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最終回・未見の北タイ諸窯

2021-08-22 07:24:08 | 窯址・タイ

<続き>

タイ芸術局第7支所が掲げていたランパーン県諸窯はトゥンタオハイ、スームガーム、ハンチャート、バーンメーターの4箇所である。このうちトゥンタオハイ古窯址については既に紹介した。今回は残り3箇所について記す。

【スームガーム】

1987年、ランパーン職業訓練大学のSunee Siripanich氏とTirasak Wongkamnan氏により報告された。スームガーム郡スームサイ地区のBan Mae Hadで一つの粘土構築の横焔式単室窯(クロスドラフトキルン)いわゆる穴窯が発見された。そこはWang川にそそぐMae Rimと呼ぶ小川のほとりである。

そこから黒褐釉の焼物が発見され、それらはトゥンタオハイ窯の焼物と似ているが、窯の形状はややことなっていた・・・と、報告されている。

このBan Mae Hadの位置が分からない。Google Earthはもとより、手元のタイ北部17県の詳細地図からも抽出できない。さいわいタンボン(地区)役所の所在は分かるので、場所を確かめることは可能であろう。

【ハンチャート ?】

ムアン(ランパーン)郡のBan San Klang Bo Heow、そこはランパーン市街中心部からハンチャートに向かい6kmの地点で、小川に近いい小さな貯水池の畔に在る。物原に釉薬つきの多くの破片や窯壁を見ることができる。但し正確な窯址の位置は分かっていない。

焼物は暗褐色や黒釉の陶磁で、ランパーンの他の2つの窯と似ており、甕、二重口縁壺、盤、鉢、動物肖形であった。そこには多くの青磁の破片が物原に捨てられていた。黒褐釉やパヤオの焼き物の如きオリーブグリーンの青磁片であった。盤はサンカンペーン同様、口縁と口縁、高台と高台を重ねる重ね焼きで、口縁と高台は無釉である。

高台は低い。特有の小さな耳付、耳なしの壺は重く、暗い器胎である。また大きな壺は様々な形がある。

得られている情報は以上である。ところで、このBan San Klang Bo Heowが、第7支局が云う【ハンチャート】に該当するかどうか不確かである。このハンチャート古窯の品物は見た経験がない。

【バンメーター】

場所が判然としない。Google Earthには、役場の位置を示しておいた。

これ以外に、未見の北タイ諸窯として、メーホンソン県クンユアム郡に【フェイナムユアク窯】が存在し、ビルマ・シャン州の焼物と同類とのことだが詳細不明である。

以上、未見の北タイ諸窯として4回にわたり記事にしてきた。ランパーン県の窯については、訪問の可能性はありそうだ。

<了>



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