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【Live Information】
近ごろはとんと見かけなくなったけれど、20年以上前くらいまでは、CDを買ったときに円形の薄いスポンジのようなものを付けてくれる店がありました。
「CD保護マット」です。「スポンジクッション」とか「ディスクガード」という呼び方もあったようです。
文字通りCDプレーヤーが音を読み取る側(レーザー記録面)の表面を保護するものです。
家に帰ると買ったばかりのCDケースを開き、すぐにCDの下に敷いたものでした。
1982年10月1日、世界で初めてのCDソフトが50タイトル発売されました。
史上初めて生産されたCDは、ビリー・ジョエルの「ニューヨーク52番街」だったそうです。
その後はレコード盤の代わりとして、CDがあっという間に音楽ソフトの主流になりました。
CDの生産枚数がレコードを逆転したのは1986年。この年のCD生産枚数は4500万枚で、1988年頃にはLPレコード最盛期の1億枚を超し、1992年には3億枚以上になりました。
ぼくはレコード盤からCDに移行する世の流れに抵抗感があった方ですが、「これはもうCDにシフトせざるを得ない」と観念したのが1986年頃だったと思います。
最初に買ったCDは、忘れもしないプロコル・ハルム「青い影」と、ウィントン・ケリー「ケリー・ブルー」でした。ロックとジャズを1枚ずつ選んだわけです。
その当時はCDにも耐用年数がある、という声も聞いていた記憶があります。
20年あるいは30年ほどで劣化して音が出なくなる、というものでした。
もちろん今でもその当時買ったCDは充分聴くことができますけれどね。
このCD保護マットも、CDを保護するためのものという認識だったのでなんの心配もしていなかったのですが、つい最近「このマットが劣化してCDが聴けなくなった」ということがあったことを知ったのです。
いやもうビックリ!
大事に大事にしようとして敷いていたマットがそんな状況を引き起こすなんて。。。
実は保護マットのスポンジは、長い時間を経ると劣化するらしいのです。
具体的には「加水分解」がはじまり、CDのアルミを腐食させます。すると当然CDのレーザー記録面に影響が出てしまうというわけです。
当時はまだそういうことが解明されてなかったのですね。
いやもうこれには慌てました。
すぐに棚のCDケースを片っ端から開けて、保護マットが着いていたら外す、という作業にこの数日没頭しております。
それにしてもサブスクとデジタル配信が主流になったいま、CDさえも時代遅れになりつつあるのでしょうか。
ジャケットも含めてレコードはひとつの芸術作品であり、文化です。
生き残ってほしい、と切実に願っております。
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