とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

老後に2000万円不足? またしても安倍内閣の姑息な手段か

2019-06-10 19:19:42 | 政治
 金融庁が、年々進んでいる長寿化に伴って、退職後に95歳まで生きるのに公的年金などだけでは夫婦2人で毎月約5万円の「赤字」が続き、2000万円が不足するといった試算を出した。もちろん誰もが腹を立てるような報告書ではあるが、すでにこのままの年金制度では財政が破綻すると誰もが気づいているので、逆にありがたかったと思う意見もあろう。問題はこれを機に資産運用を促しているという点にある。

 資産運用は経済が順調ならば、ある程度のリスクはあろうがうまくいく可能性が高い。しかし今後の経済状況は予断を許さないという意見も多く聞かれる。経済の先行きが不透明であるからタンス預金が増え、お金が循環しないというのが日本経済の現状なのである。さらに最近は景気が後退局面に入り、このままいけばデフレに逆戻りの危険性がある。だから批判覚悟で運用を促し、経済を循環させようとしたのではないかと推測する。わたしも運用したほうがいいのかなと考えるきっかけになった。そういう刺激を与えるという意味では成功したようにも感じられる。

 しかし、これによって政府は信用を落としたのは事実である。また、麻生大臣が上から目線で語るのも嫌悪感しか抱かなかった。年金制度の維持のために、そして若い世代の人たちの未来のために国民みんなが協力していかなければならないはずだ。それを成功させるためには政府の見通しが甘かったことをまず認め、国民にあやまり、もっと具体的にわかりやすい説明をして、国民の信用を取り戻すことが必要でる。

 安倍政権はなんの説明もしないで、雰囲気だけでやり過ごそうとしている。姑息な手段にしか見えない。
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最近の安倍政権の外交は失敗つづき?

2019-06-09 06:46:41 | 政治
 安倍政権はなんだかんだと言われながら長期政権となった。様々な点で腹が立つことがあったが、当初外交だけは一生懸命やっていたように感じられた。日米の同盟関係を基軸として、中国や韓国に対しても毅然と対応し、ロシアとも積極的に交流し、うまくいっているように見えた。しかし最近、この外交面での失敗が目立つ。

 一番の失政は北方領土問題である。安倍総理は4島返還から2島返還容認に大きく方向転換した。それはそれで平和条約を結べると思ったからである。4島返還に固執する方々からは反論もあるだろうが、もしロシアとの平和条約が締結できるならば大きな成果だと言ってもいい。しかしそうはならなかった。完全にロシアにやられた形だ。安倍総理はプーチン大統領に完全に騙されたのである。

 北朝鮮問題も心配だ。「対話より圧力」と偉そうに言っていた安倍総理が、何の説明のないまま対話路線に変節したのだ。安倍総理は北朝鮮に強硬態度をとることで国内の人気をとってきたのであるがそれを変更した。そこに何があるのか。トランプ大統領と同じように、金正恩と会談することで人気をとろうとしているようにしか思えない。

 トランプ大統領来日のパフォーマンスも情けない。日米同盟の強固さを示したという意味ではよかったのかもしれないが、日本とアメリカは一心同体であることを示したことになり、逆に中国やロシアを敵に回しただけになってしまった。さらには貿易に関する密約があることも明確になってしまったのだから情けなさしか残らない。

 日本は軍事力をアメリカに頼っており、アメリカの言うことを聞かざるを得ない。だから外交は本当に大変である。しかし昨今の外交は安倍総理の身勝手さが目立ち始めているような気がしてならない。長期政権になりみんなが安倍総理に「忖度」し始めたのではないか。

 果たして安倍政権の外交は正解なのか、しっかりと見極めなければならない。

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「地球上の『旅人』」を授業でどう扱うべきなのか

2019-06-06 19:20:34 | 国語
 三省堂の現代文Bの教科書『精選現代文B改訂版』を使っている。やさしめの教科書である。その一番最初にヤマザキマリさんの「地球上の『旅人』」という随想文が出てくる。この教材がどう扱うべきなのか悩んでしまった。とらえどころがない文章なのである。

 ヤマザキマリさんは漫画家で『テルマエ・ロマエ』の作者の方だという。こどものころに渡り鳥や『ニルスの不思議な旅』にあこがれ、旅への願望が増長し、さまざまなところを旅する生活を続けてきた。実際に旅をしなくとも、白い紙の上で、さまざまない場所に暮らすさまざまな人々を、過去と現在を混ぜ合わせながら描き出してきた。絵を描くことで時空を旅し続けたのである。

 そして最後にこう言う。

 「地球という、本質的には辺境などどこにもない、水と土でできている惑星の上に、たくさんの多様な生き物たちと同様に、人間という動物である自分が生きているということの、いたってシンプルな確認。そして、旅人である限り、どこへ行っても〝よそ者の傍観者〟であり続ける緊張感のもたらす心地のよさ。帰属を問われない透明人間でいられることの気楽さ。」

 この文章から何を学べばいいのだろう。読解するほどのむずかしさはない。共感すべき内容でもないし、批判すべき内容でもない。

 ヤマザキマリさんに興味のある人ならば、この人はこういう体験をして、こういう考え方でいるのかと読む価値があるかもしれない。しかし、この教材にはそれ以上のものはない。この教材を教科書の一番最初に持ってくる意味がわからない。

 もしこの教材を用いるとすれば、地域社会に生きることの意義を語る文章とともに単元を構成し、グローバル社会について考えてみるとか、想像力について考えさせる評論や小説の導入として用いるなどの工夫が必要である。

 この教材は茂木健一郎氏の「最初のペンギン」と単元となっており、指導書では、
「新年度の最初の単元で両教材を取り上げることには、これからの学習に向けての意欲的なメッセージとしても行こうな素材となるであろう。」

 と単元設定の狙いを紹介している。この単元設定には論理がみられない。
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引きこもりを容認しすぎていいのだろうか?

