朝、携帯に不在着信の履歴が。
娘からの電話だけど、かけてくるには変な時間帯。
代休なのかとこちらから発信しても出ない。
出勤しているなら忙しい真っ最中にかけてくるはずないし、
もしも急用ならばかけなおしてくるはず。
じりじり待つこと数分。
かけなおしても通じない。かかってもこない。LINEも未読。
これは絶対なにかあった。
それから30分ほど経ってから、
「事故の目撃者で警察にいる。私は何もしてないから安心して」と、
短いメールが届いた。
予知能力あるな、私は。
さらに1時間ほど経ち、やっと着信あり。
目の前で登校中の小学生が撥ねられたそうだ。
交差点で娘は左折、子供たちが横断歩道を渡り終えるのを待っていたら、
反対車線? の車が赤信号を止まらず、そのまま子供を撥ねた。
み:「それであんたはどうしたの?!」
娘:すぐに車から降りてその子のところへ行ったら、脚をやられているのがひと目でわかった。
「それで?!」
まずは救急車の手配をと119番通報。
「警察は?!」
警察は救急車を手配した時点で無線かなんかで通じてるはずだから。
「それから?! それからどうした?! 」
コートをかけてあげた。
「え?! あんた自分のコート脱いでか?!」
うん、脱いだ。
「って、寒かったでしょ?! 」
うん、寒くてぶるぶるだったけどかけてあげた。
「それからどうした?!(ちょっと半泣き)」
親の番号訊いて電話した。
「親に連絡もしたのか?!」
うん。だって、周りの人みているだけなんだもの。
通報してから10分ほどで救急車が到着、親御さんも警察もその直前に到着、
娘は目撃者&通報者ということで署まで同行。
撥ねた車の運転手はその場で現行犯逮捕。
まぶしくて信号が赤なのが見えなかったらしい。
「コートは? コート。返ってきたか?」
うん、救急隊の人が返してくれた(笑)。
娘は薄着なんです。
アパートの部屋から職場まで移動は車、外を歩く距離はほんのちょっとなので、
そんな薄着で大丈夫なのかと怒りたくなる服装で、ひょいとコートを羽織って出ていく。
よく脱いでかけてあげたと、話を聞いている時も、電話を切った後も、
何度も思い出しては泣けてきてしまいまして。
自分の寒さや、コートに血がつく汚れることよりも、
氷点下の凍った路面に横たわる子供を守ることをぱっと選んだ娘。
当たり前のことといえばそれまでだけど、
人として当たり前のことをできる人間に育ってくれていた。
娘は気付いていないはず。これってすっごい親孝行なんだがな。
って、私の腰の看病にはきてくれないんだな、これが。
まぁ看病ってほどでもないですけど。
腰は順調です。
あー走りたい!!