岸田首相がここに来て所得減税を検討するように与党に指示したという。すでに予算は膨れ上がり、これもまた国債頼りの政策であろう。財政規律はもはや死語となり、金銭感覚が麻痺している状態である。
すでに防衛費の大幅な増額や、少子化対策費の増額など、予算は目いっぱいを通り過ぎている。ガソリン価格の上昇に対する補助も相当の金額だ。これ以上予算を増やせば、次の世代に大きなつけを残すのは明白である。結果的には少子化対策など考えていないということだ。
誰もが気付くようにこれは選挙対策である。例のごとくこのばらまき予算を手に解散する。「この予算を認めるか、認めないかを国民に問う」としらじらしい言葉を吐き出す岸田首相の姿が想像される。
安倍首相以来、この国の政治は強者のための政治となってしまった。資本主義国家とはこういう国だったのかと改めて思い知らされた。力の持つ者だけがすべてを手に入れ、力のないものは黙らせられる国だ。長いものに巻かれるしか生き残れない国なのだ。
何もしない人間が黙らされるのならいい。しかし一生懸命に働きながらも力がないから無視されるような国であってはならない。
岸田首相は風呂敷を広げすぎている。目先の利益だけでなく、大きな視野で政治を行うことを願う。