2019-06-04 17:21:11 | 社会
 川崎の殺傷事件はあまりに衝撃的だった。このニュースの直後引きこもりに対する非難が大きくなった。しかしその後、引きこもりを悪く言うなとか、引きこもりに対する支援を大切にせよとか、引きこもりをやさしく扱う言論を耳にするようになったきた。どちらの意見もわかるのであるが、冷静な意見になっていない。これは二項対立の問題ではない。状況や条件を整理して感情的な意見にならないようにしなければいけない。

 基本的にはやはり引きこもりを容認してはいけないと思う。もちろん引きこもりすべてが悪いわけではない。引きこもりの中には発達障害や、幼児期のトラウマなどによってそうならざるを得なかった事情の人も多くいる。しかし、最近の引きこもりは単なるわがままの延長であるケースが多いように思う。

 今はインターネットがあれば部屋の中だって十分楽しく生きていられる。オンラインゲームは飽きることがない。わざわざストレスのたまる社会に出たくない。親が何か言ってきたら反抗すればいい。だれもが感じることであろう。さらには核家族化が進み、しかも片親の家庭が増えたため、子供がひとりで過ごす時間が増えている。一度自由を得た子供はその自由を奪われまいと必死になる。昔と違って引きこもりになる条件がそろいすぎているのだ。

 このような「わがまま引きこもり」は増加しているはずである。このような生き方を容認してはいけない。

 今回の事件の犯人は許すべからざるというのは当然であり、彼を非難する感情的な発言が出てもしょうがないはずである。

 一方、引きこもりを抱えた家族の苦労も深刻である。これが深刻になる理由は相談しにくいからである。いくらきれいごとを言っても、引きこもりの原因は家族にあると誰もが考えてしまう。それを一番感じるからこそ他人には相談しにくいのだ。だれかに相談しろと偉そうに言う人は、他人の痛みを感じ取れない人でしかない。

 今回文章にしてみて、私自身まだうまく整理できていないことが分かった。ただ言えることは、私たちは議論を楽しんではいけないということだ。それぞれのケースの事実を見つめることが必要である。そしてそれぞれのケースを自分のこととして感じることが大切である。他人の痛みを自分のこととして感じる人間性を育てることこそ必要なのではないだろうか。
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『朝日ぎらい』を読みました3

2019-06-02 10:24:30 | 読書
 知能と政治的態度の相関についておもしろい研究データを紹介している。オーストラリアの心理学者の研究の結果である。

① 12歳時点の数学能力と言語運用能力は、17歳時点の「リベラル」度と強い相関関係にあった。逆にいうと、数学能力と言語運用能力の低い子どもは、5年後に権威主義的である傾向が強かった。
② 12歳時点で知能の高かった子どもは、パーソナリティの5大因子のうち「経験への開放性」と強い相関関係にあった。知能の高い子どもほど、新奇なアイディア、価値、感覚に対して柔軟だった。また12歳時点で知能の高かった子どもは、17歳時点で宗教的価値をあまり重視していなかった。

 このことから、数学能力や言語運用能力の高い、高学歴の朝日新聞を読むインテリ層はリベラルになりやすく、学力の低い層が保守的になりやすいことが伺える。そしてそういう保守層は新聞よりもネットとのつながりが高くなるのであろうと予測できる。ネットの世界は右翼的な保守派のほうが強く、反朝日傾向が強くなるというのは納得できる。

 トランプ支持層も低学歴であることが紹介されている。低学歴層は、能力主義を推進するリベラルな政策を嫌い、トランプを支持するのだ。

 最後に筆者は重要な指摘をする。結論部分を引用する

 そう考えれば、リベラルが“知的”で“良心的”な理由がわかるだろう。彼らは高い知能によって「良心」を利己的に使う方法を知っているからこそ社会的・経済的に成功し、だからこそ嫌われるのだ。

 リベラル層は確かに正しいことを言う。しかしその「正しさ」の陰に、知らず知らずに自分のために理屈を作り上げてしまっているように見える。事実としてそういう部分もあるだろうし、そういう思い込みもある。しかしインテリ層が胡散臭いと思われているのはまぎれもない事実である。

 学校の教員が嫌われるのもこのためであり、モンスターペアレンツが生まれるのも胡散臭い教員の理屈に打ち勝つためには強硬な態度をとらざるを得ないからなのだ。

 まとまりのない振り返りになったが、『朝日ぎらい』は学ぶところが多く、そして学んだことをもとにたくさんのことを考えさせられた。
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