甘利大臣が金銭授受問題で辞任しました。このようなスキャンダルにも関わらず内閣支持率は落ちませんでした。この原因は甘利前大臣がTPP交渉でがんばっていたと、多くの国民が思っているからだと思います。本来は批判すべきマスコミも、「甘利大臣はひとりで厳しい交渉をおこなっていた。」とその姿を肯定的にとらえています。日本人は周りに流されやすいと思われながら、見るべきところはしっかりと見ています。金銭授受はいけませんが、頑張っている人を悪く言うことはしたくないのです。
ただし、TPPが本当にいいことなのかはもっとしっかりと検証すべきです。
私が一番変に感じるのは著作権の問題です。著作権は守られたほうがいい。誰かが作ったものを真似をしてもいいとなってしまえば、才能ある人が創作活動を続けられなくなります。これでは文化の衰退につながります。だから著作権は合理的な権利です。しかし、作者が死んでから70年も著作権が守られるというのはあまりにも長すぎる。これでは著作権の本来の意味がなくなってしまうような気がします。
著作権が70年も守られる理由は明らかにアメリカが得をするからです。ディズニーやハリウッド映画などのアメリカの文化の利権を守りたいからです。しかし、こういうふうに長期間の著作権を認めれば新たな文化は生まれにくくなります。
文化というのはマネから始まります。人まねが完全に否定されてしまえば新たなものは生まれてはきません。著作権侵害で訴えられるのではないかと考えたら、自由な創作活動はできません。一方では音楽ではDJが既存の曲をリミックスしています。このあたりの著作権はどうなっているのか、著作権侵害だと訴えられればどうなるのか、「著作権」というものが真面目な製作者を混乱に陥れているような気がします。
TPPは著作権の件だけでも大きな問題があります。その他あらゆる分野でおそらく問題が山積みなのではないでしょうか。結局はアメリカの経済戦略に加担しただけになりかねない。また、たとえそれで日本が得をしたからと言っても、人類にとっての徳になるかはわからない。
検証をもっと時間をかけて行い、しっかりと見ていかないといけません。