東南アジア陶磁の名品展が、町田市立博物館で開催されており、過日展観のために訪れた。幸いにも写真撮影OKとのこと、展示陶磁数は170点を越えており、近年まれな展覧会であった。今般、それをシリーズで紹介したい。実は、観る前に密やかな望みがあった。何れも町田市立博物館の蔵品である。1点目は、写真の町田市立博物館名品展図録掲載の安南・青磁蓮花双魚文鉢・14世紀を、この目で観たいとの望みである。
写真がそれであるが、残念ながら出展されていなかった。北タイの印花双魚文のルーツは、中国よりも西方の匂いがすると従来考えていたが、種々調査すると、大家が述べられている龍泉の影響かどうかは別として、中国の影響が濃厚に感じられるようになってきた。その中継点である安南の双魚文の詳細を観察する、またとないチャンスであった。う~ん、見込みの写真が図録に掲載されていないので、詳細が分からない。現物の出展もない、残念であった。
長谷部楽爾著「インドシナ半島の陶磁」掲載の写真と、それを基におこしたスケッチである。これも写真の解像度が低く、文様の詳細が分からず、現物を観たいと思っていたが、残念ながら当該盤も展示されていなかった。魚体が骨格を表しているのか?周囲の〇文に合わせて骨らしき筋が対応しているのか? 更にはこの盤が、本当にサンカンペーンなのか、多少の疑問を持っていただけに、現物が見れなかったのは残念である。
次回より展示品をシリーズで紹介する。
<続く>
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