☆これ、素晴らしいですね。
色んな意味でいい。
先ずは、ジョナサン・モストウ監督的にである。
私は、ジョナサン・モストウ監督『ターミネーター3』の完成度は低いとは思っていない。
女性ターミネーターや、物語の終幕の余韻など、『1』『2』に劣らないと思っている。
『4』の評価と同じで、映画似非保守は、今後も『ターミネーター』の続編が出来ると、永遠に酷評し続けるのであろう。
かくして、ジョナサン・モストウ監督はしばらく映画作品を監督していなかったようだ。
しかし、『ターミネーター』を生んだキャメロン監督が『アバター』を公開した今、テーマ的に重なる作品をぶつけてきた。
そして、表現の違いはあるが、けして劣らない作品を作り上げた。
そこには、ターミネーターの如き機械人間が現われ、その女性版が派手な戦いを見せてくれる。
そして、何よりも、夫婦・家族の絆と言う情の深い物語を展開させてくれている。
その叙情たるや、非現実的な話の中でリアリティを構築している。
クライマックスの「ダイイン」みたいな「滅びの美学」は、一昨年の傑作『ブラインドネス』を彷彿とさせた。
この監督には、作家性がある。
私は、この監督の『U-571』も大好きだ。
これからもガンガン撮ってね^^
◇
そして、ブルース・ウィリスである。
久し振りに、ブルース・ウィリスを見たような気がするのだが、肩の力の抜けたいい演技を見せてくれていた。
先に、同じアクション俳優のニコラス・ケイジが、『ノウイング』で、同じく太文字の「ニコラス・ケイジ」ではなく、作品の一部として名演しているのと似たものを感じた。
「サロゲート」とは、未来において、携帯電話並みに社会に普及している<実生活全般の代役を行なってくれる個人固有のロボット>のことである。
これまでのブルース・ウィリスっぽさは、ウィリス演じるFBI捜査官の「サロゲート」がケレン味たっぷりに見せてくれる。
「サロゲート」の<ネカマ>みたいのもいるのだが、主人公は若くしているが自分に似せている。
いや、町中に「サロゲート」が溢れているんだけど、その微妙な無機質さが最高である。
最近の女性のメイキャップ傾向は、完全に「サロゲート」化してきているので、そういった意味でも、社会批評的な面白さに充ちた作品だと思う。
傑作である。
・・・が、人間の危険をサロゲートに肩代わりさせるのが主要な「サロゲート」の存在意義なのだが、「サロゲート」はおろか、それを「操縦」している自宅の持ち主までも殺されることが、本作品の最大の謎なのだが、そのカラクリ及び真相がいまいち観ているこちらを驚かしてくれないのが欠点だ。
うまくやれば、異世界の構築と、その中での合理的な謎解き物として、山口雅也や西澤保彦の本格ミステリのような面白さも付加できたと思うのだが、惜しい。
(2010/01/23)
色んな意味でいい。
先ずは、ジョナサン・モストウ監督的にである。
私は、ジョナサン・モストウ監督『ターミネーター3』の完成度は低いとは思っていない。
女性ターミネーターや、物語の終幕の余韻など、『1』『2』に劣らないと思っている。
『4』の評価と同じで、映画似非保守は、今後も『ターミネーター』の続編が出来ると、永遠に酷評し続けるのであろう。
かくして、ジョナサン・モストウ監督はしばらく映画作品を監督していなかったようだ。
しかし、『ターミネーター』を生んだキャメロン監督が『アバター』を公開した今、テーマ的に重なる作品をぶつけてきた。
そして、表現の違いはあるが、けして劣らない作品を作り上げた。
そこには、ターミネーターの如き機械人間が現われ、その女性版が派手な戦いを見せてくれる。
そして、何よりも、夫婦・家族の絆と言う情の深い物語を展開させてくれている。
その叙情たるや、非現実的な話の中でリアリティを構築している。
クライマックスの「ダイイン」みたいな「滅びの美学」は、一昨年の傑作『ブラインドネス』を彷彿とさせた。
この監督には、作家性がある。
私は、この監督の『U-571』も大好きだ。
これからもガンガン撮ってね^^
◇
そして、ブルース・ウィリスである。
久し振りに、ブルース・ウィリスを見たような気がするのだが、肩の力の抜けたいい演技を見せてくれていた。
先に、同じアクション俳優のニコラス・ケイジが、『ノウイング』で、同じく太文字の「ニコラス・ケイジ」ではなく、作品の一部として名演しているのと似たものを感じた。
「サロゲート」とは、未来において、携帯電話並みに社会に普及している<実生活全般の代役を行なってくれる個人固有のロボット>のことである。
これまでのブルース・ウィリスっぽさは、ウィリス演じるFBI捜査官の「サロゲート」がケレン味たっぷりに見せてくれる。
「サロゲート」の<ネカマ>みたいのもいるのだが、主人公は若くしているが自分に似せている。
いや、町中に「サロゲート」が溢れているんだけど、その微妙な無機質さが最高である。
最近の女性のメイキャップ傾向は、完全に「サロゲート」化してきているので、そういった意味でも、社会批評的な面白さに充ちた作品だと思う。
傑作である。
・・・が、人間の危険をサロゲートに肩代わりさせるのが主要な「サロゲート」の存在意義なのだが、「サロゲート」はおろか、それを「操縦」している自宅の持ち主までも殺されることが、本作品の最大の謎なのだが、そのカラクリ及び真相がいまいち観ているこちらを驚かしてくれないのが欠点だ。
うまくやれば、異世界の構築と、その中での合理的な謎解き物として、山口雅也や西澤保彦の本格ミステリのような面白さも付加できたと思うのだが、惜しい。
(2010/01/23)