世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

野見宿祢神社

2020-06-03 08:02:26 | 古代出雲

『日本書紀』垂仁天皇二十八年と三十二年条に、埴輪の創始伝承がある。出雲の土部(はじべ・土師部)を率いて来、埴輪を作らせた野見宿祢が、土師連の姓を賜り大王の喪葬もつかさどることになったと云う。

また怪力の持ち主でもあったようで、當麻の蹴速を投げ飛ばしたとの伝承も残る。その野見宿祢は出雲に生を受けたとの伝承で、出雲大社境内に『野見宿祢神社』が鎮座している。

尚、野見宿祢は天穂日命の13世孫とされ、現出雲国造家の祖先にあたる。出雲大社境内に鎮座する由縁がお分かりいただけたものと考える。

それにしても場所が分かりにくい。表参道を西に外れた小路の脇に鎮座していらっしゃる。近年、白鵬・日馬富士が土俵入りを奉納したようだ。

<了>

 


奉納山より佐比賣山と薗長浜を望む

2020-06-02 06:59:47 | 出雲國風土記

過日、七十有余年にして初めて奉納山に登ってみた。登るというよりも、狭いながら車道が通り頂上には駐車場があった。奉納山は出雲国風土記所載の杵築御崎に位置している。

新羅三埼から八束水臣津野命が、杵築御崎を国引きした舞台である。そこからは、真下に薗長浜(国引きに用いた綱)と杭にした佐比賣山(三瓶山)が遠望できるはずである。頂上に立つとその通りであった。

弓なりに見える浜が薗長浜、遠方の山塊が佐比賣山である。何とも雄大で古代の人々は、小高い山に登り国見をしていたと想像できる。

奉納山から少し離れているが道の駅には、八束水臣津野命が国引きをしたレリーフと云うより巨大な壁面像があった。

東の方、出雲市街を望んでみた。国見の気分が何となく分かる気がした。

<了>