ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

高尾野ダム

2022-06-07 08:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 高尾野ダム

高尾野ダムは鹿児島県出水市高尾野町柴引の二級河川高尾野川本流にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
高松ダムは農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業高尾野地区により県内最初の農地防災ダムとして1966年(昭和41年)に竣工しました。
完成後は高尾野町が、現在は市町村合併で出水市が管理を受託し高尾野川流域約600ヘクタール弱の農地防災を担っています。

高尾野ダム左岸を通る走る市道わきに記録碑や記念碑が並びます。
かつては国道だった道路ですが、バイパストンネル完成で今は市道に格下げ、通る車もほとんどありません。




親柱の鹿児島県と建設業者である三幸建設工業の銘版。
高松ダムと全く同じ仕様。


残念ながらダムを下流から見るポイントは全くなく、写真撮影も天端と右岸ダムサイトに限られます。
ダム左岸上流側に建つ管理事務所。


クレスト自由越流頂2門とオリフィス2門を備えた流水型防災ダムです。
天端から減勢工の眺めは高松ダムとうり二つ
2門ある放流管から流入量がそのまま放流されています。 


流水型防災ダムなので貯水池も空っぽ。


右岸からの下流面
ダムサイトにダム下に下りる階段がありますが、施錠され立ち入り禁止。


天端は車両通行が可能で、軽トラなら問題なく通れます。
右岸上流側に林道が伸びており、林業等の作業用のニーズがあるようです。

ダム便覧には上流側からの写真が掲載されていますが、訪問時は草木が繁茂し上流面が見えるポイントは見つかりませんでした。
写真を見比べると、当ダム3年後に建設された阿久根市の高松ダムとは建設業者が同じで作りも酷似しています。

(追記)
高尾野ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2858 高尾野ダム(1838)
鹿児島県出水市高尾野町柴引 
高尾野川水系高尾野川 
 
 
35メートル 
95メートル 
800千㎥/750千㎥ 
出水市 
1966年
◎治水協定が締結されたダム