ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

「すみません」か「ありがとう」か

2016年05月05日 | 価値観
          ♪初対面でも、楽器さえあれば楽しく会話できるのが、ジャム・セッション。厳しいものから和気藹々のものまでいろんな雰囲気のセッションがあります。



【Live Information】 



 たとえばジャム・セッションでの演奏のあと。
 ほとんど必ず「すみませんでした」と言ってくれる方々が現れます。
 「何が『すまなかった』の?」と尋ねると、
 返ってくる答えは、ほぼ
 「下手ですみません」か、
 「失敗してすみません」のどちらか。


 「すみません」を、いわゆる「謝罪」の言葉、だとすると、
 下手なことは「悪いこと」ということになってしまう。


 下手なことや、間違えることは、「悪いこと・謝らねばならないこと」ではないです、決して。
 どんな人でも、最初は下手で、未熟で、たくさん失敗します。
 たしかに、人前で下手な演奏をするのは恥ずかしいかもしれません。
 でも、セッションなんだもん、経験不足のひとが遠慮なく出ていって、たくさん失敗すればいいと思います。
 どんどん経験を積めばいいのです。
 そのためのセッションではないですか?

 
 全力で演奏したのなら、それでいいのです。
 その時に出た音は、
 「未熟」で「悪い」音なんかじゃなく、
 「自分の課題を自分に教えてくれる」音です。


 ぼくも昔は「すみませんでした」って言ってました。
 でもそれは、今思い返すと、本当に申し訳なかったと思っていたのではなく、
 「先に謝って怒られないようにすること」か、
 「下手なことを理由に、逃げ道を作っておくこと」か、
 「頭を下げる謙虚な自分アピール」
 に過ぎなかった。


 一緒に演奏してくれた方々が、下手なことや失敗したことで怒って離れていくなら、それはそこまでの人なのです。
 たいていの人は、一緒に一生懸命演奏してくれています。
 そういう方々には、笑顔で
 「ありがとうございました」
 と言えば、それで伝わると思います。


 セッションでは、「下手」だったり「未熟」だったりする今の自分を、恐れずに出してみましょう!(^^)
 
 



  


人気blogランキングへ←クリックして下さいね
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする