ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

串木野ダム

2022-06-05 18:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 串木野ダム
 
串木野ダムは鹿児島県いちき串木野市生福の二級河川五反田川本流にある農地防災目的のロックフィルダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
串木野ダムもその一つで、1971年(昭和46年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業串木野地区に建設されました。
完成後は串木野市が、その後の市町村合併でいちき串木野市が管理を受託し五反田川流域の農地防災を担っています。

余談ですが俳優の火野正平さんが自転車に乗って全国を旅する『こころ旅』
2021年12月15日放送分は串木野ダムがスタート地点となっていました。

ダム下から
堤高31メートル、堤頂長134メートルのロックフィルダムですが、近くの市来ダム同様リップラップには芝が張られ見た目はアースダムのよう。
訪問時は晴天の日曜ということで多くのファミリーがデイキャンプを楽しんいたためキャンプ場での撮影は自重しました。


右岸高台に洒落たデザインの管理事務所があります。
ダム完成当初のものではなく後に建てられたものでしょう。
屋上が展望台になっています。


管理事務所屋上からの眺め
木が邪魔でダムの眺めは今一つ。桜が多く、花の時期はいい景色になりそう。
足元の建屋はインクラインの機械室。


管理事務所横の竣工記念碑。
市来ダム同様金箔ではありません。
鹿児島の農水省補助ダムの多くでは事業説明板が設置されていますが、当ダムは見当たらず。


天端からダム下を見下ろします。
ダム下は無料のオートキャンプ場で、芝生が広がり桜が立ち並ぶ好環境。


総貯水容量166万立米で、堆砂容量16万立米分だけ貯留されています。


左岸の洪水吐斜水路。


横越流式洪水吐。


洪水吐に架かる橋は『ダム橋』
ストレートな命名・・・・。


上流から。
網場の左奥にダム穴風放流ゲートがあります。


放流ゲートをズームアップ
常用洪水吐に当たり、通常は流入量はここからそのまま放流します。


(追記)
串木野ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2866 串木野ダム(1834)
鹿児島県いちき串木野市生福 
五反田川水系五反田川 
 
 
31.7メートル 
134メートル 
1660千㎥/1500千㎥ 
いちき串木野市 
1970年
◎治水協定が締結されたダム

市来ダム

2022-06-05 12:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 市来ダム
 
市来ダムは鹿児島県いちき串木野市川上の二級河川八房川本流にある農地防災目的のロックフィルダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
市来ダムもその一つで、1970年(昭和45年)に着手された農水省の補助を受けた県営防災ダム事業市来地区により着工され、1981年(昭和56年)に竣工しました。
完成後は市来町が管理を受託していましたが、2005年(平成16年)の市町村合併により現在はいちき串木野市が管理を引き継ぎ、八房川流域約225ヘクタールの農地防災を担っています。

市来ダムは県道308号線沿いにあり、県道から堤体を望めます。
堤高41メートル、堤頂長130メートルのロックフィルダムですが、下流面には芝が張られ見た目はアースフィルのようです。


ダム下に向かうと、左手に常用洪水吐からの放流路が現れます。
普段はダム右岸にある斜樋型の常用洪水吐から流入量をそのまま放流しています。


こちらはダム右岸の洪水吐斜水路。
ダム下からは洪水吐と堤体を一望できる場所はありません。


ダムサイトに上がります。
左岸県道わきに建つ竣工記念碑。
文字は金箔ではありません。

上流面。


総貯水容量210万3000立米、うち有効貯水容量193万立米で堆砂容量17万3000立米分だけ貯留されています。


上流面に残る線路上の遺構?
どうやらインクライン跡のようですが、今はもう使われていないようです。


右岸の管理事務所と横越流式洪水吐
職員は常駐していません。


洪水吐斜水路
減勢工にはエンドシルがあります。


非常用洪水吐となる横越流式洪水吐
設計最大放流量は580立米/秒。
この裏手に斜樋型の常用洪水吐があるんですが見ることはできません。


常用洪水吐の機械室。

(追記)
市来ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2870 市来ダム(1833)
鹿児島県いちき串木野市川上 
八房川水系八房川 
 
 
41メートル 
130メートル 
2103千㎥/1930千㎥ 
いちき串木野市 
1981年
◎治水協定が締結されたダム

清浦ダム

2022-06-05 08:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 清浦ダム
 
清浦ダムは鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名の一級河川川内川水系樋脇川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて7基の農地防災ダムが建設されました。
清浦ダムは7基のダムの一つで、1974年(昭和49年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業清浦地区に建設されました。
完成後は入来町が、その後の市町村合併で現在は薩摩川内市が管理を受託し、樋脇川中下流域約200ヘクタールの農地防災を担っています。

清浦ダムは国道328号線沿いにあります。
下流からダムと正対できる場所はなく、国道から辛うじて下流面を望めるのみ。


洪水吐はクレストラジアルゲート3門、放流管を2門備えています。
通常は流入量をそのまま放流管から放流しますが、流入量が30立米/秒を越えると操作規定に則りゲート操作が行われます。


天端は車両の通行ができます。
左岸に管理事務所がありますが、普段は職員の駐在はありません。


デフレクターの下に放流管吐口
減勢工にはスリットの入ったエンドシル。


3門のラジアルゲートのうち2門が全開。


総貯水容量100万立米、うち有効貯水容量85万5000立米で堆砂容量分14万5000立米が貯留されています。


左岸管理事務所前の竣工記念碑
九州ではおなじみ、金箔仕様。


上流面
放流管は左右で放流量が異なり、それぞれローラーゲートを装備しています。
ダム操作規定により、洪水時には流入量に合わせて細かくゲート操作が定められています。


上流から遠望。
湖畔には桜が植えられ、遊歩道や東屋が置かれ親水公園として整備されたようです。
今でも桜の時期には集客があるようですが、遊歩道や東屋はかなり荒れています。


ダム湖に架かる夢かけ橋
こちらもダムに合わせて建設されました。橋自体立ち入りは問題ないですが対岸の遊歩道は廃道状態です。


ダム湖畔の国道沿いには「七福」さんというそば屋があります。
週4日、10時~2時までの営業ですが安くておいしいと評判。
大盛の天ざるに串揚げや唐揚げがついてたったの1200円。


 (追記)
清浦ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2867 清浦ダム(1832)
鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名 
川内川水系樋脇川 
 
 
38.1メートル 
66.5メートル 
1000千㎥/855千㎥ 
薩摩川内市 
1974年
◎治水協定が締結されたダム