アーヴィング・バーリン
【Live Information】
クリスマスが終わった。。。
やっと。
いや、クリスマスそのものがイヤなのではないのです。
いわゆる「クリぼっち」(クリスマスにひとりぼっち)だって気にならないし。(むしろ「クリぼっち」な人を笑いものにする人こそが実はクリぼっちになることを一番おそれている人なんだろうな~、と思ってヒヤヤカに笑っております)
演奏のたびに、必ずクリスマス・ソングがセット・リストにあるのがイヤなのです。
もちろんクリスマス・ソングがキラいなわけではありません。
クリスマス・ソングは、むしろ名曲佳曲のオンパレードですからね。
しかし毎年12月になると、街中にあふれかえるクリスマス・ソングの数々。
どのお店に入ってもクリスマス・ソング。
どのライブでもクリスマス・ソング。
「そんなにクリスマス・ソング好き?そんなに演奏したい?」と心の中でゲンナリすることもしばしば。
つまり、大好きなカツ丼でもステーキでも、毎日毎日出されると「食傷気味」を通り越して見るのもイヤになるのと同じ、ってことだと言いますか。(もっとも、見るのがイヤになるくらいステーキを毎日食べたことはないんですが。。。)
もっとも、自分のライブであっても結局クリスマス・ソングを全くやらないわけにもいかず。
ワガママが言える状況では、せめて「一晩に1曲だけ」とか、「イントロにクリスマス・ソングの一節を使う」とか、「曲と曲のつなぎやMCの時に、ピアノさんにさりげなく弾いてもらう」、くらいにとどめるようにしております
とはいえ自分の店では、「そうは言ってもクリスマス・イブとクリスマス当日くらいは」と思って、その2日間はレイ・ブラウンのクリスマス・アルバムと、ジョン・レノンのベスト・アルバム(「ハッピー・クリスマス」が入っている)をかけました。
ジョンのベスト・アルバムには彼の作ったクリスマス・ソング「ハッピー・クリスマス」が入っているし、ピアノで奏でる曲も多くて、とくに「夢の夢」~「マインド・ゲームス」~「ラヴ」~「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」~「イマジン」~「ジェラス・ガイ」と続く流れは、エモーショナルなジョンの歌声がとても映えて静かな夜にぴったり合う気がするんです。
『クリスマス・ソングス・ウィズ・レイ・ブラウン・トリオ』
『ジョン・レノン・コレクション』
クリスマスの曲といえば、「ホワイト・クリスマス」。
アーヴィング・バーリンが1942年の映画「ホリデイ・イン」のために作詞作曲した、ポピュラー音楽史上に残る名曲です。
1942年にはビング・クロスビーが吹き込んだレコードがビルボードのポップ・チャートで11週連続1位の大ヒットを記録しています。
この曲は数多くの歌手によって歌われていますが、そのすべてのバージョンを含めたレコードの総売り上げ枚数は1億枚を超えていると言われています。
バーリンは、アメリカでもっとも成功した作曲家のひとりで、ガーシュインからは「アメリカのシューベルト」とまで絶賛されています。しかし、そんな大作曲家なのにもかかわらず、彼の曲は、海賊版を除いてスタンダード曲集には収録されていませんでした。
「ホワイト・クリスマス」でさえも。
ぼくも先輩から渡された「ホワイト・クリスマス」のCメロ譜(メロディとコードのみ書かれた楽譜)を大事に取っておいたものです。
実はバーリンは、「自分の曲を他人の曲と一緒に本にしないでくれ」という遺言を残していたそうです。
つまり、出版するなら「アーヴィング・バーリン曲集」としてしか出してはならない、と。
そうか~、それで探しても探してもホワイト・クリスマスの譜面がどこにもなかったんですね。
今は遺族の許可が得られているそうで、いわゆる「黒本」にもちゃんと載っています。
よかったよかった
アーヴィング・バーリン
ちなみに、「クリスマス」はイエス・キリストの「降誕を祝う日」で、実はキリストの「誕生日」ではないんですね。