ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

そんなの無理無理

2020年05月31日 | 価値観

【Live Information】


 ず~っと以前のこと。
 当時、お店のバンドの一員として演奏させてもらっていた「A」というお店での話です。
 他のライブハウスの店主(兼ミュージシャン)Bさんが、ひとりのぼくよりも少し若さそうな青年を連れてお店へやって来ました。
 「A」のマスターと3人で話しているのを聞くともなしに聞いていると、その青年は「プロのミュージシャンになるために東京へ行きたいと言っている」らしく、「Aのマスターからも何か言ってやってくれ」とのこと。
 話を継いだマスターが青年に向かって言ったことは、「やめとけ」「どうせ食えない」「東京はレベルが高いから通用しない」。
 その少しあと、ぼくは長いことお世話になった「A」から離れることになるのですが(自分からやめますと言う前に「やめてくれ」と言われましたがw)、離れようという気持ちになった理由のひとつがこれです。(もっと大きな理由が他にいくつかあったのですが。)
 Aのマスターはたしかにお店のバンドのリーダーでもありましたが、東京で活動もしたことがもなければミュージシャンとして生活したこともないのに、なにを根拠にそんなことが言えるのだろう、と不信感を持ってしまったんです。


 こういうブログを長いことやっているくらいですから、ぼくが文章をつづるのが好きであることは容易に察しがつくと思います。時々、文章についてもお褒めの言葉(まあ、「感想」くらいの軽いニュアンスですが)を貰うこともあって、それはなかなかにウレシイものなのです。
 ある週末の夜、とあるお店でくつろいでいると、偶然知り合いが数人入ってきました。
 そのまま一緒にワイワイ話していたんですが、話の流れで、「ぼくの文章はけっこう好評wだから、老後は直木賞を目指すかな~www」と冗談まじりに笑ったら、そのうちのひとり(ぼくより年配の女性)が即座に真顔で「そんなの無理無理!」と。


 先日もあるところで「無理するからダイエットは失敗すると思う。だから体重を落とすのは少しずつでいいから、無理のないやり方でやっている。」という話をしたら、これまた即座に「そんなのムリムリ」と笑われちゃったんですね。


 「自分はこうしたい」というのに対し、「どうせ無理」「やめておけ」と言う人は、自分の生き方を妨げる人、エネルギーを奪う人だと思っています。
 だれかが「こうしたい」ということに対しそれを否定するのは、おそらくその人が成功したり挑戦するのが羨ましく妬ましかったり、自分が取り残される気がするから自分やその仲間とずっと同じ世界に居てほしかったり、否定することによってその人を自分の思い通りにしようとしたり、自分の方がいろんなことが見えていることをアピールしたかったり、そんなことじゃないかな、と今では思っています。
 乱暴に言ってしまうと、そういう類の人は「足を引っ張る人」ってことでしょうか。だから、ぼくはそういう人とは心の中で距離を取ることにしています。
 「ぼくが何をやりたいか」、これはぼく自身が決めることです。
 『ぼくがなにかやろうとして失敗したからといって、あなたになにかデメリットがあるんでしょうか?』、『ぼくを自分の意見に従わせたいのかもしれないけど、ぼくはあなたから1円たりとも貰ってはないんですが?』、ってことですw


 最後の例は、まあいつもわりと言いたいことを言える間柄の人だったので、「ダイエットするのはぼくなんだからほっといてくれない? まず否定から入られるとあんまりいい気分じゃないよ」と、はっきりと、でも場が険悪にならないように言いました。すぐに「ごめんごめん」って言ってくれたからよかったです


 本気でなにかをやろうとする時にそういう否定的な言葉が聞こえてきても、一切気にする必要なし、です。
 どのみちそういうことをいう方々は、自分の言葉に責任を持って言っているわけではありませんから。


 ただ、「そんなの無理」と言われるということは、自分の気持ちがどれくらい本気なのかを試されている、とも言えると思うんです。
 「そんなの無理」と言われてあきらめるのは、その程度の決心だったということですね。
 自分にもかつてそんなことがあったなあ。
 ちょっとその頃の自分を思い出してしまって、自分の言葉が自分の耳に痛いですwww



コメント
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