<続き>
第二部 渡来人
渡来人とは何か
第一部の出典展示物の紹介を終え、今回から第二部である。先ず『渡来人とは何か』とのテーマで、主として奈良・新沢千塚126号墳出土遺物を中心に紹介する。
この渡来人埴輪については、過去記事にしたが、今後関連記事をUpDateしたいと考えている。
これは、熊本県氷川町物見櫓古墳出土の金製垂飾付耳飾りである。鎖を有しており、大伽耶の特徴を示している。
以下、奈良・新沢千塚126号墳出土遺物である。小型の長方形墳で被葬者は中国東北部あるいは朝鮮半島から渡来した女性であろうとされている。日本書紀は5世紀に女性の貴人が渡来したとの記載はないが、交流は活発であったので、記録に残らない貴人の来朝があったと考えられる。
金製垂飾付耳飾り:大伽耶の特徴を示している
166・銀製釧 167・金製指輪 168・金製螺旋状指輪 169・銀製指輪
170・金製歩揺 171・硬玉勾玉 172・金製空玉 173・銀製空玉
174・ガラス小玉 175・金箔入りガラス丸玉
以下、今回の展示はなかったが、新沢千塚126号墳出土品である。
銅製火熨斗(アイロン)
金製方形板
ガラス碗
ガラス皿
新沢千塚126号墳出土のガラス碗は、東京理科大の蛍光X線分析では、ササン朝ペルシャとされている。これと似た碗が先に紹介した陜川玉田(きょうせんぎょくでん)M1号墳出土のガラス碗とほぼ同一であり、新羅・金鈴塚出土のガラス容器に似ている。やはりペルシャ→新羅→伽耶→倭のルートで将来されたものと思われる。
ガラス皿は、ラスピラズリを思わせる濃紺の容器で、まさに貴人のもちものであった。
<続く>
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