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タイで最近窯址が発掘された

2021-05-02 13:53:59 | 窯址・タイ

過日、バンコク大学付属東南アジア陶磁館のHPを覗いていたら『約700年前のノッパカオ窯(เตานพเก้าว์:タオノッパカオ)が、ワット・パー沼地遺跡の森で画期的に発見された』との記事が掲載されていた。

記事によれば、”ピチット県の遺跡『ワット・パー沼地』で約700年前のノッパカオ窯がほぼ完全な状態で発掘された。タイ芸術局第6支所(在・スコータイ)のPrateep Pengtako氏は、2021年度に北部地域の考古学プロジェクトを実施したと述べた。ピチット県ポータレー郡のワット・パー沼地で寺院が隣接する林の中で、スコータイ王朝時代の古い窯が5基以上存在していた。

(場所はピチット県南部)

(グーグルアースにบึงวัดป่า・ブン・ワット・パーと打ち込むと上掲写真の位置が表示された。周辺に寺院は見当たらない。別の場所かとも考えられるが、写真の場所は環濠集落の跡地のようにも見える。何かありそうだ)

褐色釉と無釉の陶器が焼成され、窯は一般的にクロスドラフトキルン(横焔式単室窯)と呼ばれる穴窯である。炉壁はシリカの堆積物が溶けていた。

傾斜角は10-30度で窯体は北東ー南西軸に配置され、長さは6.5m、最大幅2.5mの粘土で構築されていた。時期は約700年前のスコータイ朝初期とされている。現在の表面レベルから2mの深さに焚口兼焼物搬入出口、燃焼室、そして障焔壁と焼成室、煙突は直径0.7mであった。燃焼室には継続的な加熱の痕跡が見つかり、多くの破片も出土した。将来、覆屋を設けると云う。”・・・以上である。

写真を見ると、いわゆる穴窯であるが、地上式か地下式ないしは半地下式か記述されていない。焚口が現在の地表レベルから2mの深さであったこと、写真を見ると地層がクッキリと現われ、それが周囲に続いており、乱れがないことから地下式のまさしく穴窯であっうたと思われる。尚、当該焼成窯について、地域の伝承の有無や古文献への記載の有無については、記事はなにも述べていない。詳しく知ろうと思えば第6支所に尋ねる必要がある。

ピチットはピサヌロークから南下1時間である。次回訪タイ時のテーマが一つ増えた。

<了>


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