんなそれは気付いているのだが、毎日の忙しさの中で教育員会からいろいろ言われるので、とりあえずやったふりをするしかないのだ。
働き方改革の実現方法として、ICT活用の必要性も指摘している。教育委員会と学校は「ICT環境整備を進めるとともに、GIGAスクール構想の下での校務DXを加速する必要がある」と訴える。これもまた胡散臭い。忙しいからIT技術を使おう。それはわかるが、そういう改革がどれほどの労力が必要かがわかっていない。IT技術者が常駐しているのならなんとかなるかもしれない。しかしICTを活用して業務を軽減しなさいと言われるだけで、なんの手も貸しはしない。自分らで考えろで終わりなのだ。しかも学校が使うソフトも更新が激しく、しかも急に有料化になったり、急に高くなったりして、その度にどうするか考えなければならない。今現在忙しい教員がその対応にどれだけ苦労しているかがわかっていないのだ。
GIGAスクール構想なんて、IT企業の戦略でしかないのはあきらかだ。不登校の生徒に対してオンラインで対応しなさいなんて言い始めるから、現場は混乱しているし、中には諦め始めている教員もいる、不登校の対応のためにこれまでいろいろな苦労をしてきた教員をばかにしているような現場になりつつあるのだ。
森永卓郎さんが、「文科省の役人は劣化しているというか、私はばかじゃねえかと思う。現場に行けと。まず霞が関のボロっちいビルにずっと朝から晩までいるんじゃなくて、とりあえず2年でも3年でもいいから現場で教えてみろよって言いたい。いかに自分たちがくだらない要求をしているのかというのが身に染みると思う」と言ったという。その通りである。
教育を駄目にしているのは文部科学省である。