★毎日1枚、自分に影響があったアルバムをご紹介するプロジェクト★
【9】 ブライアン・ブロンバーグ 「Wood」
いままでの8枚は、音楽が好きで、音楽と長く関わっている自分の音楽観に対して大きな影響を受けたものです。(もちろんゲイリー・カーについては、「コントラバスが奏でうる音の素晴らしさ」についても大きく感銘を受けました)
振り返ると自分は一応ベース弾きの端くれでして、そうであるからにはひとつくらいは「ベース弾きの自分が影響を受けた、ベーシストによる演奏」をあげてみようと思います。
いまのぼくの好きなジャズ・ベーシスト(というよりお手本にしたいベーシスト、というニュアンスの方が近いでしょうか)といえば、
レイ・ブラウン、ジョージ・ムラーツ、クリスチャン・マクブライド、ニルス・ペデルセン、ジャコ・パストリアス、、、
しかし、いろんなベーシストの名を思い浮かべるとやっぱりあの人もこの人も、ということになって、結局収拾がつかなくなるんです。ジョン・パティトゥッチ、スコット・ラファロ、チャールズ・ミンガス、ゲイリー・ピーコック、マーク・ジョンソン、バスター・ウィリアムス、ダグ・ワトキンス、デイブ・ホランド、ポール・チェンバース、ロン・カーター・・・etcetc
その中でブライアン・ブロンバーグというベーシストが2001年に発表した「Wood」というアルバムを挙げておきたいと思います。
20年くらい前のことです。
まだCDショップがあちこちにありました。
その日もいつものようにCDをひやかしていると、「ブライアン・ブロンバーグ」という聞いたことのない名前のベーシストのアルバムが目にとまりました。ちょっと考えたけれど、CD帯の「私はこのアルバムを聴いて三日間、ひざを抱えてしまいました(都内在住、某ベーシスト)」というキャッチ・コピーに7割がた惹かれ、興味本位で買ったんです。
共学でした。
いや違った、確かにぼくは共学でしたけど、この場合は驚愕でした。
よく伸びる豊かな低音。
唸り声のような、凄みのある音です。
木の感覚が伝わってくるような音色。
キャッチ・コピーどおりの、コントラバスを弾いているとは思えない驚異的なテクニックのかずかず。
なにより、グルーヴしまくりのベース・ランニングに、歌いまくりのベース・ソロ。
すべてが衝撃でした。
真似したいけどムリ。
あんなふうに弾きたいけどムリ。
でもかなり真似ようとしました。やっぱりムリでしたけどw
ベース弾きとしては、「オマエそれでもベース弾き?」と言われたような気がして、ガックリしたりその凄さに興奮したりと、テンションが上がったり下がったり情緒がひどいことになったwアルバムです。
もちろん、今でも愛聴盤です。
憧れと、「いつかはあんな風に」という願望は、ぼくの胸のうちから消えることはないでしょう。