ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

平井康嗣氏の岡山ジャズ回想録、出版へ

2016年04月23日 | Weblog~雑記
                          ♪平井康嗣氏。スー・ラニー(vocal 左上)、梅津和時(sax 左下)、エヴァン・パーカー(sax 右下)の各氏と。


【Live Information】 

 
 日本におけるジャズの特異な点のひとつに、どの町へ行っても必ずといっていいほどジャズ専門のお店があり、ディープなファンが存在する、ということがあげられます。
 音楽シーンの中におけるファンの絶対数は他のジャンルより少ないのかもしれませんが、一度その魅力にとりつかれたジャズ・ファンは、その追求のために生きるようになる、といっても過言ではないと思います。ただただ素晴らしい音を浴びることを生きがいとして。
 
 
 平井康嗣さんは、かつて岡山市野田屋町で異彩を放っていたレコード店「LPコーナー」の元店長であり、現在もイベントの企画・プロデュースなどに関わって、地元岡山とジャズとの繋がりを深めるべく地道に活動を続けています。
 ライブ会場に顔を見せることも多く、直接間接問わず平井さんの影響を受けたり、恩恵を蒙ったりした音楽ファンは、岡山の音楽愛好者の中でもかなりの割合を占めることでしょう。
 かくいうぼくも、いち地方ミュージシャンとして平井さんから何度か温かい感想をいただいたことがあり、それが今でも励みになっています。
 
 
 ぼくは倉敷市の出身ですが、高校時代、気が向くと(ある意味気が乗らないと)午後の授業をサボって、17kmの道のりを自転車で隣の岡山市へ向かい、LPコーナーを覗いて、やや背伸びをしてマニアックなレコードを物色したことを思い出します。スリー・ドッグ・ナイト、コラシアム、ブラッド・スウェット&ティアーズなど、当時ここでたくさんレコードを買いました。
 平井さんは、お店の片隅にいて、ほとんど口もきかず、鋭い視線とともに会計の時に低い声でボソッとお礼を言うだけでした(当時のぼくにはそう感じられた)が、音楽通の常連客が来た時には音楽論を熱く交わしていたことは、強く印象に残っています。
 
 
 その平井さんの、地元岡山に密着した音楽人生には、今となっては貴重な文化的財産となっている出来事も数多く、岡山市が全国の地方都市の中でもとりわけしっかりジャズが根付いた街に育った理由のひとつが、平井さんの地道な活動にあるとも言えます。
 そんな岡山ジャズ史の生き証人である平井さんの回顧録を出版し、残していこうという動きがあります。
 
 
 大手メディアが伝えることは必ずしも音楽の本質ではありません。むしろ、流行や話題に左右されず、自分たちの感じることを大切にした結果育ったものが本物の地方文化だと思います。
 その地方文化の、栄誉や賛辞とは無縁ながらも偉大な遺産のひとつであるジャズについて振り返り、伝えてゆくことは、今の自分たちの音楽をも大切にすることではないでしょうか。
 
 
 平井さんの回顧録は、クラウドファンディングで出版されます。
 主旨に賛同した方は賛助金一口2000円を出資し、本の完成にあたって一冊を受け取れる、という仕組みです。
 多くの方の賛同をいただければ、と思い、個人的にお知らせさせていただきます。
 
 
 お問い合わせは
 「平井康嗣出版準備会事務局」
 (岡山市北区表町2-5-23 ニュー表町プラザ2F ジャズ喫茶JORDAN 古川三郎 tel 086-237-2012)
 までよろしくお願いいたします。


 





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