ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

御手洗ダム

2022-06-06 22:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 御手洗ダム

御手洗ダムは左岸が鹿児島県出水市野田町上名、右岸が同市高尾野町下高尾野の二級河川高尾野川水系御手洗川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
御手洗ダムは、農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業御手洗地区により、1982年(昭和57年)に竣工しました。
管理は出水市が受託託し御手洗川流域約280ヘクタールの農地防災を担っています。

下流から
堤高43.4メートル以上に大きく見えます。


提体は犬走を挟んで3段構成
手前側に洪水吐があります。


右岸の洪水吐。


横越流式洪水吐。


竣工記念碑。
金箔文字ではありません。


こちらは上流面
ぱっと見下流か上流かわからない。


天端から見た洪水吐。


総貯水容量は118万立米。
防災専用ダムのため、貯留はせず流入量はそのまま放流します。
堤体は川の流れに平行に近い角度で作られたため、貯水池は堤体に対して斜め上流方向に続きます。


こちらが放流ゲート
平時は流入量はここからそのまま放流されます。


天端は車両の通行は可能ですが、右岸に車幅規制があり軽や小型車だけが通り抜けられます。


左岸の管理事務所
職員の常駐はありません。
手前は今回お世話になったレンタカーのヴィッツ。


(追記)
御手洗には農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2871 御手洗ダム(1837)
左岸 鹿児島県出水市野田町上名 
右岸      同市高尾野町下高尾野 
高尾野川水系御手洗川 
 
 
43.4メートル 
160メートル 
1180千㎥/1140千㎥ 
出水市 
1982年
◎治水協定が締結されたダム

嶽ダム(再)

2022-06-06 13:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 嶽ダム(再)

嶽ダム(再)は鹿児島県出水市野田町上名の高尾野川水系野田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
もともと当地には『大溜池』と呼ばれる農業用溜池がありましたが、受益面積に対して貯水量が小さい上に漏水も多く、安定した灌漑用水源が求められていました。
1984年(昭和59年)に農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業嶽地区が着手され、大溜池を再開発し2003年(平成15年)に竣工したのが嶽ダム(再)です。
運用開始後は野田町が管理を受託していましたが、2006年(平成18年)の市町村合併により出水市が管理を引き継ぎ約220ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

嶽ダム(再)は鹿児島県出水市野田町上名の高尾野川水系野田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
もともと当地には『大溜池』と呼ばれる農業用溜池がありましたが、受益面積に対して貯水量が小さい上に漏水も多く、安定した灌漑用水源が求められていました。
1984年(昭和59年)に農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業嶽地区が着手され、大溜池を再開発し2003年(平成15年)に竣工したのが嶽ダム(再)です。
管理は当初は野田町が、その後の市町村合併で出水市が受託し約220ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

ダム下は土捨て場として盛土されており、ここから見る限り堤高29.7メートルもあるとは思えません。
そのダム下は東屋があり公園になっています。
定期的に草刈りは行われているようですが、公園として利用されている風には見えません。


右岸の洪水吐斜水路
写真ではわかりづらいですが、減勢工に向って左手に放流口からの水が流れ込んでいます。


右岸のダム中段にある放流設備
取水設備からの水はここから洪水吐減勢工に放流されます。


右岸ダムサイトの竣工記念碑。
ピカピカの金箔。


ダム下のみならずダムサイトも公園として整備されました。
右岸に展望台がありダムを俯瞰できます。
このアングルはいい。


横越流式洪水吐の横手に管理事務所があります。


天端は徒歩のみ通行可能。


横越流式洪水吐。


リップラップを真横から。
ってダム便覧ではアースフィルダム。
ロックじゃね??


貯水池は総貯水容量92万3000立米。


右岸の斜樋と艇庫
斜樋の建屋も植物に浸食されつつあります。


上流面もロック材で護岸
こちらは草のみならず、松の木が伸び始めています。

提体の断面図等の説明板がないので何とも言えませんけど、ロックじゃね?

2883 嶽ダム(再)(1836)
鹿児島県出水市野田町上名 
高尾野川水系野田川 
 
 
29.7メートル 
163.8メートル 
923千㎥/903千㎥ 
出水市 
2003年

高松ダム

2022-06-06 08:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 高松ダム
 
高松ダムは鹿児島県阿久根市鶴川内の二級河川高松川本流にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
高松ダムは7基のうち2番目に古く、1969年(昭和44年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業高松地区によって建設されました。
管理は阿久根市が受託し高松川流域約200ヘクタールの農地防災を担っています。

事前情報ではダム下への道路は立ち入り禁止と思われたんですが、入口に規制はなくダム下まで到達できました。
クレストには非常用洪水吐の自由越流頂2門、常用洪水吐として放流管2門を備えています。
通常は流入量を放流管からそのまま放流する流水型防災ダムです。


スリットの入ったエンドシル。


ダムサイトの竣工記念碑。
農水省の補助事業ではよく見られる事業説明板は見当たりません。


事業者の鹿児島県及び建設業者の三幸建設工業による銘板
あまり聞きなれない建設会社ですが、中堅ゼネコンのようです。
同じタイプの銘板は3年前にに完成した高尾野ダムの親柱にも嵌め込まれています。


天端から
2門ある放流管から流入量がそのまま放流されています。


流水型防災専用ダムのため通常はダム湖には水は溜まりません。
総貯水容量120万立米、うち堆砂容量7万4000立米です。
貯水池内には道路があり、ダムで捕捉した流木や塵芥はこの道路を使って除去するようです。


天端は車両通行可能
左岸に管理事務所がありますが、職員は常駐していません。


貯水池への立ち入りについて特に規制はなく、上記貯水池内の道路を使ってダム直上まで接近できます。
こちらから見るとゲート配置がよくわかります。


ゲートは放流管の予備ゲートで、洪水時も閉めることはないようです。


ゲートの吞口がちょうど堆砂面となります。
農地防災ダムでよく見られる流木や塵芥防止用のゲージはなくゲート手前に流木が山積みになっています。


(追記)
高松ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2862 高松ダム(1835)
鹿児島県阿久根市鶴川内 
高松川水系高松川 
 
 
37メートル 
60メートル 
1200千㎥/1126千㎥ 
阿久根市 
1969年
◎治水協定が締結されたダム