☆<新宿バルト9>に観に行った。
観終えて映画館を出ると、「ぴあ」の映画鑑賞の出口調査のインタビューをされた。
悪い作品ではなく、完成度も高かったが、触れなくてはならない作品の「奇怪さ」もあり、けれど、それについて語るのははばかれ、あたり障りのない返答になってしまった。
1/21号の「ぴあ」に、私のコメントが顔写真付きで載っていたら、笑ってくれ^^
◇
なんとも無気力に生きていた青年が、空き巣に入った屋敷にいたカップルを殺してしまう。
青年・淳は死刑の宣告を受ける。
そこに、「あなたの身の回りの世話をしたい」と、薫と言う女が面会にくる。
実は、薫は、殺されたカップルの男の婚約者であった。
つまり、淳が殺したカップルは、薫の婚約者と浮気相手だったのである。
薫は、自分の夢を壊し、幻想を打ち破った淳への複雑な興味で近づいたのだ。
だが、淳と薫は、面会室のアクリル板越しの逢瀬を経て、いつしか愛を育んでいくのである。
捻った物語だが、展開はシンプルではある。
作り手は、結婚している薫の生活や、刑に服する淳の生活(正直、興味深い)を淡々と描き、また、絶望の薫や、虚無的な淳の心象風景を見事に画面に、イメージ映像として映し出す。
そのようなイメージ映像は、多分に、作り手の独りよがりに陥るが、この作品では、詩的に面白い。
差し入れられた聖書の、膨大なページの中に、検閲に引っ掛からないように記された両者の思いによって、お互いの意思疎通(恋愛感情)は図られるのだが、所詮は限定条件の中での恋である。
だからこそ、盛り上がり、燃え上がるのだが、ちょっと距離を置いてみると、滑稽な恋である。
特に、クライマックス・・・。
お互いに、満月の夜に示し合わせて、それぞれの部屋で自慰行為にふけるというのは、私には、その是非が判別できない。
ある意味、これこそ、二人それぞれの「独りよがり」の「バカップル」にも思えてしまうのだ。
が、映画を構成する諸々の要素(映像・演技・編集・音楽など)が、この作品を非常に格調高く見せてくれる。
最初は、画面の<製作・奥山和由>を見たとき、私は「俺の観るべき作品じゃないんじゃないか」と思ったのだが、それは杞憂で、フランス映画を楽しむように、一風変わった物語へのリアルの構築に酔った。
◇
最後、自慰行為をして、独房の中で果てた淳(久保田将至)は、大の字で、布団の上に倒れる。
そこには、満月に照らされた独房の鉄格子の影が、十字架のように重なる。
このような分かり易いイメージも然ることながら、
物語の当初、淳の弁護士(佐野史郎 )が、淳との面会のときに、「精神」「聖書」とか言うのだが、それが聞き取りにくく、「生死」「生死」と聞こえ、それが演出上の故意であったなら、この作品は凄いなと思わせられるのだ。
それから、正直、佐野史郎は「検事」顔なので、良心的な弁護士役であることが面白かった^^;
◇
薫役の尾野真千子は、その素材は、私の趣味ではないが、非常に演技がうまい。
そのあまりにもの、涙の劇的な流れ方に感心してしまった。
乳首も、男が口に含み甲斐ある大きさだと思うのだ・・・。
(2009/01/09)
観終えて映画館を出ると、「ぴあ」の映画鑑賞の出口調査のインタビューをされた。
悪い作品ではなく、完成度も高かったが、触れなくてはならない作品の「奇怪さ」もあり、けれど、それについて語るのははばかれ、あたり障りのない返答になってしまった。
1/21号の「ぴあ」に、私のコメントが顔写真付きで載っていたら、笑ってくれ^^
◇
なんとも無気力に生きていた青年が、空き巣に入った屋敷にいたカップルを殺してしまう。
青年・淳は死刑の宣告を受ける。
そこに、「あなたの身の回りの世話をしたい」と、薫と言う女が面会にくる。
実は、薫は、殺されたカップルの男の婚約者であった。
つまり、淳が殺したカップルは、薫の婚約者と浮気相手だったのである。
薫は、自分の夢を壊し、幻想を打ち破った淳への複雑な興味で近づいたのだ。
だが、淳と薫は、面会室のアクリル板越しの逢瀬を経て、いつしか愛を育んでいくのである。
捻った物語だが、展開はシンプルではある。
作り手は、結婚している薫の生活や、刑に服する淳の生活(正直、興味深い)を淡々と描き、また、絶望の薫や、虚無的な淳の心象風景を見事に画面に、イメージ映像として映し出す。
そのようなイメージ映像は、多分に、作り手の独りよがりに陥るが、この作品では、詩的に面白い。
差し入れられた聖書の、膨大なページの中に、検閲に引っ掛からないように記された両者の思いによって、お互いの意思疎通(恋愛感情)は図られるのだが、所詮は限定条件の中での恋である。
だからこそ、盛り上がり、燃え上がるのだが、ちょっと距離を置いてみると、滑稽な恋である。
特に、クライマックス・・・。
お互いに、満月の夜に示し合わせて、それぞれの部屋で自慰行為にふけるというのは、私には、その是非が判別できない。
ある意味、これこそ、二人それぞれの「独りよがり」の「バカップル」にも思えてしまうのだ。
が、映画を構成する諸々の要素(映像・演技・編集・音楽など)が、この作品を非常に格調高く見せてくれる。
最初は、画面の<製作・奥山和由>を見たとき、私は「俺の観るべき作品じゃないんじゃないか」と思ったのだが、それは杞憂で、フランス映画を楽しむように、一風変わった物語へのリアルの構築に酔った。
◇
最後、自慰行為をして、独房の中で果てた淳(久保田将至)は、大の字で、布団の上に倒れる。
そこには、満月に照らされた独房の鉄格子の影が、十字架のように重なる。
このような分かり易いイメージも然ることながら、
物語の当初、淳の弁護士(佐野史郎 )が、淳との面会のときに、「精神」「聖書」とか言うのだが、それが聞き取りにくく、「生死」「生死」と聞こえ、それが演出上の故意であったなら、この作品は凄いなと思わせられるのだ。
それから、正直、佐野史郎は「検事」顔なので、良心的な弁護士役であることが面白かった^^;
◇
薫役の尾野真千子は、その素材は、私の趣味ではないが、非常に演技がうまい。
そのあまりにもの、涙の劇的な流れ方に感心してしまった。
乳首も、男が口に含み甲斐ある大きさだと思うのだ・・・。
(2009/01/09)