神戸の婦人の住まいする公団、復興市営住宅の前の花壇には、たいてい季節の花が咲いている。
この間来た時、おばあさんが姉さんかぶりで花壇の草取りをしていたが、たいていは花好きなこの方が、
いつも手入れされるそうだ。 この住宅でその方と、婦人のお隣の友人以外に誰も会うことはない。
鮮やかなはずのなでしこの赤が、なんだか寂しそうに見えてしまうから不思議である。
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夫は7時過ぎに仲間と兵庫県川西市へ卓球の試合に行った。 先週に続いて、えらい頑張っている。
1週間前に携帯を持った神戸の婦人が、どうも電話帳検索が出来ないということなので、
「行きますから」と言ってあったので10時に家を出た。
開通して新しい京セラドーム前から阪神電車に乗る。 (なんで自転車置き場がないんだろう)
阪神電車に乗るのは震災のずっと前、一度アパートを訪ねたことがあるが、以来2度目。
いつもは夫のアッシー君のお陰で楽々と行っているから、たまには自力で!(私にしたら画期的)
見るより駅員に聞くに限る、「普通電車で尼崎で降りて、特急で御影まで、そこから各駅で春日野道まで」
座席が地下鉄と違って、二人席ばかりだったのでびっくり、(ちょっと旅気分)初心者はるんるん。
尼崎からは午後始まる”神戸まつり”の精だろう、家族連れが多く、とうてい座れなかった。
特急に乗っているとき、どこからだったかのろのろ運転になった。
「安全点検のため徐行運転をしております」アナウンスがあった。 それにしてものろのろ、途中平地なのに、
電車が右へ大きく傾いていたので少し怖くなった。 阪神尼崎の脱線事故を思い出した。
同じアナウンスが何度か、2駅を過ぎる速度を速めたので、ほっとしたが慣れない私は少し肩に力が入っていた。
御影に到着したとき、駅のアナウンスが「事故車両の為、10分遅れたことをお詫び申し上げます」
(うっそー、安全点検って言ってたやん) 「遅れたため御影では連携の電車はありません」冷たく言った。
春日野道の駅からは近かったが、家を出て2時間もかかった。 無事着いたのでまいっか。
(やれやれ、当たり前のように一緒に行っているけどアッシー君には感謝だなぁ)
「携帯の出張サービスに来ました!」
訪ねると、日曜にも関わらず市の職員さんが介護の認定の調査に来ておられた。
ガスの消し忘れは・・とか、物忘れとか足の上げ下ろしや色々とチェックして行かれた。
帰った後、家から持参したハヤシライスを一緒に食べる。 「1人で来れたわ」
お隣の同じソフトバンクのお友達も呼んで、使い方を色々説明した。 が、また多分忘れると思う。
そう思い今日は写真に撮って、マニュアルを分かりやすくA4サイズに作って送ってあげようと思っている。
一番使いやすく見やすいのを店員さんに勧めてもらったので、もう何度もかけて慣れるしかない。
かっかってきた電話に、携帯を持っても婦人の指がさっと押せないことに気がついた。
大きい文字版であるが、こう持ってこんな感じで押して・・と言っても、たやすくないことを知った。
ほんと、ぼけ防止やリハビリのつもりで使ってもらわないといけないわ。
一番のお隣さんが同じソフトバンク同士で通話は無料なので、その点は申し分なし。
お隣さんの設定も変えてあげた。 婦人よりも一回り若いので、まだ理解が早い、けど使いこなせないらしい。
夫だって電話帳登録、未だに1人で出来ないんだもの。
野球から帰った展君と「迎えに行こうか」と次女から電話があった。 (わざわざいいよ~)
「電車乗れるし、練習に1人で帰るわ」と言っていたのに、時間の経過とともに大儀になってきて、
「やっぱりお願い~」 4時半に来てくれた。 やはり車は楽ちん、大助かり。
婦人も車のところまで降りてきて、なつめやかんたを見てくれた。 なつめは大人との会話が結構上手。
展君の顔を見て、「2人のいいお父さんの顔になったなぁ」と言った婦人。
次女とうまくいっているか、老婆心ながら気にしてくれているのだろう。
鍵を持たない夫が試合から帰ったのと、運良く同時刻になった。 またまた頑張った夫にはただただ敬。
着いて婦人の携帯へ電話した(コールサイン2回で出た!)
いきいき元気ななつめに喜んでくれ、次女夫婦を見て、安心したとそう言ってくれた。
そうやって36年、陰ながら私たち家族をずっと見守り続けて来てくれた私には神戸の母である。
帰り高速へ乗る前、「兄ちゃんたち、まさか神戸祭り来ていないよね」ちらっと次女が言った。
(月曜愛ちゃんが来た時、阪神電車で神戸祭りに行ったんですよと聞いた、やっぱり!)