世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

ワット・アルン

2017-09-18 08:01:30 | バンコク

ワット・ポーからチャオプラヤー川対岸のワット・アルンへ向かった。チャオプラヤー川を渡る手前の桟橋から、すでに大仏塔が目に入る。本堂の入り口は、左右にヤックが立ち寺院を守護している。その本堂の切妻は陶磁で装飾がなされている。菊であろうか百花繚乱である。ここに本尊が鎮座するが、台座の中にはラーマ2世の遺骨が納められているとのことである。大仏塔であるが、創建時の高さ16mの仏塔をラーマ3世が、75mの高さに改築したという。破壊神シバが住まうカイラス山をかたどっているとの伝承である。壁龕にはエラワンに騎乗したインドラ神を見ることができる。写真のように仏塔は陶磁器で装飾されており、ラタナコーシン朝の権力と財力をうかがうことができる。ワット・アルンは別名で暁の寺である。日の出の太陽が、これら陶磁器の装飾物に当たり、陽の光が反射する様は、さぞすばらしいことであろう。そのような光景はまだ見ていない。

 

 


東南アジア陶磁の名品展・町田市立博物館:#1

2017-09-18 06:33:30 | 博物館・東京都

東南アジア陶磁の名品展が、町田市立博物館で開催されており、過日展観のために訪れた。幸いにも写真撮影OKとのこと、展示陶磁数は170点を越えており、近年まれな展覧会であった。今般、それをシリーズで紹介したい。実は、観る前に密やかな望みがあった。何れも町田市立博物館の蔵品である。1点目は、写真の町田市立博物館名品展図録掲載の安南・青磁蓮花双魚文鉢・14世紀を、この目で観たいとの望みである。

写真がそれであるが、残念ながら出展されていなかった。北タイの印花双魚文のルーツは、中国よりも西方の匂いがすると従来考えていたが、種々調査すると、大家が述べられている龍泉の影響かどうかは別として、中国の影響が濃厚に感じられるようになってきた。その中継点である安南の双魚文の詳細を観察する、またとないチャンスであった。う~ん、見込みの写真が図録に掲載されていないので、詳細が分からない。現物の出展もない、残念であった。

長谷部楽爾著「インドシナ半島の陶磁」掲載の写真と、それを基におこしたスケッチである。これも写真の解像度が低く、文様の詳細が分からず、現物を観たいと思っていたが、残念ながら当該盤も展示されていなかった。魚体が骨格を表しているのか?周囲の〇文に合わせて骨らしき筋が対応しているのか? 更にはこの盤が、本当にサンカンペーンなのか、多少の疑問を持っていただけに、現物が見れなかったのは残念である。

次回より展示品をシリーズで紹介する。

                         <続く>