毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

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2020-04-29 23:43:43 | 本 3

 

しばらく放置していたこのシリーズ。

家にいる時間が長く本を読む時間がいっぱいあった。

いっぱいあったのに冊数はほんの少し。

なぜならば、キングにえらい時間がかかってしまったのだ。

待望のキングだったのに進まない進まない。

投げ出してしまうと私とキングとの関係が崩れてしまいそうだし、

ファンとしての意地というか抱く想いもあるわけだし、

ああ、慢性肩こりみたいなキング本でした。

 

 

 心霊電流 上/スティーヴン・キング 峯村利哉訳

「そうそう。ボールを転がしてバットに当てないと、攻守を交代できないんだよ。少年、君の名

 

 

 

 心霊電流  下/スティーヴン・キング 峯村利哉訳

ようとする小学生みたいだった」

 

いつものキング本のような二段組ではないのだけれど長い長い。

ぐだぐだのキング節は少ないのだけれど、それでも長かった。

帯にかかれているような絶対恐怖もそれほどでもないし(私の感受性の問題かもしれないが)、

悲しみと恐怖で心は破けなかったし。

ところどころにやっぱりこれはキングだなはあったけれど、

昔の、以前のようなキングを読むときのわくわく感がどんどん薄れていくのは私のせい、

それともキングと時代のマッチングのせい?

ただ今回は邦題が個人的に気に入りました。

心霊電流。中田ヤスタカっぽいぞ。

原題はREVIVAL、復活ですね。

このごろREのつく言葉を目にする機会が多い。

ちなみに恒例というか、

 

 

 

 

キング本をつなげてみるとこうなりました。

図書館本。

図書館がコロナ感染防止のため休館中で、返却期日が来月で助かりました。

 

 

 

 

 国語教師/ユーディット・W・タシュラー 浅井晶子訳

っと昔のことじゃないか。君に再会するのが本当に楽しみだよ!!

 

ドイツ推理作家協会賞受賞作。

ダークホースというか、これはミステリとよんでいいのか?

残虐性も殺しも暴力もないけどミステリなのね。

構成が面白いし、語られる物語も面白い。小川洋子さんを連想してしまった。

結末はどうなるのかと期待したけれど、私としてはそっちに行くのかが感想。

これは恋愛小説だったのか?

にしても、なかなか読ませてくれる一冊でした。

 

 

 

 日日雑記/武田百合子

 子供のころ、雪が霏々と降る、という言いあらわし方を、雪がヒイヒイ声をあげて

 

何年越しだろ。数年前に買い数ページで移り気になり、そのままになってしまっていた。

この機会にと棚から取り出し読み始めたのだけれど驚いた。

ひとつは、絵画というか写真というか、見えているもの風景情景をすぱっと切り取り言語化している。

その巧みさは只者ではない。これが有名な武田百合子さんの文章なのかと感嘆。

驚き二点目は、これはどこかで読んだことがある、川上弘美さんの書く文にそっくりなのだ。

そうか、私の大好きな川上弘美さんの「東京日記」は武田さんの「富士日記」のオマージュだったのかと気が付いた。

 

 ある日。

 一億円を拾った大貫さんが、久しぶりにテレビに出た。大貫さんの家には、大貫さ

んの家にありそうだなと納得のいくもの(大貫さんが好きそうなもの飾りそうなもの)が、

全部飾ってあった。例えば、イタリア産の酒(藁のハカマをはいている。空の瓶)。

大理石風のテーブル。革風のソファ。金色の位牌。魚拓。私は何故か、

よその家に行って魚拓が飾ってあるのを見ると、その家の主人がいい人のような気がする。

と同時に、ちょっと、がっくりとなる。

                            日日雑記より一部抜粋

 

東京日記をご存じの方にはわかると思います。

こういうからくりだったのか。さすが川上さん。

ちなみにこちらが川上弘美さんの東京日記。お試しあれ。

本家富士日記もいずれ読んでみたい。

 

 

以上、286回目でした。

 



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