ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

路木ダム

2022-06-01 21:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 路木ダム

路木ダムは熊本県天草市河浦町路木の路木川水系路木川本流上流部にある熊本県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
国交省の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、路木川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、天草市河浦町への上水道用水の供給を目的として2013年(平成25年)に竣工しました。
天草では最も新しいダムです。

クレスト自由越流頂4門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスダムです。


襟が高いのが目に付きますが、あとはこれと言って特徴はありません。
いわゆる大量生産型の補助ダムと言った風。


敷地にはチェーンが掛けられ、天端はもちろんのこと駐車場にも車を入れることができません。
また、竣工記念碑やダムの説明板、銘板なども一切見当たりません。


上流面
水位が低いようにも見えますが、オリフィス直下まで水がたまりこれでほぼ常時満水位。


減勢工と放流設備
こちらも余計なものは何もない。


堤体導流壁は中段から波返しの付いた堤趾導流壁となります。


ダム湖は総貯水容量229万立米と天草2番目の大きさ。


左岸の管理事務所裏手に巡視艇が繋留されています。


上流面。


取水設備は縦樋。

着工から竣工まで民主党政権時代と重なり、とにかく公共工事が目の敵にされた時代。
こうした風潮を受けてか、竣工記念碑や銘板はおろか装飾的なものが一切見当たらない簡略かつ簡素な造りとなっています。

3183 路木ダム(1823)
熊本県天草市河浦町路木
路木川水系路木川
FNW
53メートル
169メートル
2290千㎥/2080千㎥
熊本県土木部
2013年

亀川ダム

2022-06-01 16:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 亀川ダム

亀川ダムは熊本県天草市枦宇土町の亀川水系亀川にある熊本県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、亀川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、本渡市(現天草市)への上水道用水の供給を目的として1982年(昭和57年)に竣工しました。
天草諸島では最初に建設された補助ダムです。

堤高37メートル、堤頂長110メートルの小ぶりなコンクリートダムです。
洪水吐はクレスト自由越流頂3門と自然調節式オリフィス1門を装備。
このほか利水放流管を2門備えています。



ダムの左岸を国道266号が通り、アプローチは上流からとなります。
まず目に入るのが流木除けの赤いゲージ。
手前には巡視艇が繋留されています。


洪水吐をズームアップ
赤いゲージがオリフィスの取水口
クレストの右手の建屋の下に取水設備があり、ゲートが見えます。


手前は管理用階段棟、対岸に管理事務所があります。
オリフィスの取水口が高い位置にあり、ダム穴風に流下する仕組みです。
そのため流木やゴミを避けるためのゲージが設置されています。


親柱に嵌め込まれた石板
これが竣工記念碑になるようで、もちろん文字は金箔仕様。

左岸ダムサイト下流側が展望台になっています。
広角じゃないと撮影は難しい。


利水放流設備
田植えシーズン直前ということで手前のホロージェットバブルと奥のジェットフローゲート両方から放流しています。


天端から減勢工を見下ろします。


総貯水容量265万立米は天草のダムでは最大。


天端は車両通行可能。

2676 亀川ダム(1822)
熊本県天草市枦宇土町
亀川水系亀川
FNW
37メートル
110メートル
2650千㎥/2400千㎥
熊本県土木部
1982年

都呂々ダム

2022-06-01 13:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 都呂々ダム

都呂々(とろろ)ダムは熊本県天草郡苓北町都呂々の都呂々川本流上流部にある熊本県企業局が管理する利水多目的重力式コンクリートダムです。
苓北町への九州電力苓北火力発電所建設に合わせて、熊本県企業局は1984年(昭和59年)に苓北工業用水道事業に着手、これに町内の上水道および灌漑用水の整備を企図していた苓北町が事業参加し、両者の共同事業として1989年(平成元年)に竣工したのが都呂々ダムです。
運用開始後は熊本県企業局が管理を行い、苓北町内約5000人への上水道用水の供給、都呂々川流域約20ヘクタールへの特定灌漑用水の供給、九州電力苓北火力発電所及び内田工業団地への工業用水の供給を目的として運用されています。

ダム下から
利水ダムのため洪水吐はクレスト自由越流頂3門と緊急放流管1条のみ。




そばを通る県道からダムサイトへは上流からのアプローチとなります。
ゲート左手に選択取水設備があります。


非常にわかりやすいダムの説明版。
ほかの事業者も見習ってほしいものです。


水利使用標識。


天端から見た減勢工
エンドシルは2基
左手の建屋はポンプ室で農水と上水はここから専用水路で送水されます。
一方工水はいったん都呂々川に放流されたのち下流で取水されます。
右手の建屋は放流設備。


総貯水容量は136万立米。


右岸上流に巡視艇の繋留設備があります。


天端は車両の通行ができ、脇にはユニークなモニュメント。


当時の県知事は細川さん、彼の嗜好なんでしょうか?


下流面
対岸に管理事務所があり職員が常駐しています。


左岸ダムサイトの竣工記念碑。
おなじみの金箔文字。


2984 都呂々ダム(1821)
熊本県天草郡苓北町都呂々
都呂々川水系都呂々川
AWI
41.8メートル
145メートル
1360千㎥/1160千㎥
熊本県企業局
1989年

志岐ダム

2022-06-01 08:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 志岐ダム

志岐ダムは熊本県天草郡苓北町志岐の志岐川本流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
大河がない天草諸島では古くから水源を小中小河川やため池に依存してきましたが、各河川は流域面積が小さく慢性的な用水不足に悩まされてきました。
こうした状況を打開するため、島内各所で県営かんがい排水事業が着手されました。
天草下島北西部の苓北町では1968年(昭和43年)より県営かんがい排水事業志岐地区が着手され、その灌漑用水源として1973年(昭和48年)に竣工したのが志岐ダムです。
運用開始後は志岐土地改良区(現在は土地改良区の統合により苓北町土地改良区)が管理を受託し約350ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

ダム右岸を走る県道44号本渡苓北線から
提体は毎年手入れされているようで、5月としてはきれいに整った下流面。


ダム下から
堤高36メートルと島のアースフィルダムとしてはなかなかの高さ。
縦に伸びる三本の筋にはドレーン管が埋設されています。


ダム下の底樋樋門。
今はパイプラインが通されています。


天端は車両の通行可能。


右岸の横越流式洪水吐。


アングルを変えて
上流面はロック材で護岸。


右岸ダムサイトに建つ記念碑
志岐ダムと刻されていますが、砂岩でも使ったのか?摩耗が激しく字が読めない。


上流面のロック材に鎮座する定礎石。


天端からダム下を見下ろすと
九十九折れの管理道路が続きます。


取水設備が見当たりません。
このシャフトが取水設備になるんですかねえ?


総貯水容量は80万3000立米。


2667 志岐ダム(1820)
熊本県天草郡苓北町志岐
志岐川水系志岐川
36メートル
145メートル
803千㎥/707千㎥
苓北町土地改良区
1973年